BEST BUY 2021 カーナビ | パイオニア カロッツェリア・サイバーナビ AVIC-CQ911-DC
車載Wi-Fiがドライブを楽しくする 2020.12.07 Gear Up! 2021 Winter高速通信がもたらすものとは
サイバーナビは1999年の初代から常に他をリードする先端機能を擁し、多くのファンを喜ばせてきた。一時はマニアが神格化(オーバーか?)するほどの存在になったこともあった。いまではマニアのみならず高性能なナビとして幅広い人気を獲得しているが、ライバルの追い上げも急だ。先端機能を持つことはサイバーナビにとって使命ともいえ、新製品を企画するたびに開発者は頭の痛い思いをしてきた。そんな苦労は、2019年モデルの910シリーズにWi-Fi機能を搭載し、車内Wi-Fiスポットを構築するまでに仕上げ「通信のサイバーナビ」を高次元のレベルにまで引き上げた。カーナビにWi-Fi機能を持たせると、どんないいことがあるのか。それをユーザーに伝えるのはなかなか難しいことである。910シリーズでは、自宅にあるブルーレイレコーダーにリモートアクセスし、録画コンテンツや受信中のBSやCS放送をそのままインターネットを通じてクルマの中で楽しめるという点を声高にうたったが、そうした“離れ業”はどこまでユーザーの心に響いたか、ちょっと心配だった。そんなところへサイバーナビ22代目となる911シリーズが登場した。前モデルがひらいた移動体での高速通信といった基本的な部分は変わっていないが、Wi-Fiスポットを車内に実現したことでドライブがどんなに楽しくなるかを別の側面から訴求してきた。
それは、スマホやタブレットがクルマの中でもストレスを感じることなく使えることだ。もはやどこに行くにも手放せなくなったスマホやタブレットだが、クルマの中で使おうとするとほとんどの場合、個々のデータ回線を使うことになるため、通信速度に限度があった。契約によっては通信量が規定の上限を超え、思わぬ通信料金になってしまうことさえある。パイオニアはそこに着目した。クルマの中に常時Wi-Fiでインターネット接続できる環境を作り上げれば、そうした問題は解消する。ドライバーはもちろん、同乗した家族や仲間それぞれがスマートフォンやタブレットを使って(最大5台まで)、通信量や通信料金を気にすることなく、存分にゲームや動画配信を楽しめるのだ。ビジネスにはもっと有効に活用できる。携帯型Wi-Fi機器を持たずともPCでメールの送受信やファイル送付などが可能になるほか、急速に一般化しつつあるウェブ会議などにもクルマにいながらにして参加することができる。安定した通信環境を利用した移動体でのウェブ会議はまさに“新しい生活様式”に対応したビジネス形態といえるだろう。
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地図更新も高速通信でラクラク
サイバーナビそれ自体で楽しむエンターテインメントも高速通信によりアップグレードした。YouTube動画のストリーミング再生はもちろん、Amazon Fire TV Stickを接続すれば数々の動画コンテンツをサイバーナビの高精細なディスプレイで楽しむことができるのだ。以前からのレコーダーアクセス機能も、対応機器にNTTぷららのひかりTV対応チューナーとドコモのひかりTV for docomo対応チューナーが加わったことで利用の幅が増えた。特にこれまで車内ではまず不可能だったBSやCS放送が、レコーダー遠隔操作によって見られるようになったというのは画期的といってよいだろう。
また、地図の更新にも高速通信は力を発揮する。2019年の910シリーズが登場する前は、新しい更新データを家庭のPCを使ってダウンロードし、それをSDカードに移してナビに読み込ませるという、手間も時間もかかるものだったが、ナビ自体がインターネット機能を持つことによって、すべての更新作業が車内で、かつ自動で行えるようになったのだ。カロッツェリアは最大で年6回も地図の更新データを提供してくれるので、更新の手間が簡略化されるメリットはことのほか大きい。
このように便利このうえない高速通信/車載Wi-Fiだが、これを利用するには、別途NTTドコモの車内向けインターネットサービス 「docomo in Car Connect」に加入する必要がある。利用料金は使用状況に合わせて3つのプランから選べるようになっている(例えば1年プランで1万2000円)が、911シリーズ(全部で8モデルがある)を購入する際に、通信に必要となるネットワークスティックが商品に同梱(どうこん)されるセットモデル(型番末尾に-DCが付く)を選んだ場合は、利用料金が1年間無料になるので覚えておきたい。
サイバーナビの本当の魅力はここにある
サイバーナビ911シリーズでは通信が果たす役割はほかにもある。ナビの基本性能にも通信は大きく関わっているのだ。例えば渋滞情報。一般的なナビはFM-VICSで渋滞情報を取得するが、サイバーナビ(のみならず楽ナビも)は独自の通信ネットワーク、スマートループを使ってリアルタイムの渋滞情報を得られるし、検索やルート探索もナビ本体内ではなくサーバーが目的地を探しそこへ最も早く着くルートを割り出す。つまりナビとサーバーはしょっちゅう通信でやりとりしているのだ。ルート探索では一度ルートを引いたあとに渋滞情報を受信して引き直すのではなく、最初の1本目から最新の渋滞情報を加味した最短ルートを提示してくるのだ。これは依然としてカロッツェリア・ナビの独壇場で、これだけで買う価値はあるといってよい。走行中も絶えずサーバーとやりとりし、1分でも早く着くルートが見つかれば案内するあたりは、通信型ナビの本領発揮といったところだ。
サイバーナビのラインナップはきめ細かく、従来どおり9V型を筆頭に、8V型、200mmワイドと通常180mmの2DIN型が、それぞれネットワークスティック同梱と非同梱のモデルをそろえるが、多くの機能が通信との連携で成り立っていることを考えれば同梱モデルを購入するのが得策だろう。なお、非同梱モデルでも手持ちのスマートフォンのWi-Fiテザリング機能を使って同じように通信することはできるが、通信料がかかるので注意が必要だ。
あまりクルマで出かける機会が多くない人でも、これだけ“つながっていないと不安”を感じるのであれば、車内インターネットはもはや不可欠な存在といってよいのではないだろうか。
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尾澤 英彦
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