ベントレー・ベンテイガ(4WD/8AT)
世界一周じゃまだ足りない 2020.08.25 試乗記 デビューから約5年というタイミングで、マイナーチェンジを受けた「ベントレー・ベンテイガ」。完璧の“さらに上”を目指したという大幅改良は、このラグジュアリーSUVにどのような変化をもたらしたのか? クローズドコースで実力の片りんに触れた。ドライブフィールに“おもてなし”を感じる
2015年に登場したベントレー・ベンテイガが、デビューから約5年を経て大幅改良。本来であれば国際試乗会などが開かれるところだが、このコロナ禍ではそれもできないため、今回は各国に車両を送り、試乗の機会を提供する形態となった。
したがって、今回取材した新しいベンテイガはまだナンバーが付いておらず、試乗コースも日本自動車研究所・城里テストセンターの外周路のみということに。これを聞いて実はテンションが下がった。せっかくのベンテイガ、いろんなシチュエーションで試したいじゃないですか。
ところが、実際にそこで試乗に臨むと、これまで経験したことのない不思議な感覚に襲われた。城里テストセンターの外周路は基本的に路面がスムーズで、テクニカルなコーナーがあるわけでもない単調なレイアウトだ。だから2周か3周もすればおなかがいっぱいになるのではないかとタカをくくっていた。
けれどもそんなことはなかった。しなやかで厚みのある乗り心地、望んだだけのパワーが望んだ瞬間に得られるパワートレイン、それにステアリングフィールやシートの掛け心地などといった、直接体に感じる部分のタッチのよさ。もう、このまま100周でも200周でも、バターになるまでぐるぐる回り続けたいと思った。景色なんて変わらなくてもいいし、音楽もなくていい。ずっとベンテイガのハンドルを握っていたい。このクルマのドライブフィールは極上のもてなしだ。
よく、「このクルマは長距離でも疲れない」なんて言うけれど、ベンテイガは違う。乗れば乗るほど身も心も癒やされ、豊かな気持ちになるのがベンテイガだった。すばらしい絵画や音楽に接したときと同じような気分を味わうことができる。
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