ジャガーがピュアEV「Iペース」の受注を開始

2018.09.26 自動車ニュース webCG 編集部
「ジャガーIペース ファーストエディション」
「ジャガーIペース ファーストエディション」拡大

ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2018年9月26日、ジャガーブランド初となる100%EV「Iペース」を発表し、受注を開始した。

10インチと5インチのデュアルタッチスクリーンで構成される最新インフォテインメントシステム「Touch Pro Duo」をジャガーとして初めて採用。
10インチと5インチのデュアルタッチスクリーンで構成される最新インフォテインメントシステム「Touch Pro Duo」をジャガーとして初めて採用。拡大
シートは「パフォーマンスシート」と「スポーツシート」(写真)の2種類を用意。
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リアシートは60:40の分割可倒式。荷室容量は638~1435リッター。
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ボディーサイズは、全長×全幅×全高=4682×2011×1565mm、ホイールベースは2990mm(欧州仕様の数値)。エアサスペンションを採用し、乗降時/通常時/オフロード時の3段階に調整できる。オフロード走行時には最大50mm最低地上高が上がり、EVでありながら最大水深500mmまでの渡河走行が可能となる。
ボディーサイズは、全長×全幅×全高=4682×2011×1565mm、ホイールベースは2990mm(欧州仕様の数値)。エアサスペンションを採用し、乗降時/通常時/オフロード時の3段階に調整できる。オフロード走行時には最大50mm最低地上高が上がり、EVでありながら最大水深500mmまでの渡河走行が可能となる。拡大
7kWのAC普通充電と100kWのDC急速充電、さらに日本市場向けとして50kW CHAdeMO急速充電にも対応。
7kWのAC普通充電と100kWのDC急速充電、さらに日本市場向けとして50kW CHAdeMO急速充電にも対応。拡大
右から発表会に参列したポール・マデン駐日英国大使、ジャガーのアンバサダーを務めるプロテニスプレーヤーの錦織 圭選手、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン代表取締役社長、ジャガーのジュリアン・トムソン クリエイティブデザインディレクター、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部 若林敬一ディレクター。
右から発表会に参列したポール・マデン駐日英国大使、ジャガーのアンバサダーを務めるプロテニスプレーヤーの錦織 圭選手、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン代表取締役社長、ジャガーのジュリアン・トムソン クリエイティブデザインディレクター、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部 若林敬一ディレクター。拡大

航続距離は470kmを実現

ジャガーIペースは、2018年3月のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされたブランニューモデルで、初のEVとしてゼロから開発を行っている。ジャガーは同車を “エレクトリック・パフォーマンスSUV”と呼んでおり、そのデザインは、ジャガーのスーパーカーコンセプトモデル「C-X75」からインスピレーションを得たというクーペ的なシルエットが特徴。空気抵抗係数は0.29に抑えられている。

ボディーは、専用開発されたアルミニウムを94%使用する「アルミニウム・アーキテクチャー」を採用。ボディー構造の一部としてフロントとリアにアルミニウム製のサブフレームを装備し、その間にバッテリーフレームをレイアウトしている。バッテリーは可能な限り低く配置し、さらに50:50の前後重量配分と36kNm/degとなるジャガー史上最も高いねじり剛性を実現、SUVながらスポーツカーのようなパフォーマンスと安定した走り、快適な乗り心地を提供するという。

パワーユニットは90kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、前後にあるモーターを駆動。フロントに置かれたモーターは前輪を駆動し、リアに置かれたモーターが後輪を駆動するフルタイム4WDシステムを採用する。

今回の発表会でジャガー・ランドローバー・ジャパンのマーケティング・広報部ディレクター若林敬一氏は、「EVであってもジャガーのスポーティーさ、速さは変わりません」と、Iペースを紹介。実際に各モーターの最高出力は200ps、最大トルクが348Nmとなり、合計最高出力は400ps、合計最大トルク696Nmを発生。これは3リッターV6エンジンを搭載し最高出力380ps、最大トルク450Nmを誇るジャガーのSUV「Fペース」を上回る出力ということになる。参考までに、0-100km/h加速は4.8秒、最高速度200km/hと発表されている。

