【F1 2018 続報】最終戦アブダビGP「それぞれのフィナーレ」

2018.11.26 自動車ニュース
F1第21戦アブダビGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右から2番目)、2位に入ったフェラーリのセバスチャン・ベッテル(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)
F1第21戦アブダビGPを制したメルセデスのルイス・ハミルトン(写真右から2番目)、2位に入ったフェラーリのセバスチャン・ベッテル(同左端)、3位でレースを終えたレッドブルのマックス・フェルスタッペン(同右端)。(Photo=Red Bull Racing)拡大

2018年11月25日、アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで行われたF1世界選手権第21戦アブダビGP。3月に開幕した長いシーズンの最終戦は、それぞれにとっての特別なレースとなった。

スタートシーン。今季7回目のフロントロー独占となったメルセデスの2台が1-2でターン1へ。(Photo=Ferrari)
スタートシーン。今季7回目のフロントロー独占となったメルセデスの2台が1-2でターン1へ。(Photo=Ferrari)拡大
今年5度目のタイトルを獲得したハミルトンが、最終戦でも盤石の走りを披露し、ポール・トゥ・ウィンを達成。2014年シーズンに次ぐ自己ベストタイの年間11勝を記録した。通算勝利数は73回に達し、ミハエル・シューマッハーの最多勝記録に、あと18勝で手が届くところまできた。さらに今季17回も表彰台にあがり、ポイントでは史上初めて400点を超えるなど、ハミルトンにとってまさにパーフェクトなシーズンだった。(Photo=Mercedes)
今年5度目のタイトルを獲得したハミルトンが、最終戦でも盤石の走りを披露し、ポール・トゥ・ウィンを達成。2014年シーズンに次ぐ自己ベストタイの年間11勝を記録した。通算勝利数は73回に達し、ミハエル・シューマッハーの最多勝記録に、あと18勝で手が届くところまできた。さらに今季17回も表彰台にあがり、ポイントでは史上初めて400点を超えるなど、ハミルトンにとってまさにパーフェクトなシーズンだった。(Photo=Mercedes)拡大
アブダビGPで過去3勝を記録していたベッテル(写真)だったが、いずれの勝利もレッドブル時代のもの。これまでヤス・マリーナでは、フェラーリは勝ちもポールもなかった。金曜日のフリー走行で出遅れたものの土曜日になると復調し、予選では3位。レースではバルテリ・ボッタスの脱落にも助けられ2位でチェッカードフラッグを受けた。シーズン前半戦のハミルトンとのつばぜり合いは2018年のハイライトといってよかったが、後半戦の取りこぼしがあまりに多く、結果的にポイントではハミルトンに88点もの差をつけられた。来季こそ、メルセデスの独走にストップをかけたいところだ。(Photo=Ferrari)
アブダビGPで過去3勝を記録していたベッテル(写真)だったが、いずれの勝利もレッドブル時代のもの。これまでヤス・マリーナでは、フェラーリは勝ちもポールもなかった。金曜日のフリー走行で出遅れたものの土曜日になると復調し、予選では3位。レースではバルテリ・ボッタスの脱落にも助けられ2位でチェッカードフラッグを受けた。シーズン前半戦のハミルトンとのつばぜり合いは2018年のハイライトといってよかったが、後半戦の取りこぼしがあまりに多く、結果的にポイントではハミルトンに88点もの差をつけられた。来季こそ、メルセデスの独走にストップをかけたいところだ。(Photo=Ferrari)拡大
第19戦メキシコGPで優勝、前戦ブラジルGPでも優勝目前までいきながら周回遅れのエステバン・オコンと接触、惜しくも2位となったレッドブルのフェルスタッペン(写真右)。連勝は幻となったが、闘志が空回りしがちだったシーズン前半戦とは対照的に、後半戦に調子を上げてきていることは事実だった。最年少ポールシッター記録を更新する最後のチャンスだったが、チームとのタイヤ温度に関する行き違いもあり予選6位。レースではスタートでパワーユニットがセーフモードに入るトラブルに見舞われ一気に9位まで後退するも、そこから挽回し、5戦連続の表彰台となる3位で最終戦を終えた。(Photo=Red Bull Racing)
第19戦メキシコGPで優勝、前戦ブラジルGPでも優勝目前までいきながら周回遅れのエステバン・オコンと接触、惜しくも2位となったレッドブルのフェルスタッペン(写真右)。連勝は幻となったが、闘志が空回りしがちだったシーズン前半戦とは対照的に、後半戦に調子を上げてきていることは事実だった。最年少ポールシッター記録を更新する最後のチャンスだったが、チームとのタイヤ温度に関する行き違いもあり予選6位。レースではスタートでパワーユニットがセーフモードに入るトラブルに見舞われ一気に9位まで後退するも、そこから挽回し、5戦連続の表彰台となる3位で最終戦を終えた。(Photo=Red Bull Racing)拡大

