フォルクスワーゲンが2030年までの技術ロードマップを発表 ドイツの巨人が歩む電動化の道のり
2021.03.26 デイリーコラム![]() |
自動車の電動化はもはや後退することのない世界の潮流だが、電動化が進むことで自動車の運転や扱い方はどう変わるのか、私たちユーザーの生活にどういった影響があるのか、具体的な未来を想像することは難しい。
考えるヒントになりそうなイベント「Power Day」が2021年3月15日にドイツで開催された。主催はフォルクスワーゲン(VW)グループ。このイベントはグループ初の試みで、充電ネットワークの整備や車載バッテリーの内製化推進など、2030年までのテクノロジーロードマップが紹介された。
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電動化で急増するバッテリー需要への対応
電動化車両にもいろいろな種類があるが、VWグループでは電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)を対象とする。2020年の販売台数はEVが約23万1600台(前年比約300%)、PHEVが19万0500台(前年比175%)。西ヨーロッパに限ると、総販売台数に占める電動化モデルの割合は10.5%に達する。2020年はコロナ禍という特殊な状況ではあるが、2019年の割合1.9%と比べて大幅に増加していることは間違いない。
VWグループでは「2025年までにe-モビリティーのリーディングカンパニー」になるという目標を掲げ、今後5年間で約460億ユーロもの投資を計画している。そして、2030年までにヨーロッパでのEV販売比率を最大60%に引き上げたい考えだ。
このシナリオ通りに電動化が進むとしたら、どうなるか。まず懸念されるのはバッテリーの調達だ。VWグループでは2030年までにヨーロッパで合計6カ所のセル工場の建設を予定している。すべての新工場が完成すると、年間で総エネルギー量240GWhのバッテリーセルを生産することができる見込みだが、具体的な計画が進んでいるのはスウェーデンのシェルレフテオーとドイツのザルツギッターの2カ所のみ。
スウェーデンのシェルレフテオーに建設する「Northvolt Ett」ギガファクトリーはスウェーデンのノースボルト社との協業で進める。ノースボルトはテスラモーターズ出身のピーター・カールソン氏が立ち上げたスタートアップで、2019年にVWの出資を受けている。VWグループではここをプレミアムセルの生産拠点と位置づけ、2023年に生産を開始し、生産能力を年間最大40GWhまで段階的に引き上げる計画だ。
一方、ドイツのザルツギッターのギガファクトリーはVWグループが運営し、2025年からボリュームセグメント向けの統一規格のセルを生産する。ここでも年間最大40GWhの生産能力を目指す。なお、両ギガファクトリーには再生可能エネルギーによる電力を供給する予定で、環境にも配慮した生産拠点になるという。
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