ランボルギーニ・ウラカンEVOスパイダー(後編)

2020.12.13 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「ランボルギーニ・ウラカンEVOスパイダー」に試乗。後編では、山野が「すごく頭がいい」と評価したポイントが、いよいよ明らかになる。

自然とパワーが盛り上がる

山野哲也といえば、ツーリングカーレースや全日本GT選手権で活躍し、GT300クラスでの3年連続シリーズチャンピオンをはじめ、華々しい実績を残している。一方、キャリアの原点は、やはり軽妙かつ精緻なドライビングが求められるジムカーナだろう。精度の高いチューニングが施されたジムカーナマシンを軽やかに扱う山野選手は、5.2リッターV10エンジンを搭載するランボルギーニ・ウラカンEVOスパイダーをどう感じたのか?

前編ではブレーキやトランスミッションについて、やや辛口の評価を下した山野。しかしV型10気筒エンジンへの感想はフェアなものだった。

「排気量を生かしたトルクの厚みがあって、いわゆる“トルクで走らせる”タイプですが、自然吸気エンジンらしさも残っています。エンジン回転数が3000rpmから5000rpmと上がるにしたがって、自然にパワーが盛り上がるのがいい」と、まずまずの好印象。

環境性能との整合性を図るためターボエンジンを積むスポーツカーが増えるなか、ウラカンはいまだに自然吸気を守っている。2019年にウラカンからウラカンEVOに進化するにあたり、最高出力は610PSから640PSに引き上げられ、最大トルクは560N・mから600N・mに太らされた。

「高回転型……というには少々“頭打ち感”がありますが、それでもターボエンジンとは明らかに違うし、トルクで走らせるとはいえ、例えばかつてのアメリカンV8と比べると、“回して”楽しめるエンジンです」

スタートボタンを押すと同時に一度回転が跳ね上がったり、シフトダウン時にブリッピングしたりといった派手な演出に惑わされることなく、冷静に10気筒のキャラクターを分析する。

 
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