2022年にデビュー!? ランボルギーニの次期フラッグシップはきっとこうなる!
2020.09.18 デイリーコラム「アヴェンタドール」は大成功
ランボルギーニのフラッグシップモデル「アヴェンタドール」の累計生産台数が、このたびなんと1万台に達したとアナウンスされた。早くから予想していたこととはいえ、いざその報に接してみれば、やっぱりある種の“衝撃”を覚えてしまう。
デビューは2011年3月のジュネーブモーターショーだ。そこから9年で1万台を達成した。モデルチェンジのサイクルを伸ばしたわけじゃない。10年つくることを前提にデビューしたモデルだ。おそらくデビュー当時のマネジメントもこれほどアヴェンタドールが成功するとは想像していなかったに違いない。
実を言うと筆者は、先代にあたる「ムルシエラゴ」の生産が終わった2010年秋にはその概要を知らされ、また実車やテスト風景も間近で見て、「これはゼッタイに欲しい!」と、後先も考えずオーダーしたのだった。筆者にとっても思い出の一台(現行モデルだけれども!)だから、なおさら感慨深いものがある。
魅力的なところはいくつもある。新設計のV12エンジン、カーボンモノコックボディー、プッシュロッド式サスペンション……なかでも最も支持されたのは、そのスタイリングである。「カウンタック」以来となる独創の12気筒縦置きミドシップレイアウトが生み出す、唯一無二のシザードアスタイル。スーパーカーとしての存在感は抜群で、中古車でもいいから欲しいと思う“ポテンシャルユーザー”が今なお多い。
もちろんパフォーマンスも語るべき魅力のひとつだったが、こと“スポーツカー性能”に関していえば、アヴェンタドールの登場以降、それを部分的もしくは全体的に上回るスーパースポーツも数多く登場した。アヴェンタドール自体も途中から性能の象徴というべき“馬力”を車名で語ることをやめている。裏を返せば、アヴェンタドール大成功の理由は一にも二にもこのスタイリングにあるといっていい。
“モーター付き”は必然
そういうクルマのモデルチェンジは難しい。スーパーカーの世界でもそれは同じ。けれども、2022年ともいわれる次期モデルの登場には、スタイリング以上の難しさがどうやらありそうだ。
最大の難関がパワートレインである。ご承知のとおり、いかに少量生産のランボルギーニとてエミッションコントロールと無縁ではいられない。騒音規制も何やら背の低いモデルたちには抜け道もあるというが、だからといって社会的イメージを考えた場合にまるで無視するわけにもいくまい。
結局、スーパーカーも近い将来の電動化から逃れられないことは明白で、ランボルギーニ首脳陣も、「ウラカン」クラスのダウンサイジング+過給機とともに、フラッグシップモデルの電動化(ハイブリッド化)をずっと示唆し続けてきた。いや、12気筒エンジンが“自然吸気”のまま、かつ性能も上げてドライバーの背後に居残るためには、“+電気モーター”によるアシストが不可欠だというそれはメッセージだったのだ。
問題は、どれだけモーターアシストの力を借りておけば、顧客を納得させるだけの性能と社会を納得させるだけの環境性を両立することができるのか、にかかっている。要するに電動化の度合いだ。
ランボルギーニはフューオフモデルの「シアン」で、ひとつの回答を示した。これは785PSにまで最高出力を高められたV12エンジンに、バッテリーではなくスーパーキャパシタを電源とする34PSのモーターアシストを得て、アヴェンタドールベースのシアンを、システム出力819PSというハイパーカーに仕立て上げた。さらにこのモーターアシストはパワーのみならず、微速域におけるEV走行とISRトランスミッションのシームレスな変速にも寄与するものとしている。
きっと大台は超えてくる
当初、そこまで考えられた改良型ハイブリッドパワートレインなのだから、これをさらに磨き上げて次期型にも搭載するだろうといわれていた。筆者もシアンのパワートレインを2018年に見た際にそう思った。
けれどもその後に登場した新型ハイパーカーが軒並み超高出力化を達成しており、環境性能の取り組みさえもいっそう進んだことを見たランボルギーニ/アウディ/ポルシェは、どうやらグループの総力を挙げて次期型フラッグシップの性能目標をさらに引き上げる決心をしたようだ。そのため、幸いにも人気がまるで衰えないアヴェンタドールから次期型へのモデルチェンジは、予定より少し先延ばしになって2022年、と予想する。
V12エンジンそのものはおそらく改良型としてキャリーオーバーされ、800PS近くでリリース可能だろう。とはいえ、スーパーキャパシタ仕様以上の性能を得るためには、バッテリーを積んで強力なモーターを組み合わせるほかない。バッテリーによる重量増をモーターパワーでカバーし、なおかつ総合性能でシアンを上回るためには、絶対的に+200PS以上が必要となる。つまり、次期型のパワートレインはおそらくシステム出力1000PSを超えてくる。ランボルギーニは今、グループの総力を挙げて次期型用パワートレインを煮詰めているに違いない。
で、肝心のスタイリングはどうなるのだろうか? これはもう、大のカウンタックファンであるミッチャ・ボルカートのセンスに期待するほかないではないか!