こうしたパフォーマンスを持ちながらも、EVであるIペースのCO2排出量は、当然ながら0g/km。空力に優れたボディーや最大0.2Gを発生させる回生ブレーキシステムの採用、高効率のヒートポンプ技術を活用しバッテリーとエアコンの温度管理を行い、航続距離とバッテリー効率を最大化するなどし、WLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)での航続距離は470kmを確保。「日常使いに問題なく対応すると考えている」(若林氏)と胸を張る。

充電は自宅駐車スペースでの充電を想定する最大7kWのAC普通充電と100kWのDC急速充電のほか、50kWのCHAdeMO規格の急速充電に対応。0%から80%までの充電時間は、100kWの場合約40分、50kWのCHAdeMOの場合は約85分、7kWの場合は約10時間で完了する。リチウムイオンバッテリーは全グレードを対象に「バッテリー保証」が付き、これは5年の新車保証に加え、最長8年間または16万km以内のいずれかでバッテリー容量が70%を下回った場合、保証の対象となるという。

最新のコネクティビティーを採用

走行面でも、Iペースはユニークな特徴を持っている。回生ブレーキには、センターコンソール上のタッチスクリーンで利きを簡単に調整できる機能を用意。回生ブレーキの利きのレベルを上げることによりスロットル操作のみで車速の制御が可能となるため、渋滞時などで走行が楽になるという。ジャガーではこれを「シングルペダル・ドライビング」と呼び、EVの特徴のひとつとして挙げている。

さらに、コーナリングの際に内側の前輪と後輪にそれぞれブレーキをかけることで車両の旋回力を向上させる「トルクベクタリングバイブレーキ」や、車両の状況を常時モニターしモーターとブレーキの設定を調整、悪天候時や悪路での走行をサポートする4WDシステム「アダプティブサーフェイスレスポンス」なども採用している。

また、リモートキーとスマートフォンのBluetoothを介して、近づいてくるドライバーを認識、そのドライバーの好みとなる温度設定やインフォテインメント、シート位置等を自動調整する、人工知能(AI)アルゴリズムを使用した「スマート・セッティング」をジャガーとして初搭載したほか、「Apple CarPlay」と「Android Auto」の採用もジャガーでは初となる。

ワイヤレスでのアップデートにより、常に最新のソフトウエアが使用できる「SOTA(Software Update Over The Air)」を採用するのも、未来的なEVを標榜(ひょうぼう)するIペースのイメージにマッチしていると言えそうだ。SOTAは、車載通信モジュールを利用して常に「インフォテインメントシステム」や「テレマティクスユニット」、「バッテリーコントロールモジュール」を最新の状態にでき、メンテナンスのための入庫回数を減らすことができるという。

純正アクセサリーやボディーカラーが豊富なのも、Iペースのセリングポイントだろう。デザインチームが設計の段階から開発に携わった約70アイテムのオプション品をラインナップし、同時にユーザーの好みやライフスタイルに合わせて「カーボンファイバー」「ビジネス」「ツーリング」「ペット」の4つのセレクションも設定。ボディーカラーは全12色を用意した(「Iペース ファーストエディション」限定色を含む)。

なお、導入から1年間の限定モデルとして、20インチホイールや「マトリクスLEDヘッドライト」、「ウィンザーレザースポーツシート」、「MERIDIAN」のサラウンドサウンドシステム、通常のドライバーアシスト機能に加えてステアリングアシストを加えた「新アダプティブクルーズコントロール」、ハイスピードエマージェンシーブレーキ、ブランドスポットアシストを加えた「ドライバーアシストパック」、「パノラミックルーフ」、「アクティブエアサスペンション」のほか、「FIRST EDITION」のロゴを施したトレッドプレートやウッドトリムなどを採用したIペース ファーストエディションを販売する。

ラインナップと価格は以下の通り。

  • Iペース S:959万円
  • Iペース SE:1064万円
  • Iペース HSE:1162万円
  • Iペース ファーストエディション:1312万円

(webCG)

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