アウディTTSクーペ(4WD/6AT)
足りないものを数えるよりも 2019.06.13 試乗記 デビューから5年目が過ぎ、ついにマイナーチェンジを受けたアウディのコンパクトスポーツ「TT」シリーズ。高性能モデル「TTS」に試乗し、手ごろなボディーサイズにパワフルなエンジン、フルタイム4WD「クワトロ」の組み合わせがかなえる走りを味わった。よりシャープなエクステリアに
“ビッグクワトロ”、すなわち「アウディ・クワトロ」の登場以降、さまざまなモデルを世に送り出してきた近代アウディのなかで、歴史に残る一台を挙げるなら、カーデザインに大きなインパクトを与えた初代「アウディTT」のほかにはないと思う。フォルム全体がTTに似ているクルマから、くっきりとしたフェンダーアーチなどのディテールを参考にしたクルマまで、その後のカーデザインへの影響の大きさは計り知れない。
現在のTTは3代目にあたり、デビューは2014年3月のこと。それから5年以上が経過し、このたび改良の手が加えられた。といっても、今回はエクステリアデザインの変更が中心で、いままでに比べて精悍(せいかん)さがアップしたのが特徴である。
その内容をかいつまんで説明すると、スタンダードモデルにはスポーティーなデザインを特徴とする、従来の「Sライン」のエクステリアを取り入れる一方、新たなSラインやスポーツモデルのTTSでは、フロントバンパーをより押し出しの強いデザインとし、3Dハニカムデザインのシングルフレームグリルと、テールライト下にはエアアウトレット風のエレメントを採用した。さらにTTSでは、マットブラックペイントのグリルにアルミルックのインサートを組み合わせて、シャープな印象を強めている。