ポルシェ911カレラ(後編)

2020.05.21 谷口信輝の新車試乗 ようやく日本に上陸した、新世代の「ポルシェ911カレラ」。その走りを試した谷口信輝は、どんなドライバーにすすめたいと思うのか? デザインや実用性も含め、新型の特徴についてリポートする。

スポーツカー的なネガはある

腕利きの谷口信輝をして「これでいいと思うんですよ。というか、これがいいと思うんです」と言わしめたポルシェ911のベーシックグレード、カレラ。その前編では称賛の言葉ばかりが並んだが、本当に死角はないのか? 谷口が捉えた911カレラ像をさらに深掘りしてみることにしたい。
「ポルシェ911って純スポーツカーじゃないですか。だから、普段遣いでいえば不便なところはいろいろとあると思いますよ」

ほほー。どんなところの使い勝手がよくないのだろうか?
「だって荷物はあまり積めないし、後席だって子供しか乗れないでしょ? 乗り心地だってゴツゴツしているじゃないですか」

それは普通のセダンに比べれば実用性は劣るかもしれないが、リアエンジンの911がスポーツカーにしてはスペースユーティリティーが優れていることは周知のとおり。例えばフロントに用意されたラゲッジルームは132リッターの容量を誇るほどだ。
「本当だ。思ったより広いですね。へー。機内持ち込みのスーツケースだったらふたつくらい入っちゃいそう。あと、小柄な女性だったら入れないこともなさそうですね(笑)」

谷口はラゲッジルームに人が入れるかどうかをよく話題にするが、あくまでも冗談のつもりなのでご了承願いたい。

また、谷口は911カレラの乗り心地をゴツゴツしていると評したが、それも動き出しからしっかりとダンピングが効いているため、「良質な硬さ」と表現してもいいものに仕上がっている。私がそう言うと、谷口が反論した。
「専門家の人はそう思うかもしれないけれど、クルマに関する知識があまりない普通の人が乗ったら、やっぱり硬いと感じると思いますよ、たぶん。僕には、助手席に座った人が『乗り心地悪い!』『エンジン音うるさい!』っていう声が聞こえてきそうです(笑)」

ただし、谷口自身はこの硬さにもしっかりとした意味があると捉えているようだ。
「スポーツカー乗りだったら、そこは言っちゃあいけないと思うんです。コンコンコンと硬さを感じるいまの足まわりをもっと柔らかくしたら、きっと慣性モーメントが余計に顔を出してきそうですよね。だから、そこは受け入れなさいと言いたいところです」

 
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