行く人、来る人

史上最多タイの21戦で争われた2018年のF1もいよいよ最終戦。3月のオーストラリアGPから始まった長いシーズンの最後は、それぞれが行き着いた“ファイナル”でもあった。

まずは、このレースを最後にF1を去るフェルナンド・アロンソ。今後の復帰に含みを残した“事実上の引退”となるが、一時代を築いた大物GPドライバーの勇姿もこれで見納めになるかもしれないと思えば、誰しも感慨を覚えることだろう。2000年代初頭のミハエル・シューマッハー&フェラーリ黄金時代の幕引き役として、ルノーで2005年から2年連続でタイトルを獲得。その後はさまざまな巡り合わせの悪さでチャンピオンにはなれなかったが、マクラーレン(2007年)、フェラーリ(2010~2014年)ではあと少しで栄冠奪還というところまでいき、キャリア通算勝利数は歴代6位の32勝を記録するまでになった。2001年にミナルディ(現トロロッソ)でデビューした頃の幼さ残る19歳の若者は、17年の時を経て、元王者の風格を備えたグレートドライバーに。ルーベンス・バリケロの最多322戦に次ぐGP参戦311戦目に、ともに復活を誓いながら夢を果たせなかったマクラーレンは、アロンソ仕様の特別なカラーリングを施したマシンを走らせ、エースドライバーの有終の美を飾らんとしていた。

来季チームを変わるドライバーにとっても最終戦は特別なレース。2014年から在籍してきたレッドブルを離れ、2019年にルノーへと移籍するダニエル・リカルドもそんなドライバーのひとりだった。レイトブレーキングで鋭いオーバーテイクを仕掛ける持ち前のアグレッシブかつシュアなドライビングで、レッドブルとともに7勝を勝ち取ってきたリカルド。今季は悲願のモナコ初優勝を成し遂げるも、トラブルによりリタイア8回とフラストレーションのたまる一年を過ごしてきた。レッドブル最後のレースはこのチームでの100戦目、キャリア150戦目という節目にも重なった。シーズン終盤に僚友マックス・フェルスタッペンも勝ち星を挙げているだけに、アブダビでもあの“シューイ”が見られる可能性は十分にあり得た。

キミ・ライコネンもフェラーリでの最後のGPを迎えた。2014年のスクーデリア復帰からなかなか好成績を残せずにいたが、今年は過去5シーズンで一番の出来栄えを見せ、20戦して表彰台12回、アメリカGPでは5年ぶりの勝利を記録した。今年ザウバーでデビューした新生シャルル・ルクレールと入れ替わるように、来年古巣へと移籍する現役最年長ドライバー。2007年にタイトルを取ったフェラーリに、最後にして最善の置き土産を残したかった。

