ミツオカの新型車ってどんなクルマ!? 2020年秋に出るというニューモデルを予測する
2020.05.08 デイリーコラムあれでもなければこれでもない
2020年4月16日、光岡自動車はコンパクトセダン「ビュート」とコンパクトハッチバック「ビュートなでしこ」の限定車を発売した。「カフェラテ」と呼ばれるボディーカラーや、内外装のドレスアップが主な特徴だ。
それはまぁ、それとして。
この限定車のプレス向け資料、最後の方に次の一文がさらりと添えられていた。「2020年度は、光岡自動車として新たなカテゴリーへの新型車の投入を予定しております。時期は晩秋を目標に準備を進めておりますのでご期待ください」
ミツオカの新型車とは、寝耳に水! これまで日産やトヨタ、マツダなどのクルマをベースに個性的なモデルを開発してきた同社の次なる取り組みとは……。わざわざアナウンスするからには、かつての「ミツオカ・オロチ」のような、斬新な一台なのだろうか?
しかし、同社の広報担当者に問い合わせたところ、オロチ的なものではないという。では、「ヒミコ」系? そう、あの「マツダ・ロードスター」をベースにする超個性派オープンカーだ。伊勢丹とのコラボモデルとか、戦国時代バージョンとか、変わった仕様もあったなぁ。……と思いきや、これもハズレ。往年の「シボレー・コルベット」を思わせる限定車「ロックスター」(これもロードスターがベース)を出したばかりだし、オープントップモデルの開発は予定ナシのことだった。
“新たなカテゴリー”というのがポイントか。クラシックかつ流麗なデザインにこだわりを持つミツオカなら、クローズドボディーのクーペはありうるかも!? と聞いてはみたものの、「それもないですね」とキッパリ。
ならば、ミニバンじゃないか! ワゴンタイプの霊きゅう車も手がけるミツオカなら、大型ワンボックス車のカスタマイズもお手の物に違いない。「日産エルグランド」や「トヨタ・アルファード/ヴェルファイア」と、いまなら素材も選べそうだし、さらに大きな「トヨタ・グランエース」も出たばかりだ。
半年後にはプロトが登場
すっかり鬼の首を取った気になったのだが、なんとミニバンも「違う」とのこと。実際、“ミツオカ製ミニバン”へのリクエストはあるものの、デザイン上の自由度が低いため、同社が理想とする“モダンな雰囲気”の製品をつくるのは難しいそうだ。
そんな問答を繰り返して、じゃぁ正解は何なのかといえば――これも筆者の想像でしかないけれど――ずばり、SUV、と思われる。関係者のリアクションから察するに、SUVで間違いない、と筆者は思う。そうに決まってる!
モデルタイプについては、ミツオカから明確な答えはない。が、そのクルマ(SUVですよね?)は「サイズとしてはミドルクラス」で、「パワーユニットはハイブリッドとガソリンエンジンの2本立てになる」との情報は得られた。……ってことは、ベースは「トヨタC-HR」「日産エクストレイル」あたりなのか!?
具体的な車種についての話はそこ止まりになったけれど、聞けばこの新型車投入計画は、昨日今日の思いつきではなく、2年前の2018年から練られてきたもので、2019年中は明確な事業計画として進められてきたそうだ。
その2019年、地方のニーズに応じようと同社は初めて軽の新型車の製造・販売プランを立てていたのだが、発表直前で中止してしまった経緯がある。それに続く今回の計画は、新型コロナウイルスの影響という経済的逆境のなか進められるのだから、さらにハードルは高いはず。必ずしも実現するとは限らない。
それでも、現時点では「ちょっと遅れるかもしれないが、2020年の晩秋(11月くらい)にはプロトタイプを発表し、2021年春には発売したい」とのことだ。そうとくれば、われわれも、どんな新型車が出てくるのか期待しようではありませんか。やっぱりSUVだと思うけど。
(文と編集=関 顕也/写真=光岡自動車、webCG)
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関 顕也
webCG編集。1973年生まれ。2005年の東京モーターショー開催のときにwebCG編集部入り。車歴は「ホンダ・ビート」「ランチア・デルタHFインテグラーレ」「トライアンフ・ボンネビル」などで、子どもができてからは理想のファミリーカーを求めて迷走中。