これからどーなる!? 2021年の自動車業界を見通す
2021.01.06 デイリーコラム対岸で火事が起きている
2021年の自動車業界に待ち受ける最大のイベントは、欧州燃費規制なのでしょう。
1月から、自動車メーカーごとに販売される新車のCO2排出量が、販売台数を加味した加重平均で、95g/km以下という規制が始まるのです! それを達成できない自動車メーカーは、巨額の罰金が科せられるのですね! おーこわ。
しかしそれはあくまで「欧州で販売される新車」に対するもので、日本に住む我々には、直接的には何の関係もありません! 日本で買う欧州車には罰金も科されないし。ひょっとしたら欧州の罰金分を、日本での車両価格に微妙に上乗せするメーカーが出るかもしれないけど、可能性は低いでしょう。
よく、「これは決して対岸の火事ではない!」という言説を目にしますが、短期的スパンで見れば、我々日本の一般ユーザーにとっては、完全に対岸の火事です(断言)。
欧州のエキセントリックな電気自動車(EV)優遇策は、我が国の事情には合致しない! 日本も「2030年代半ばまでに純エンジン車の新車販売禁止」っつーニュースも流れたけれど、実はまだ何も決まってないし。
日本の乗用車の燃費基準は、2030年度で25.4km/リッターと決められていますが、これは欧州と違い、いわゆるウェルトゥホイール(井戸から車輪まで)の考えを取り入れておりますので、EVをゼロエミッションであるとして、不等に優遇したりいたしません。そんなことをしたら、火力発電に頼る日本では、逆にCO2排出量が増えてしまうこともあり得ますし。
ちなみに「日産リーフ」の燃費をウェルトゥホイールで換算すると、40km/リッターくらいになるようです。リーフなら「トヨタ・ヤリス」のハイブリッドより上だけど、「ジャガーIペース」だと下になるでしょう。
乗りたいクルマに乗っておこう!
そもそも日本の燃費基準は、あくまで目標にすぎず、罰則らしい罰則がナイ! まさに性善説。マスクをしようと呼びかければほとんどの人がマスクをする、日本ならではの同調圧力により、この数字は軽く達成してしまうことでしょう。
だいたいそれも10年後の話で、まだ現実感がまったくありません。来年の話をすると鬼が笑うっていうし。
もちろん、欧州車を愛するクルマ好きとしては、欧州車がEVばっかりになっちゃったら残念だけど、そうなる前に好きなガソリン車やディーゼル車を買っておけば、それでいいじゃないですか! 大事に乗れば20年くらい楽勝で走るっしょ? ウチの「フェラーリ328」と「ランボルギーニ・カウンタック」はどっちも31歳だけど、絶好調ですヨ!
「2021年はどうなる」ってテーマだったのが、いつのまにか、かなり遠い将来の話になってしまいましたが、じゃ2021年の我々のカーライフはどうなるのかといえば、特に何も変わらないと思います。
ただね、遠い遠い将来のことを考えて、新車・中古車を問わず、買えなくなる前にどうしても買っておきたいクルマのリストをつくり始める。そういう年にするには、ちょうどいいかもしれません。
なにせ、欲しいものが買えなくなる事態が本当に接近したら、そのかなり前から取り合いになって買えなくなり、最終的には価格が高騰してしまいますから、そうなる前に買い逃げしなければならないのです。
旧車に関しては、もうすでに多くのブツが高騰しまくって、手が届かなくなりつつあるけど、それでもまだなんとかなるクルマはある。そういう穴馬を探そうじゃないですか!
その点私はもう、フェラーリ328とランボルギーニ・カウンタックを買い逃げしているので、本当に気がラクです。もはや、ガソリン車やディーゼル車に負けない魅力的な次世代車が出るのを待つだけの、お気楽な身なのです。
皆さまも早くそうなって、果報は寝て待ちましょう! あ~、本当に気がラク~。
(文=清水草一/写真=フォルクスワーゲン、トヨタ自動車、清水草一/編集=藤沢 勝)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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