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新型「日産エクストレイル」の海外版がデビュー 日本仕様はどうなる?

2020.06.29 デイリーコラム

ひそかにお披露目された次期型エクストレイル

2020年6月24日に「ジューク」の後を受け継ぐコンパクトクロスオーバーとして「日産キックス」が発表された。既に海外展開されている世界戦略車ということもあり、その価格と仕様に注目していた。

電動パワートレイン「e-POWER」と運転支援機能「プロパイロット」の全車標準搭載は歓迎すべき点だが、エントリー価格の高さには少しショックを覚えた。現在も販売されているジュークの最廉価グレードは201万1900円。一方のキックスは275万9900円からとなる。この価格帯だと他の選択肢も見えてくる。他社はもちろんだが、日産にも「エクストレイル」がある。こちらの最廉価グレードは248万2700円、ハイブリッドでも288万2000円からとなる。

しかし、現行エクストレイルも、早いもので登場から7年目に突入。そろそろ新型が気になるころだ。実はつい最近、海の向こうで日産は、海外向けの新型SUVを発表している。その一台こそ、次期エクストレイルの行方を左右する重要な存在なのだ。

北米日産は2020年6月15日、次期型となる新型「ローグ」をアンベールした。ローグは海外展開される日産のミッドサイズSUVのひとつだが、先代モデルからエクストレイルと統合され、姉妹車となっている。つまり、日産が選択と集中という戦略をあらためて強調する今、新型ローグは次期型エクストレイルにほかならない。

北米日産がお披露目した次期型「日産ローグ」。発売は2020年秋が予定されている。
北米日産がお披露目した次期型「日産ローグ」。発売は2020年秋が予定されている。拡大
こちらは現行型の「ローグ」。日本で親しまれている「エクストレイル」そのものだ。
こちらは現行型の「ローグ」。日本で親しまれている「エクストレイル」そのものだ。拡大

タフなイメージのスタイリングに回帰

現在まで続くSUVブームの発端は米国だ。それだけにSUVの方向性にも、米国の動向が大きく影響している。当地ではスタイリッシュなSUVというトレンドが終息しつつあり、SUVの王道たるタフなスタイルへの回帰が進んでいる。特に小型車と中型車クラスではその傾向が顕著であり、「トヨタRAV4」の華麗なる転身も、その流れを示すひとつといえよう。ローグもその流れに乗り、タフさを感じさせるスタイルを採用してきた。ただし、日本のエクストレイルにしてみれば、これは原点回帰ともいえる。初代と2代目は、ガンガン使えるタフな相棒というキャラクターを売りにしていたからだ。

新型ローグの進化のポイントを見てみよう。スタイリングは、頼りがいのある、力強く肉厚感のあるものに進化した。その雰囲気は、日産のフルサイズSUV「アルマーダ」に近い。その変化を分かりやすく例えるならば、同じスポーツ選手だが、現行型(エクストレイル)がサッカーやバスケットボールなどのプレーヤーを連想させるとしたら、新型ローグはラグビーや重量挙げなどの選手がしっくりくる。それほどの方向転換なのである。ボディーはボリューム感が増しているが、全長で1.5インチ(約38mm)、全高で0.2インチ(約5mm)絞り込んできた。しっかりと鍛えてきたというところだろうか。

一方でインテリアは現行型と同様にラグジュアリー路線をキープ。この点は「ホンダCR-V」の進化とイメージが重なる。ちなみに昨年、世界で最も売れたホンダ車はCR-Vである。新型ローグのキャビンはゆとりが感じられるデザインとなり、質感の向上も意識したようだ。パッケージングは2列5人乗車のみで、長時間座っても疲れにくいというシートを採用した。上級グレードにはレザーシートがおごられるようだ。

ダッシュボードのデザインは中央の9インチタッチスクリーンを中心としたもので、メーターパネルにも12.3インチのフル液晶タイプを採用。シフトレバーはバイワイヤ式に変更されており、センターコンソールのデザインがシンプルになった。視覚的な広さの演出もさることながら、センターコンソールの下側に小物入れを新設するなど、使い勝手も高められている。

よりタフなイメージへと生まれ変わった新型「ローグ」。細くつり上がったヘッドランプが迫力を漂わせる。
よりタフなイメージへと生まれ変わった新型「ローグ」。細くつり上がったヘッドランプが迫力を漂わせる。拡大
ボディーの全長が約38mm短くなり、全高は約5mm低くなった。
ボディーの全長が約38mm短くなり、全高は約5mm低くなった。拡大
リアコンビランプ下の深いプレスラインがマッチョ感を演出する。
リアコンビランプ下の深いプレスラインがマッチョ感を演出する。拡大

ヒットのカギを握るのは4WDシステム

日産自慢の「インテリジェントドライブ」技術もしっかり搭載。運転支援装備の「プロパイロット」は、レーダーとカメラを組み合わせた次世代センサーによってセンシング能力を強化。よりスムーズなブレーキングを実現したほか、ステアリングアシストの性能や走行車線内に進入する他車の検知性能も高めたという。上級グレードにはさらに高性能な「ナビリンク付きプロパイロットアシスト」、日本で言う「プロパイロット2.0」も採用した。

現時点で発表されているパワートレインは、現行型と同じ2.5リッター直列4気筒DOHCエンジンのみ。エンジンにはアップデートが施されており、最高出力が11PSアップして181PSに。駆動方式はFFと4WDを各グレードで選べる。4WDシステムには新しい電子油圧制御クラッチを採用。前輪のスリップを予測できるようになり、トルクをより正確かつ迅速に制御し、後輪へのトルク配分の応答性も強化したという。走行安定性とともに、オフロード性能も向上していることだろう。

新型ローグの内容を見ていくと、これをベースに日本仕様を仕立てれば、ヒット街道爆走中のRAV4ともいい勝負ができることだろう。……全体としてはそう感じる。

ひとつネックになるとしたらパワートレインかもしれない。日本のエクストレイルでは、ガソリン車は2リッターエンジンを搭載するだろう。また、現行のハイブリッドに代わってe-POWERを設定する可能性が高い。

e-POWERの基本はFWDである。「ノートe-POWER」には4WD車もラインナップされているが、リアアクスルに最高出力4.8PSのモーターを備えたどちらかといえば簡便なシステムであり、いわゆる生活四駆である。日本のクロスオーバーSUVの主力はFF車とはいえ、次期型エクストレイルがSUVらしさを強くアピールするには、きちんとした四駆はマストアイテムだ。e-POWERの新しい4WDの開発が進んでいるかもしれないし、「セレナe-POWER」のようにパワー型のチューニングを施したFF車のみとし、4WDのメインはガソリン車にするのかもしれない。そのあたりも、「技術の日産」を強調する日産の見どころといえそうだ。

(文=大音安弘/写真=日産自動車/編集=堀田剛資)

インテリアではタフ感は追求されておらず、ラグジュアリー路線をキープ。上位グレードでは随所にセミアニリンレザーが使われる。
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最新の日産車ではおなじみの「ゼログラビティーシート」を採用。ロングドライブでも疲れないというのがセリングポイントだ。
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シフトセレクターは新たにバイワイヤ式を採用。セレクターレバーの後方にはドライブモードの切り替えダイヤルがレイアウトされる。
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