スポーツカー「コルベット」だけじゃない! 自動車史に残るGMの技術的チャレンジとは?

2021.08.02 デイリーコラム

アメ車は保守的と思うなかれ

ようやく日本上陸した新型「シボレー・コルベット」。1953年の誕生以来、単一銘柄としては最も長い歴史を持つスポーツカーで、ミドシップに転換したC8こと8代目となる新型は、各方面で非常に高い評価を受けている。webCGの試乗記では、その出来栄えを「隕石(いんせき)級の衝撃作」というタイトルで表現したが、あれを読んで驚いた読者もおられるのではないだろうか。そして、その驚きの背景には、「あのGM(ゼネラルモーターズ)が? アメリカ車が……?」という先入観がないだろうか。

一般的に、日本では保守的と考えられているであろうアメリカンメーカー、そしてその代表格であるGM。だが、かつては世界一の自動車メーカーとして斯界(しかい)に君臨していただけに、次々とスタイリングのトレンドを生み出し、技術的な新機軸を打ち出していた。とりわけアメリカに世界中の富と権力が集中していた1950年代から1960年代にかけての勢いはすごかった。

例えばアメリカ初の量産スポーツカーとして誕生したコルベットは、C1こと初代からFRP製ボディーを採用していた。それ以前からマイクロカーなどの少量生産車にFRPが使われた例はあったものの、量産市販車としては世界初。GMによれば、「重量がスチールボディーの半分近い軽さで、衝撃にも強く断熱性があり、腐食せず音振に対しても有利」などとうたわれたFRPボディー。当初は下請け工場から納入された46ピースもの成形部品をシボレー工場で組み立てたというが、誕生から70年近くを経た今なおコルベットの伝統として息づいているのだ。

C8こと8代目にしてミドシップに転換した新型「シボレー・コルベット」。これは本国仕様だが、同車史上初となる右ハンドル仕様も用意される。
C8こと8代目にしてミドシップに転換した新型「シボレー・コルベット」。これは本国仕様だが、同車史上初となる右ハンドル仕様も用意される。拡大
1953年「シボレー・コルベット」。C1こと初代のボディーはロードスターのみだった。1954年までのパワートレインは最高出力150PS(SAEグロス)を発生する3.9リッター直6 OHVと2段ATの組み合わせしかなく、性能的には物足りなかった。
1953年「シボレー・コルベット」。C1こと初代のボディーはロードスターのみだった。1954年までのパワートレインは最高出力150PS(SAEグロス)を発生する3.9リッター直6 OHVと2段ATの組み合わせしかなく、性能的には物足りなかった。拡大
「C1コルベット」の生産ライン風景。右端にFRP製のフロアユニットが積み上げられている。
「C1コルベット」の生産ライン風景。右端にFRP製のフロアユニットが積み上げられている。拡大
同じく生産ラインより。46ピースの成形部品を組み上げ、塗装を施されたFRP製ボディー。
同じく生産ラインより。46ピースの成形部品を組み上げ、塗装を施されたFRP製ボディー。拡大
シボレー コルベット の中古車
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