アストンマーティン・ヴァンテージ(前編)
2019.05.16 谷口信輝の新車試乗 アストンマーティンのピュアスポーツモデル「ヴァンテージ」は、レーシングドライバーの目にどう映る? 初めて接した谷口信輝が、インテリアのデザインを皮切りにその印象を報告する。好みが分かれるインテリア
「まるでブドウ畑ですね」
アストンマーティン・ヴァンテージのコックピットにおさまった谷口信輝が、ぼそっとつぶやいた。
アンディ・パーマーCEOが掲げる“セカンド・センチュリー・プラン”に従って続々とニューモデルを投入するアストンマーティンにあって、ヴァンテージと「DB11」は技術的にとても近い関係にある。ボディーの基本構造は同じで、エンジンやギアボックスは「DB11 V8」とヴァンテージとで共通。では何が違うかといえば、ヴァンテージはショートホイールベースで2シーターになっている。クルマのキャラクターとしてもDB11はグランドツアラーでヴァンテージはスポーツカーと位置づけられる。
そんなわけでインテリアのデザインもヴァンテージとDB11では異なっていて、丸形スイッチの並びをまるでデザイン上のアクセントとして用いているかのようなヴァンテージに対して、DB11はより整然としてエレガントにまとめられている。そして谷口は、丸いスイッチがいくつも並んだダッシュボードの眺めを例えて“ブドウ畑”とつぶやいたのである。
「あれだけたくさんスイッチが並んでいると、自然とそこに目が向きますよね。一見したところいっぱいスイッチがあって煩雑そうですが、逆に1カ所にかたまっているから迷わなくて済むし、どこに何があるかもオーナーだったらすぐに覚えられそう。いいんじゃないですか」
ヴァンテージのインテリアでもうひとつ特徴的なのが異形ステアリングホイールだ。おそらくは、前方の視界を確保するためにステアリングの上側を切り取り、膝との干渉を防ぐために下側を切り取ったのだろう。結果として、ステアリングの形は四角に近づいたといえなくもない。操作した際に違和感はないのだろうか?
「違和感はまったくありませんでしたよ。今日はそんなにたくさん回していないというのも関係しているかもしれませんが、好きか嫌いかで言えば、まあ、好きではありませんよね(笑)。別に不自由はないけれど、あえてあの形にする必要性がどこまであったかといえば疑問です。例えて言えば、味は変わらないのに四角いスイカを無理やり作ったという感じ。感覚的に、ちょっと不自然ですよね」
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