ランドローバー・ディスカバリーHSEラグジュアリー(ディーゼル)(4WD/8AT)
遠くへ行くなら 2017.08.16 試乗記 新型「ランドローバー・ディスカバリー」のディーゼルモデルに試乗。500kmにもおよぶ孤独な(?)ロングドライブで、その動力性能や快適性、経済性などについて真剣に考えた。エンジンの出来は世界屈指のレベル
ランドローバーの新型ディスカバリーに試乗した。“試乗する”といってもいろいろなパターンがある。ざっくりいうと、メーカーやインポーターが開催するメディア向け試乗会に参加して乗って撮影するパターンと、編集部が借り出し、時間に縛られないで乗って撮影するパターンに分けられる。今回は後者。ただし「撮影はもう済ませました。丸一日クルマを託しますから好きに乗って書いてください」という、ややイレギュラーなパターンだった。自由というべきか放置プレイというべきか。物事はいいほうにとらえることにしよう。
そろそろ日本でディーゼルエンジンを使うブランド、使わないブランドがはっきりしてきた。現時点で導入していないブランドが新たに導入する気配はないが、ジャガー・ランドローバーはドイツ勢に次いで積極的に展開する勢力だ。ディスカバリーのディーゼルにはいくつかのシチュエーションで何度か試乗したが、今回渡された「HSEラグジュアリー」に日本で乗るのは初めて。価格は901万円。発売当初のみ設定される高価な「ファーストエディション」を除けばトップグレードだ。ちなみにガソリン版は20万円安い881万円となる。
ガソリンエンジン同様、ディーゼルエンジンもV6と直4ではパワーもフィーリングも違う。ジャガー・ランドローバーが発表したばかりの「レンジローバー ヴェラール」をはじめ幅広く採用する2リッター直4ディーゼルもパワフルというよりトルキーで、音・振動ともよく抑えられている。けれどそれには“4気筒にしては……”というただし書きが付く。一方ディスカバリーが積む3リッターV6ディーゼルは文句なくトルキーで、音・振動の少なさは、ガソリン、ディーゼルを問わず、世の中に存在する、6気筒以下のエンジンのなかでもかなりいい線いっていると思う。ディーゼル特有のガラガラ音は、車外だと聞こえるし、ボンネットフードを開けるともっと盛大に聞こえるが、車内にいる限りほとんど聞こえない。振動の少なさはディスカバリーが積むものに限らず、世の多くのガソリンV6と比べても遜色ない。