(文=西川 淳/写真=アウトモビリ・ランボルギーニ/編集=関 顕也)
拡大 |
拡大 |
拡大 |

西川 淳
永遠のスーパーカー少年を自負する、京都在住の自動車ライター。精密機械工学部出身で、産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰(ふかん)して自動車を眺めることを理想とする。得意なジャンルは、高額車やスポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域。
-
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!NEW 2026.1.19 アメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。
-
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る 2026.1.16 英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。
-
市街地でハンズオフ運転が可能な市販車の登場まであと1年 日産の取り組みを再確認する 2026.1.15 日産自動車は2027年に発売する車両に、市街地でハンズフリー走行が行える次世代「ProPILOT(プロパイロット)」を搭載する。その発売まであと1年。革新的な新技術を搭載する市販車の登場は、われわれにどんなメリットをもたらすのか。あらためて考えてみた。
-
30年の取材歴で初めてのケースも 2025年の旧車イベントで出会った激レア車 2026.1.14 基本的に旧車イベントに展示されるのは希少なクルマばかりだが、取材を続けていると時折「これは!」という個体に遭遇する。30年超の取材歴を誇る沼田 亨が、2025年の後半に出会った特別なモデルを紹介する。
-
東京オートサロンでの新しい試み マツダのパーツメーカー見学ツアーに参加して 2026.1.13 マツダが「東京オートサロン2026」でFIJITSUBO、RAYS、Bremboの各ブースをめぐるコラボレーションツアーを開催。カスタムの間口を広める挑戦は、参加者にどう受け止められたのか? カスタムカー/チューニングカーの祭典で見つけた、新しい試みに密着した。
-
NEW
ベントレー・コンチネンタルGTアズール(4WD/8AT)【試乗記】
2026.1.19試乗記ベントレーのラグジュアリークーペ「コンチネンタルGT」のなかでも、ウェルビーイングにこだわったという「アズール」に試乗。控えめ(?)な680PSのハイブリッドがかなえる走りは、快適で満ち足りていて、ラグジュアリーカーの本分を感じさせるものだった。 -
NEW
第327回:髪もクルマもナイスファイト!
2026.1.19カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ! -
NEW
日本で売れるクルマはあるのか!? 最新の“アメリカ産ニホンシャ”を清水草一が検証する!
2026.1.19デイリーコラムアメリカからの外圧による制度変更で、北米生産モデルの国内導入を決めたトヨタ。同様に、今後日本での販売が期待できる「海外生産の日本車」には、どんなものがあるだろうか? 清水草一が検証してみた。 -
フェラーリ12チリンドリ(後編)
2026.1.18思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が「フェラーリ12チリンドリ」に試乗。前編では伝家の宝刀であるV12エンジンを絶賛した山野。後編ではコンビを組むシャシーの印象を余すところなく聞いてみた。 -
BYDシールAWD(4WD)【試乗記】
2026.1.17試乗記BYDのBEVサルーン「シール」の機能アップデートモデルが登場。強化のポイント自体はそれほど多くないが、4WDモデルの「シールAWD」は新たに電子制御式の可変ダンパーを装備したというから見逃せない。さまざまなシーンでの乗り心地をチェックした。 -
新生ノートンがいよいよ始動! 名門の復活を担う次世代モーターサイクルの姿に迫る
2026.1.16デイリーコラム英国のモーターサイクル史にあまたの逸話を残してきた名門、ノートンが、いよいよ再始動! その数奇な歴史を振り返るとともに、ミラノで発表された4台の次世代モデルを通して、彼らが思い描く未来像に迫った。





