そのほか、来年はフォーミュラEに転向するマクラーレンのストフェル・バンドールン、同じく米インディカーに挑戦するザウバーのマーカス・エリクソンらF1を後にするドライバーに、この週末になって、ウィリアムズのセルゲイ・シロトキンが仲間入りすることが明らかになった。今年デビューしたシロトキンは、同チームのリザーブドライバーだったロバート・クビサに追い出されるかっこうでシートを失うことに。2006年から2010年までF1を戦い1勝を記録していたクビサは、2011年のラリー中の大事故でGPキャリアを絶たれたかに思われたが、奇跡的なカムバックを果たすことになった。

今年で10回目となるアブダビGPで、それぞれのフィナーレが訪れようとしていた。

この5年間で7勝を記録したレッドブルを離れ、来シーズンはルノーで新たなGPキャリアをスタートさせるダニエル・リカルド(写真)。予選ではチームメイトに負けたことがないアブダビで、僚友フェルスタッペンのひとつ上、5番グリッドを獲得した。レースでは第1スティントを長く取り、33周目まで暫定トップを走ったものの、終盤のアドバンテージにつなげられず、表彰台まであと一歩の4位に終わった。リタイア8回とトラブルの多さに悩まされた今季にあって、実に7回目の4位。表彰台は優勝した中国GPとモナコGPの2回だけという数字からも、今年の苦しい戦いぶりがうかがえた。ゴール後の無線で、チーム代表のクリスチャン・ホーナーから、今までの功績に対する感謝とねぎらいの言葉が伝えられた。(Photo=Red Bull Racing)
この5年間で7勝を記録したレッドブルを離れ、来シーズンはルノーで新たなGPキャリアをスタートさせるダニエル・リカルド(写真)。予選ではチームメイトに負けたことがないアブダビで、僚友フェルスタッペンのひとつ上、5番グリッドを獲得した。レースでは第1スティントを長く取り、33周目まで暫定トップを走ったものの、終盤のアドバンテージにつなげられず、表彰台まであと一歩の4位に終わった。リタイア8回とトラブルの多さに悩まされた今季にあって、実に7回目の4位。表彰台は優勝した中国GPとモナコGPの2回だけという数字からも、今年の苦しい戦いぶりがうかがえた。ゴール後の無線で、チーム代表のクリスチャン・ホーナーから、今までの功績に対する感謝とねぎらいの言葉が伝えられた。(Photo=Red Bull Racing)拡大
「真っ赤なアイスマン」もこれで見納め。2007年から3シーズン、そして2014年から5シーズンをともに戦ったフェラーリでの最後のGPで、キミ・ライコネン(写真)は4番グリッドから出走。今季13回目のポディウムを狙って走っていたが、7周目に突如マシンがパワーを失いストップ、電気系トラブルでリタイアという残念な結果に終わってしまった。2019年は、18年前にGPデビューを飾った古巣ザウバーでの、新しいキャリアがスタートする。(Photo=Ferrari)
「真っ赤なアイスマン」もこれで見納め。2007年から3シーズン、そして2014年から5シーズンをともに戦ったフェラーリでの最後のGPで、キミ・ライコネン(写真)は4番グリッドから出走。今季13回目のポディウムを狙って走っていたが、7周目に突如マシンがパワーを失いストップ、電気系トラブルでリタイアという残念な結果に終わってしまった。2019年は、18年前にGPデビューを飾った古巣ザウバーでの、新しいキャリアがスタートする。(Photo=Ferrari)拡大

ハミルトンが11回目のポール、メルセデスは記録更新

アブダビGPの舞台であるヤス・マリーナは、これまで「メルセデスの庭」として知られ、過去4年連続してフロントロー独占&1-2フィニッシュと、シルバーアローが圧倒的な戦績を誇ってきた。逆にフェラーリはこれまでの9年で勝利もポールもなく、リードラップすら11周だけと、ここはいわば「鬼門」だった。

実際、金曜日からセッションが始まると、後半戦で調子を上げてきているレッドブル、そしてメルセデスが前を取り、フェラーリは3強の3番目に。翌土曜日になると赤いマシンが上位に顔を出し始めたが、予選になると、やはり銀の底力が発揮されることとなった。

