意外に早く普及する!?
世界初の「デジタルアウターミラー」って何だ?
2018.09.21
デイリーコラム
見えすぎちゃって困るの
見れば見るほど、SF映画に出てくるクルマのような……。というのは、2018年10月下旬に発売される新型「レクサスES」の、サイドミラーの話。“ミラー”といっても鏡はない。カメラで側面後方の様子を撮影し、車内のAピラー付け根にあるディスプレイに映像を表示、従来のドアミラーに勝る視界を確保するという装備だ。
こうしたメカニズムは、モーターショーをはじめとする技術展示で「未来予想図」として見たこともあるような気がするけれど、心の準備もないところに、いきなり製品化されるとは。
なんでまた、このタイミングで実現したのだろうか? トヨタ自動車 第2先進安全開発部のグループ長を務める杉原邦泰さんによれば、「2016年に国連基準が変わり、国内の規定においてもサイドミラーが“鏡”に限定されなくなった」のがきっかけ。加えて、法改正以前からこうした技術を開発したいという動きがトヨタ社内にあったこと、近年カメラの性能向上や小型化が急速に進んだことも要因という。
それから新型レクサスESの発表にあわせて実用化するまで、およそ2年間。世界初のこととあって、技術開発のほかにも国連法規の解釈に始まり、(法にかなうための)試験方法の確認や、国内外の行政機関の認証取得など、並々ならぬ苦労があったという。
そうして実現した「デジタルアウターミラー」の何がいいかといえば、「鏡よりもよく見える」ということに尽きる。疑似ミラーたるディスプレイに映し出される像の範囲は、上下方向・左右方向ともに鏡より広く、高速道路の合流(ウインカー連動)や後退(リバースギア連動)に合わせて、表示エリアが自動的に拡大・縮小される。もちろん、スイッチ操作での画角切り替えも可能だ。
筆者がこの装備を体験した日はたまたま大雨だったのだが、雨滴が付きにくいカメラの形状と車内にあるディスプレイのおかげで、うたい文句の通り視野はばっちり。薄暗い屋内駐車場でも明るい部屋にいるかのようなイメージが得られ、しかも後続車のヘッドライトがまぶしくないというのは、ちょっとしたカルチャーショックを覚えるほどだった。
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