クルマの燃費性能はこの10年でどれだけ進化したのか?
2021.01.13 デイリーコラム10・15→JC08→WLTC
年末から始まった、純粋なエンジン車の販売が国内でも2030年代に禁止されるという報道が議論を巻き起こしている。いかにも深刻な問題という印象を受けるが、電動機能を併用した小型/普通乗用車の割合は、国内では2020年の時点で約38%に到達。今では売れ筋車種の大半にハイブリッドが用意されている。
つまり、国内における電動車の比率は意外に高いというのが実情だ。小型/普通乗用車は、今の状態が続けば、2030年代に向けて、自然にハイブリッド比率が高まっていくだろう。さらにコストがシビアな軽自動車などには、マイルドハイブリッドが採用されている。これも立派な電動パワートレインである。
それでも2030年度の燃費基準は、2016年度に比べて32.4%の改善率を求めているからハードルは決して低くない。
そこで今までの燃費向上の経過を振り返る意味で、2010年ごろと現時点との代表的な乗用車のカタログ燃費を比べてみたい。この時に注意したいのは、燃費の計測方法が変化していることだ。
2010年ごろのカタログ燃費は、基本的に10・15モードで表記され、2011年4月にJC08モード燃費が正式採用された。さらに2018年10月以降に発売された車両には、国際的な指標であるWLTCモード燃費の表記が義務づけられている。
おおむねJC08モード燃費は10・15モード燃費の約85%に換算できるが(10・15モードで30.0km/リッターならJC08モードで25.5km/リッター)、WLTCモード燃費に換算するのは簡単ではない。WLTCモード燃費とJC08モード燃費を併記している場合でも、車種ごとに数値の変化度合いが大きく異なっている。
例えば「トヨタRAV4ハイブリッドG(4WD)」の場合、WLTCモード燃費は20.6km/リッター、JC08モード燃費は25.0km/リッターだ。WLTCモードの数値は、JC08モードの約82%になる。ところが「マツダCX-5」の2リッター自然吸気エンジン搭載モデル「20S」(FF車のみ)は、WLTCモード燃費が14.6km/リッター、JC08モード燃費は16.0km/リッターだ。比率は約91%だから、数値の隔たりがハイブリッド車に比べて少ない。
全般的にハイブリッド車のWLTCモード燃費は、JC08モード燃費からの悪化率が大きくなる傾向があり、逆に純エンジン車は少ない。そこがWLTCモード燃費が実用燃費に近いといわれる理由でもあるが、単純には読み換えにくいのは間違いない。したがって今回はあくまで概略での比較と考えていただきたい。
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