トップ10グリッドを決めるQ3、最初のアタックで自らがたたき出した最速タイムをさらに0.5秒縮めてポールポジションを獲得したのはハミルトン。今シーズン11回目、通算83回目の予選P1だ。バルテリ・ボッタスが2位に入ったことで、メルセデスは今季7回目のフロントロー独占に成功。今までどのコンストラクターもなし得なかった、同一サーキットでの5年連続最前列独占という記録が誕生した。

フェラーリはセバスチャン・ベッテル予選3位、ライコネン4位と2列目。レッドブルはリカルド5位、フェルスタッペン6位と3列目に並んだ。フェラーリ製パワーユニットを搭載するマシンが4列目につけ、ハースのロメ・グロジャン7位、ザウバーのルクレール8位。レーシングポイント・フォースインディアのエステバン・オコン9位、ルノーのニコ・ヒュルケンベルグは10位で予選を終え、アロンソは15位からスタートすることとなった。

20戦して0勝と、このままでは終われなかったメルセデスのボッタス(写真)。アブダビでは、チームメイトのハミルトンに次ぐ2番グリッドからスタートするも、2位の座を守り切れず5位。「シーズンを通して2位が7回あったにも関わらず勝ち星を挙げられなかったドライバー」という、うれしくない記録を作ってしまった。シーズン前半戦には優勝目前までいくレースも多々見られたが、後半戦になるとパフォーマンスは下降線をたどり、最後は4戦連続して5位となった。メルセデスは、エステバン・オコンを来季リザーブドライバーとして迎え入れることを発表しており、2019年はよりプレッシャーのかかるシーズンとなりそうである。(Photo=Mercedes)
20戦して0勝と、このままでは終われなかったメルセデスのボッタス(写真)。アブダビでは、チームメイトのハミルトンに次ぐ2番グリッドからスタートするも、2位の座を守り切れず5位。「シーズンを通して2位が7回あったにも関わらず勝ち星を挙げられなかったドライバー」という、うれしくない記録を作ってしまった。シーズン前半戦には優勝目前までいくレースも多々見られたが、後半戦になるとパフォーマンスは下降線をたどり、最後は4戦連続して5位となった。メルセデスは、エステバン・オコンを来季リザーブドライバーとして迎え入れることを発表しており、2019年はよりプレッシャーのかかるシーズンとなりそうである。(Photo=Mercedes)拡大
今年最も躍進した中団チームがハースだ。強力なフェラーリのパワーユニットに加え、高効率なマシン開発が結実。最終戦でもロメ・グロジャン(写真)9位、ケビン・マグヌッセン10位とダブル入賞を果たし、ワークスのルノーに迫るコンストラクターズランキング5位でシーズンを終えることとなった。なお、ライバルチームのフォースインディアが今夏破産したことにより、新生レーシングポイント・フォースインディアが誕生したが、この一連のプロセスに対しハースは異議をとなえており、この週末には、レーシングポイント・フォースインディアが選手権での分配金を維持できるとする判断に対して異議申し立てを行った。スチュワードはこれを却下したものの、今後の成り行きに注目が集まっている。(Photo=Haas)
 
今年最も躍進した中団チームがハースだ。強力なフェラーリのパワーユニットに加え、高効率なマシン開発が結実。最終戦でもロメ・グロジャン(写真)9位、ケビン・マグヌッセン10位とダブル入賞を果たし、ワークスのルノーに迫るコンストラクターズランキング5位でシーズンを終えることとなった。なお、ライバルチームのフォースインディアが今夏破産したことにより、新生レーシングポイント・フォースインディアが誕生したが、この一連のプロセスに対しハースは異議をとなえており、この週末には、レーシングポイント・フォースインディアが選手権での分配金を維持できるとする判断に対して異議申し立てを行った。スチュワードはこれを却下したものの、今後の成り行きに注目が集まっている。(Photo=Haas)
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リカルド、暫定首位を走行

