BMW M5コンペティション(4WD/8AT)
浮世離れのパワーエリート 2021.02.17 試乗記 マイナーチェンジした「BMW 5シリーズ」のトップモデル「M5コンペティション」に試乗。625PSのV8ツインターボに4WDシャシーが組み合わされた歴代最高性能を誇るスーパーサルーンは、いったいどれほどの進化を遂げたのか。最上級の上を行く
1972年の初代モデル誕生から、間もなく半世紀。BMWのモデルラインナップの中にあって特に長い歴史を刻む5シリーズは、現行型もその登場から4年半の時が過ぎようとしている。
そうしたタイミングで内外装の一部を化粧直しするとともに、ハンズオフ機能付きの渋滞時運転支援システムや最新のコネクティビティー機能、iPhoneを活用したデジタルキーを標準で採用するなど、モデルライフ半ばと思われる大幅なマイナーチェンジが2020年秋に行われた。そして、そんなベースモデルのアップデートを受けて、やはりさまざまなリファインの手が加えられることになったのが、シリーズのフラッグシップたる「M5」の最新モデルである。
今回テストドライブを行ったM5は、ベーシックな仕様に対して「よりアグレッシブなスポーツ走行を想定した」というコンペティションと名づけられたグレード。強化型の専用エンジンマウントを介して搭載されるツインターボの4.4リッターV型8気筒は、こちらも専用チューニングが施されたことで、ベースモデルに対して25PSが上乗せされた625PS(!)という最高出力を同じ6000rpmで発生する高性能ユニットだ。
ハイグロスブラック仕上げのキドニーグリルやテールパイプ、専用デザインのシートベルトを採用するなど見た目の差異化が図られると同時に、カーボンセラミックブレーキやカーボンエンジンカバー、フロントマッサージシートなど、いかにもエクスクルーシブな内容のアイテムがオプション設定されているのも、このグレードのみのトピック。
要は、「最上級の上を行くモデル」と紹介できるのが、コンペティションの名が加えられたM5である。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |