ジャガーIペース ファーストエディション(4WD)/Iペース HSE EV400 AWD(4WD)
間違いのないEV 2018.07.03 試乗記 “エレクトリック・パフォーマンスSUV”を名乗る、ジャガーのピュアEV「Iペース」にポルトガルで試乗。その走りは、これまで経験してきたEVとはひと味違った、ジャガーならではの素性のよさが感じられるものだった。スタミナは十分
EVを買う決断を下すのは、多くの人にとって勇気の要ることだろう。なにしろクルマは安い買い物じゃないので、失敗したからといっておいそれと買い換えるわけにもいかない。だから、自分の周囲にすでにEVに乗っている人がいて、「なんにも不便なんかないし、むしろガソリンスタンドに行かなくて自宅で充電できるからEVのほうが便利なくらい。同じ距離を走るなら、ガソリン代より電気代のほうが安いしね」なんて話でも聞かされない限り、真剣にEVの購入を検討するのが難しいのはよくわかる。
でも、ジャガー初の量産型EVであるIペースにポルトガルで試乗して、「ああ、EVはついにここまできたんだ」という感慨を抱いた。
いくら最近は航続距離が伸びたといっても、EVに乗るからにはエコランをしなければまともに走れない――そんな既成概念にとらわれていた私も、90kWhと大容量のリチウムイオンバッテリーが与えられ、JC08モードよりはるかに測定条件が厳しいWLTPモードで480kmの航続距離をマークするIペースならば、遠慮なくアクセルペダルを踏み込むことができた。しかも、高速道路だろうとワインディングロードだろうと「これでもか!」というくらいのペースでおよそ200km走っても、バッテリーの充電残量は48%を示していた。おそらく普通の走り方だったら300kmは余裕で、400km超えも難しくないだろう。
そんなEVが、走りで定評のあるジャガーから登場した点に強い説得力を感じる。では、ジャガー初の量産EVであるIペースがどんなクルマなのか、もう少し詳しく見てみよう。