アブダビにピレリが用意したタイヤは、硬い方からスーパーソフト、ウルトラソフト、そしてハイパーソフト。トップ10グリッドでは、上位5台はウルトラソフト、6番グリッドのフェルスタッペンより後ろは、速いがライフが短いハイパーソフトを履いて、55周のトワイライトレースに旅立っていった。

スタート後、1位ハミルトン、2位ボッタス、3位ベッテル、4位ライコネン、5位ルクレール、6位リカルドの順でターン1へ進入。フェルスタッペンは、パワーユニットがセーフモードに入るトラブルで一気に9位まで後退した。オープニングラップ中、ヒュルケンベルグのルノーとグロジャンのハースが接触、アウト側にいたヒュルケンベルグがはじき出され横転する事故が発生し、早々にセーフティーカーの出番が回ってきた。

5周目にレース再開。その2周後に、フェラーリの1台がメインストレートで速度を落としストップしてしまう。電気系のトラブルに見舞われたライコネンは、リタイアという残念な結果でスクーデリア最後のレースを終えることとなった。止まったフェラーリを片付けるためにバーチャルセーフティーカー(VSC)の指示が出たことで、トップのハミルトン、ルクレールらがピットに入りスーパーソフトを選択。VSCが明けると、今季初優勝を狙うボッタスが暫定リーダーとなり、2位ベッテル、3位リカルド、4位にはハミルトンをコース上で抜いたフェルスタッペンを従えて、しばし周回を重ねた。

16周目、2位走行中のベッテルがスーパーソフトタイヤに交換。翌周にはボッタスもピットへ。18周目にはフェルスタッペンも入り、リカルドもそれに続くかと思われたが、レッドブルのもう1台はコースにとどまり続け、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ベッテル、5位フェルスタッペンらの前でしぶとく暫定首位をキープした。この頃、中東には珍しい雨がパラパラと降ってきたのだが、レインタイヤが必要なほどの量ではなかった。

