【ジュネーブショー2018】ニューモデル攻勢をかけるトヨタ
2018.03.11 自動車ニュース![]() |
ドイツメーカーの勢いに比べると、ジュネーブショー2018における日本メーカーの出品内容は、少々寂しいものがあった。しかし、その中でひとり気を吐いたのがトヨタ。レクサスのブースと併せてリポートする。
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スープラの量産型は2019年初頭に登場か
トヨタの最大の注目は「GRスープラ レーシングコンセプト」だ。これはBMWとの共同開発が進んでいる、次世代の「スープラ」をレーシングモディファイしたもの。耐久のLM-GTE仕様で巨大なリアウイングや前後のオーバーフェンダーが装着されているが、量産モデルのデザインを垣間見ることができる。
そのデザインは、BMWの「Z4コンセプト」とは完全に異なり、旧世代のスープラをほうふつとさせるものとなっていた。また、ゼッケン90は、“型式をイメージしたもの”とか。つまりは、新型スープラは「90スープラ」と呼ばれることになるのではないだろうか。
今回発表された情報は、全長4575×全幅2048×全高1230mm、ホイールベース2470mmという寸法と、FR駆動であること、そしてフロント30/68-18、リア31/71-18というタイヤサイズまで。注目はホイールベースで、この数値は「トヨタ86」よりも100mmも短い。次世代のスープラは意外とコンパクトなのだ。これに直列6気筒エンジンが搭載されるのは間違いないだろう。
コンセプトカーの室内は鉄板むき出しの、いかにもレーシングカー的なもの。しかし、逆に言えば、ホワイトボディーまでは出来上がっているということ。開発が順調に進んでいることが伺える。ただし、量産モデルが登場するのは、どうやら2019年の初頭のよう。もう少し待つ必要があるようだ。
オーリスをモデルチェンジ
日本からの目線でいえば、トヨタの一番の目玉はGRスープラ レーシングコンセプトであったが、現地では別の意見もあるようだ。それが今回のジュネーブショーでワールドプレミアとなった新しい「オーリス」だ。日本では斜陽のCセグメントハッチバックだが、欧州では売れ筋商品。新世代オーリスは、そういう意味では欧州での注目度は高いのだ。
新型の全体のイメージは旧型オーリスの延長線上にあるものだが、ディテールは「C-HR」と同様に大きな抑揚があり、非常にダイナミックな印象を得た。プラットフォームはTNGAを採用。パワートレインは、1.2リッターのターボ、および1.8リッターと2リッターの2種のハイブリッドを用意。1.8リッターは燃費重視、2リッターはパフォーマンス重視という性格付けになるという。
また、さらに下のAセグメントのハッチバックである「アイゴ」はマイナーチェンジモデルが登場。これまで2次元的であった顔の「X」のモチーフが、新型では3次元的になっている。またパフォーマンスとハンドリングも向上。今年のトヨタブースの約3分の1のスペースが新型アイゴに割かれていたことを見れば、トヨタにとってアイゴは欧州市場で非常に重要なモデルなのだろう。
コンパクトクロスオーバーのレクサスUXが登場
トヨタの隣であるレクサスでは、まったく新しいモデルとなる「レクサスUX」がワールドプレミアされた。これは新世代プラットフォームとパワートレインを採用したコンパクトクロスオーバー。2リッターの直列4気筒のパワートレインは、先月にトヨタが発表したばかりのもの。世界最高峰の効率を誇るエンジンとダイレクトな変速フィールを実現する新型CVTが組み合わされており、他にハイブリッド版も用意。さらに4WD用の「E-Four」も用意されるという。欧州だけでなく、日本にも2018年冬の導入が予定されている。ハンドルを握るのが楽しみな一台だ。
(文と写真=鈴木ケンイチ)
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