モーガン・プラスシックス ツーリング(前編)

2020.07.09 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 長い歴史を持つ英国のスポーツカーブランド、モーガン。その最新モデル「プラスシックス」では、どんな走りが楽しめる? レーシングドライバー谷口信輝がワインディングロードでムチをあてた。

出だしで思わず「ニヤリ」

モーガン・プラスシックスのことを「スポーツカー界のシーラカンス」と呼ぶのはふさわしくない。スタイリングは、たしかに戦前のスポーツカーのようにも見えるが、最新の「BMW Z4」や「トヨタ・スープラ」と同じ型式のB58型直列6気筒ターボエンジンを積んでいると聞けば誰もが驚くに違いない。

いっぽうのシャシーは相変わらず部分的に木製メンバーが採用されているものの、主たる構造体はアルミを接着剤とリベットで貼り合わせた最新設計で、重量はわずか98kgながらねじり剛性は従来型の100%増しを達成しているという。

そんなプラスシックスを、われらが谷口信輝にいつものワインディングロードで試乗してもらったのだが、彼がシャープなレスポンスのハンドリングを愛してやまないことは皆さんもご存じのとおり。少なくとも見かけは旧態依然としたモーガンに谷口が厳しい言葉を投げかけてもまったく不思議ではなかったのだが、運転席から降り立った谷口の表情は意外にも柔和で優しげだった。

そこで「ひょっとしてニコニコしている?」と尋ねると、「わかりますか?」と明るい表情で答えてくれたのである。
「最初に、この駐車場から出るのにハンドルを切ったんですが、切っても切ってもなかなか曲がってくれないのにまず驚きました。なんだかステアリングの遊びが多いし、直進付近の反応もダルダルで、サスペンションだってどっちかというとフニャフニャのような感じがしたんです」

「実際に走り始めてからも、ピッチングやローリングの動きはかなり大きめ。だから、『まあ、こんなもんね』と軽く侮りながら、でもニンマリとほくそ笑みながら走りだしたんですが、ストレートでアクセル踏んだらすさまじい加速力で度肝を抜かれました」

 
モーガン・プラスシックス ツーリング(前編)の画像拡大
 
モーガン・プラスシックス ツーリング(前編)の画像拡大
 
モーガン・プラスシックス ツーリング(前編)の画像拡大
 
モーガン・プラスシックス ツーリング(前編)の画像拡大
関連記事
  • モーガン・プラスフォー(FR/6MT)【試乗記】 2021.4.26 試乗記 “木とアルミのスポーツカー”ことモーガンから、ニューモデル「プラスフォー」が登場。新世代シャシーにモダンな2リッターターボを搭載したこのクルマは、モーガン伝統のドライブフィールと硬派なスポーツカーの魅力を併せ持つ、希有(けう)な一台に仕上がっていた。
  • モーガン・プラスフォー(FR/8AT)【試乗記】 2022.4.29 試乗記 戦前からの歴史を誇る、モーガンのブリティッシュロードスター。その新世代の基幹を担うのが、2リッターターボエンジンを搭載する「プラスフォー」だ。職人の手作業によって製作されるスポーツカーが体現する、モダンとクラシックが融合した走りを報告する。
  • モーガン4/4(FR/5MT)【試乗記】 2018.8.9 試乗記 戦前のクルマづくりを今日に伝える英モーガンのスポーツカー「4/4」。1936年に誕生した“新車で買えるクラシックカー”は、のぞき込んでも乗ってみても、現代のクルマとは似るところがなく、付き合うほどに発見のある興味のつきない一台だった。
  • ポルシェ911カレラ4 GTS(4WD/8AT)/911カレラ4S(4WD/8AT)/911ターボ(4WD/8AT)【海外試乗記】 2023.5.26 アウトビルトジャパン 「911カレラ4 GTS」に「911カレラ4S」、そして「911ターボ」。このなかで最も高い満足が得られるのは、どの911なのか? さまざまな道での乗り比べを通して、人気スポーツカーの実像に迫った。
  • 30台限定の高性能セダン「BMW M3 CS」受注開始 2023.5.17 自動車ニュース 最高出力551PS、0-100km/h加速3.4秒を誇る、ハイパフォーマンスモデル「BMW M3 CS」の注文受け付けがスタート。国内における販売台数は30台限定で、デリバリーの開始時期は2023年第3四半期以降が予定されている。
ホームへ戻る