トヨタ・カローラ スポーツG“Z”(FF/6MT)
昔語りはほどほどに 2018.11.22 試乗記 「トヨタ・カローラ スポーツ」の1.2リッターターボモデルに、新開発のレブマッチ機能付きマニュアルトランスミッション「iMT」搭載車が登場。その出来栄えを確かめつつ、今日に至るカローラの歴史に思いをはせた。「クラウン」と並ぶトヨタの2大看板
本年6月26日に発売となった新型車カローラ スポーツは、「オーリス」の後継モデルということになるのだけれど、オーリスはもともと欧州におけるカローラ(ハッチバック)の後釜として、「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を意識して開発された。だから全幅が1700mm以上あった。
余談ながら、それでは使いにくいでしょう、ということで国内向けに5ナンバーサイズの「カローラ アクシオ」とか「カローラ フィールダー」がつくられた。いまにして思えば、アクシオとかフィールダーはぜいたくだった。だって国内専用モデルを仕立てる余裕があったのだから。超少子高齢化で国内市場がしぼみ、そんなことも言ってられなくなった。先ごろ発表された、トヨタ店と一部トヨペット店での「クラウン」、カローラ店でのカローラなどの専売制をやめて、どのモデルもトヨタのディーラー網のすべてで購入できるようにするという改革も、つまりは超少子高齢化に起因している、という言い方もできる。
と過去を懐かしんでいるとさみしいことのように思われるけれど、ではきみはアクシオとかフィールダーに愛情をもって接していたのか、共感をもっていたのかと問われると、ゴニョゴニョと申し上げるほかない。ともかくトヨタはこれを奇貨として、このたびオーリスの3代目にあたるモデルをカローラ スポーツと命名し、新型車として売り出した。初代「コネクティッドカー」となる栄誉も与えた。トヨタ帝国の大看板であるクラウンと同時に、であるからして、つまりトヨタとしてはカローラもまた大看板である、ということをあらためて宣言したわけである。
ホームページには「新世代ベーシック。気持ちいいほど、新しい」なるキャッチフレーズが躍っている。乗ってみてもなるほど新しい。ちょっと「オーリス120T」に似ている気もするけれど、今回試乗したのが8月に追加発売となった待望のマニュアルだったことが、この新鮮な運転感覚に大いに寄与しているに違いない。
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