プジョー・リフターGT(後編)

2021.07.01 谷口信輝の新車試乗 第一線で活躍するレーシングドライバー谷口信輝は、欧州生まれの新型マルチパーパスビークル「プジョー・リフター」をどう評価するのか? 動的な質感に加えて、その使い勝手についても語ってもらった。

コーナリングを語るなかれ

プジョー・リフターに試乗して「アクセルペダルを踏み込んでもすぐに加速してくれないし、踏み込みすぎるとギアボックスがキックダウンしてわずらわしい」と語った谷口信輝。もっとも、谷口がこう指摘したヨーロッパ車はリフターが初めてではない。これはエンジンをコントロールする車載のコンピューターが、ドライバーがアクセルペダルを大きく踏み込んでいることを理解していながらも、さまざまな状況を考慮して「加速しない」と判断した結果として起きること。なぜ、ドライバーが意図しないことをクルマ側が判断するのか、その理由をせんえつながら私オオタニが推測してみた。

ヨーロッパの最新排ガス規制はRDE(Real Driving Emissions)といって現実の道路状況において排ガスを計測する方向に変わりつつある。排ガスや燃費を計測する従来の走行モードよりも大きな負荷領域を使うRDEの場合、ドライバーがアクセルペダルを大きく踏み込んだからといって正直に大量の燃料を噴射すると、それに合わせて排ガス量も増えて規制値をオーバーする恐れがある。そこで、じわっと加速させることで有害物質の発生を抑え、規制値をクリアしているケースが少なからずあるようだ。マイルドハイブリッドを装着して加速時のエンジン負担を減らしているのも、同様の事情からと推測される。
「なるほどねえ。そんなことが関係しているかもしれないんですね。勉強になります!」

谷口は素直にそう感心してくれたが、これはあくまでも私の推論。とはいえ、たしかに谷口が指摘するとおり、最近のヨーロッパ車にアクセルペダルを踏み込んでも素直に加速してくれないクルマが増えているのは事実である。
「それと、このクルマはコーナリング時のロールが大きいですね。それも、単純にロールが大きいだけでなく、なんていうか、ロールの仕方が怖くて、なんだかクルマが倒れそうな気がします。うまく説明できないけれど、ちょっとクルマの重心が高くて、それでドライバーに不安を与える動きになっているような感じ。とにかく、コーナリングを語るクルマじゃありませんね、リフターは」

 
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