「日産リーフ ニスモ RC」の走行テストを実施

2011.06.10 自動車ニュース

「日産リーフ」ベースのレーシングカーが走行テストを実施

日産自動車とニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)は2011年6月6日、「日産リーフ」をベースとしたレース専用モデル「日産リーフ ニスモ RC」の走行テストを、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイで行った。レーシングカーらしからぬ静かな走りながら、モーターならではの鋭い加速を披露。見学者は口々に驚きの声を上げていた。

まるで巨大なラジコンカー!?

最終コーナーの出口でキラっとLEDのヘッドランプが光った。総カーボン製の真っ黒なボディをまとった「日産リーフ ニスモ RC」が、ホームストレートに向けて立ち上がってきたのだ。通常、レーシングカーなら耳をつんざくようなエンジン音を上げながら走っていくもの。しかしリーフ ニスモ RCは、拍子抜けするくらい静かだ。ロードノイズなどの走行音の中に「キーン」という金属的な音を混じらせながら、目の前を滑るように駆け抜けていった。まるで巨大な電動ラジコンカーのようだ。

リーフ ニスモ RCは、EVのドライビングプレジャーを世の中に広く訴えかけるために製作された。今年4月のニューヨーク国際オートショーで発表され、開発とテストは車名にもあるとおりニスモが行っている。カーボンのセンターモノコックに、同じくカーボンのカウルを前後に装着した2座のミドシップカーで、公道走行を前提としない完全なレーシングカーとして設計されている。

現時点ではこのクルマを用いたレースシリーズなど、具体的な活動内容は明らかにされていない。当面はモータースポーツイベントなどで実走行のデモンストレーションを行っていく予定で、さっそくフランスで6月11日から開催されるルマン24時間レースで観衆を前にデモ走行が行われる。

筑波サーキット1分7秒台の実力

リーフ ニスモ RCのEVパワートレイン(モーター、バッテリー、インバーター)は量産型リーフと同じものだ。キャビンの背後にバッテリーを搭載し、その後ろにインバーター、モーター/ギアボックス、サスペンションが一体となったリアアクスルユニットが組み付けられている。

量産型リーフではフロア下に搭載されていたバッテリーをキャビン背後に移設するにあたり、バッテリーユニットのアッセンブリーレイアウトが変更され、立方体形状に改められている。ただしセルユニットの数は同じ。したがって性能は同じである。充電に際し、量産型リーフと同じ急速充電器を使うこともでき、現状では約20分間のレースモードでの走行が可能という。

最高出力と最大トルクは量産型と同じ80kWと280Nmである。ただし車重が925kgと軽量なため(量産型は1520kg)走りは別物だ。モーターの強みであるトルクと重量の比(トルクウェイトレシオ)で見ると、その数値は3.30kg/Nmとスーパースポーツカー並み。整備を終えてピットロードからメインストレートに飛び出していくときの加速はとても鋭く、まるで放たれた矢のようだ。0-100km/hは6.85秒、最高速は150km/h。参考までに、筑波サーキットでの最速ラップタイムは1分7秒16(ニスモ計測)と発表されている。目下の課題はバッテリー交換に時間がかかること。現在は4人が交換に従事して、約1時間かかる。これを2人で30分にまで短縮するのが目標だ。

(文=竹下元太郎/写真=小河原認)

2台並べるとフォルムの違いがよくわかる。「リーフ ニスモ RC」のボディサイズは全長4465mm×全幅1942mm×全高1212mm。量産型より圧倒的に幅広く、背が低い。
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テクニカルな袖ヶ浦フォレストレースウェイを滑るように走る「リーフ ニスモ RC」。「RC」とは「レーシング・コンペティション」の意。
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量産型「リーフ」とフォルムは別物。しかしイメージは巧みに反映されている。GTレーサー並の空力性能を誇るという。
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リアカウルを外し、リアアクスルユニットを取り外すと、バッテリーが現れる。量産型リーフ用を流用。ただしアッセンブリーレイアウトを変更している。
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スーパーGTドライバーの松田次生選手が「リーフ ニスモ RC」の開発ドライバーを務める。「キーンという音は室内でもよく聞こえています。振動がないところがエンジン車と一番違うところですね」
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プロジェクトを統括するニスモの進士守(しんしまもる)さん。
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