あなたの愛車もEVに!? エンジン車をベースとしたコンバージョンEVの最新事情

2020.06.03 デイリーコラム

この8年間で起きた技術的変化を反映

内燃機関を持つクルマを改造して電気自動車(EV)に仕立てたコンバージョンEV。スポーツカーやクラシックカーを改造したEVに乗った経験がある方もおられるかもしれない。このほど一般社団法人電気自動車普及協会(APEV:Association for the Promotion of Electric Vehicles)ではコンバージョンEVを製作するためのガイドラインを8年ぶりに改定した。

大きな変更点は駆動用蓄電池に関する項目だ。ざっくり言えば、コンバージョンEVは内燃機関をモーターに、燃料タンクを蓄電池に置き換えて製作する。8年前はEV用でもまだ鉛蓄電池が多かったが、近年はリチウムイオン電池が主流になった。そして2016年には道路運送車両法関連法令が改正され、「バッテリー式電気自動車に係る協定規則(第100号)」が加わっている。

そこで今回ガイドラインを改定するにあたり、駆動用蓄電池およびバッテリーマネジメントシステム(BMS)についての記述を強化した。例えば、協定規則第100号では蓄電池の安全性のために振動、熱衝撃・熱サイクル、衝撃など10項目の試験が要求されていることから、改定版ではこれらを追記している。また、蓄電池の搭載方法や残量計に関する情報を更新したほか、用語解説も拡充した。

もう1つの大きな変更点は回生ブレーキ作動時のブレーキランプの挙動に関する記述だ。回生ブレーキは広く利用されている技術だが、EVはハイブリッド車などよりも回生ブレーキが強めにかかるため、もしも後続車が想定している以上に急減速すれば追突事故に至る恐れがある。そこで、改定版ガイドラインでは「電気式回生ブレーキ作動時の減速度が1.3m/s2を超える場合は、制動灯を点灯しなければならない」ことを明記した。

改定に携わったAPEV技術委員会担当理事の佐藤員暢氏によれば「ガイドラインは法令に基づくもので国土交通省や関連機関にも相談しながら策定した。一方で、コンバージョンを行う事業者にとって運用しやすいものでなければならないため、APEV会員企業の声も反映した内容になっている」という。

「メルセデス・ベンツ280SL」をベースとした「EVコンバージョン280SL Electric」。
「メルセデス・ベンツ280SL」をベースとした「EVコンバージョン280SL Electric」。拡大
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雪国向けに製作した寒冷地仕様のEVコンバージョン車両。オンボード1モーターの4輪駆動仕様。
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