日本の技術も走りを支える

シャシーについては、3チャンバー式のエアサスペンションやリアのアクティブステアリングシステムなど、ハードウエア的には現行パナメーラに準じたアイテムが採用されている。

ただし、パナメーラには設定されず、この新型カイエンとともにワールドプレミアとなったのが、カイエン ターボに標準装備される「PSCB(Porsche Surface Coated Brake)」と命名された新しいブレーキシステムだ。

このPSCBでは、ディスクローターをタングステンカーバイドでコーティングしたことにより、通常のブレーキよりも30%の耐久性向上とダストの低減を実現すると同時に、連続使用での耐フェード性も向上。コストはセラミックコンポジットブレーキ「PCCB」よりも低く抑えられたという。

で、そんな新ブレーキのサプライヤーを担当エンジニアに尋ねたところ、「実はアケボノ製です」との回答。従来型の「カイエン ターボS」で初めてポルシェへのシステム供給を実現させた日本のサプライヤーが、再度そのポテンシャルを認められて新アイテムでの参入に成功したのは、何ともうれしい限りである。

また、やはり「ポルシェらしさ」が感じられる新型でのシャシー関連のトピックが、ポルシェでは「ミックスタイヤ」と表現をする、歴代カイエンとしては初となる前後異サイズシューズの採用。そこには、実際のドライビング・ダイナミクスを向上させる狙いがあるとともに、911や「ボクスター/ケイマン」というピュアスポーツモデルとの関連性も連想させる、このブランドならではの巧みなマーケティング戦略も含まれているに違いない。

快適な乗り心地を約束するという3チャンバー式のエアサスペンション。「カイエン ターボ」には標準、そのほかのグレードにはオプションとして用意される。
快適な乗り心地を約束するという3チャンバー式のエアサスペンション。「カイエン ターボ」には標準、そのほかのグレードにはオプションとして用意される。拡大
独特の表情を見せる「PSCB」のブレーキディスク。日本のブレーキメーカーである曙ブレーキ工業の製品だ。
独特の表情を見せる「PSCB」のブレーキディスク。日本のブレーキメーカーである曙ブレーキ工業の製品だ。拡大
新型「カイエン」では、コーナリング中の安定性を高めるべく、前後で異なるサイズのタイヤが装着される。
新型「カイエン」では、コーナリング中の安定性を高めるべく、前後で異なるサイズのタイヤが装着される。拡大
ポルシェ カイエン の中古車
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