マツダCX-3 XD Lパッケージ(FF/6MT)
“運転好き”にはいいけれど 2018.08.27 試乗記 デビュー以来最大規模の改良を受けたマツダのコンパクトSUV「CX-3」。新開発の1.8リッターディーゼルエンジンと新しい足まわりの織り成す走りは、従来モデルからどのように進化を遂げたのか? ちょっとマニアックなMT仕様で、その実力を確かめた。マツダ一族の黒い羊
マツダのラインナップの充実っぷりには感心させられる。下は「デミオ」から上は「CX-8」まで、単に出来がいいだけでなく、デザインも走りもクルマ好きの心を潤すスペシャルな魅力を備えている。コンパクトカーから大柄なSUVまで、濁りのないすっきりとしたドライブフィールという“マツダ味”が一気通貫しているあたりは、BMWをほうふつとさせる。1990年に「ユーノス・ロードスター」を新車で購入して以来、マツダが健やかなる時も病める時も、陰ながら応援してきた身としてはうれしい限りだ。
ただし、充実のラインナップのなかでただひとり、「ん?」と感じさせる存在だったのがマツダCX-3だ。まず、デザインは素晴らしくカッコいい。デビューした2015年から現在に至るまで、世界で一番カッコいいコンパクトSUVだと思う。でも乗ってみると……。洗練されたスタイリングとは裏腹に、乗り心地が荒っぽい。だったらものすごくハンドリング(操縦性)に秀でているのかといえば、攻め込むとグラッと傾いて背の高さを意識させる。
優秀なマツダ一家のなかで、末っ子だけ残念というか、鬼っ子というか……。英語だと一家の問題児を、ブラック・シープ・オブ・ザ・ファミリーと言うらしいけれど、マツダの黒い羊、CX-3に大がかりな変更が施されたと聞いて、マツダファンとしては、期待に胸をふくらませながら試乗に向かった。
試乗したのは、新開発の1.8リッターディーゼルエンジンと6段MTを組み合わせた仕様。ちなみに、これまで6段MTはディーゼルエンジンだけに設定されていたけれど、2リッターのガソリンエンジンでも6段MTを選べるようになっている。
すでに報道されているように、現在のマツダは「マイナーチェンジ」という形で変更を加えることはせずに、完成した技術をその都度フレキシブルに投入している。マツダCX-3にも4度の改良が加えられてきたが、今回が最大級の変更となる。
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