2018年の最終戦は、スペインの英雄、フェルナンド・アロンソ(写真)の事実上の引退レース。アロンソは父親をサーキットに招き、またマクラーレンは特別なカラーリングでエースの花道を飾ろうとした。最後の優勝は2013年スペインGP、最後の表彰台は2014年ハンガリーGPといずれもフェラーリ在籍中に記録されたもので、マクラーレンとの4年間は隘路(あいろ)の連続となってしまったが、それでもこのチームでアロンソが果たした役割は大きい。今年のマクラーレンがテールエンダー並みのマシンしか用意できなかった中で、チームが獲得した62点のポイントのうち、実に50点はアロンソが稼ぎ出したものである。前年のコンストラクターズランキング9位から6位に躍進できたのもアロンソのおかげといえよう。アブダビGPでは予選でQ1突破の15位、レースではポイント圏手前の11位まで順位を上げるもタイムオーバーとなった。来年は、マクラーレンとともに再びインディ500に挑戦。既に優勝しているモナコGP、ルマン24時間と合わせ「3大レース制覇」を狙う。なお2019年のマクラーレンは、カルロス・サインツJr.とランド・ノリスという若手がステアリングを握ることが決まっている。(Photo=McLaren)
2018年の最終戦は、スペインの英雄、フェルナンド・アロンソ(写真)の事実上の引退レース。アロンソは父親をサーキットに招き、またマクラーレンは特別なカラーリングでエースの花道を飾ろうとした。最後の優勝は2013年スペインGP、最後の表彰台は2014年ハンガリーGPといずれもフェラーリ在籍中に記録されたもので、マクラーレンとの4年間は隘路(あいろ)の連続となってしまったが、それでもこのチームでアロンソが果たした役割は大きい。今年のマクラーレンがテールエンダー並みのマシンしか用意できなかった中で、チームが獲得した62点のポイントのうち、実に50点はアロンソが稼ぎ出したものである。前年のコンストラクターズランキング9位から6位に躍進できたのもアロンソのおかげといえよう。アブダビGPでは予選でQ1突破の15位、レースではポイント圏手前の11位まで順位を上げるもタイムオーバーとなった。来年は、マクラーレンとともに再びインディ500に挑戦。既に優勝しているモナコGP、ルマン24時間と合わせ「3大レース制覇」を狙う。なお2019年のマクラーレンは、カルロス・サインツJr.とランド・ノリスという若手がステアリングを握ることが決まっている。(Photo=McLaren)拡大
トロロッソは、ブレンドン・ハートレー(写真)が予選16位から12位完走。ピエール・ガスリーは17番グリッドから入賞圏内の10位を走行していたが、48周目にマシンから白煙が上がりコース脇にストップし、リタイア。チームは33点を獲得し、コンストラクターズランキングでは下から2番目の9位でシーズンを終えることとなった。トロロッソとホンダのパートナーシップ初年度は、しかし中身の詰まった実り多き一年であったことは間違いない。ホンダは、過去3年のマクラーレン時代に露呈された信頼性を格段に向上させ、またスペック3まで進化させたパワーユニットのパフォーマンスにも手応えを感じていた。来季は強豪レッドブルにもパワーユニットを供給することになるホンダにとって、方向性を確かなものにする足固めの一年が終わった。(Photo=Toro Rosso)
トロロッソは、ブレンドン・ハートレー(写真)が予選16位から12位完走。ピエール・ガスリーは17番グリッドから入賞圏内の10位を走行していたが、48周目にマシンから白煙が上がりコース脇にストップし、リタイア。チームは33点を獲得し、コンストラクターズランキングでは下から2番目の9位でシーズンを終えることとなった。トロロッソとホンダのパートナーシップ初年度は、しかし中身の詰まった実り多き一年であったことは間違いない。ホンダは、過去3年のマクラーレン時代に露呈された信頼性を格段に向上させ、またスペック3まで進化させたパワーユニットのパフォーマンスにも手応えを感じていた。来季は強豪レッドブルにもパワーユニットを供給することになるホンダにとって、方向性を確かなものにする足固めの一年が終わった。(Photo=Toro Rosso)拡大

今年活躍した3人が表彰台、そしてアロンソは……

結局リカルドは、スタートタイヤのウルトラソフトで33周を走り、スーパーソフトに替えて5位でコースに復帰。これでハミルトンがトップに返り咲き、約6秒後方に2位ボッタス、3位ベッテルという位置関係となった。

メルセデスの4年連続となる1-2フィニッシュは、しかし達成ならず。長い第2スティントを走りながら安定したペースを保ち続けるハミルトンとは対照的にボッタスは苦戦を強いられ、35周目になるとDRSを使ったベッテルに抜かれ3位。程なくして今度はフェルスタッペンに襲われ、38周目には4位に後退する。さらにリカルドにも先を越され5位まで落ちたボッタスは、2度目のタイヤ交換を実施し5位のままでゴール。未勝利のままシーズンを終えることとなった。

盤石の走りで完勝を遂げたウィナーのハミルトンと、チャンピオンシップ同様にハミルトンを追いかけ2位となったベッテル、そして果敢なオーバーテイクで3位をものにしたフェルスタッペン。2018年に活躍した3人がポディウムにあがる一方で、表彰台には遠く及ばなかったものの、多くの観客と関係者から喝采を浴びたドライバーがいた。入賞すら望めそうもないパフォーマンスのマシンを駆り、15番グリッドから好走を続けたアロンソは、ポイント目前の11位でフィニッシュ。チェッカードフラッグ後のクールダウンラップで、ハミルトン、ベッテルとともにドーナツターンを披露し、大声援に応えていた。

新旧のチャンピオンがたどり着いたそれぞれのフィナーレ。記録と記憶、双方に残る瞬間だった。

(文=bg) 

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