「カローラ クロス」に続け!? 海外で販売中(間近)だけど日本未導入の有望株
2021.12.01 デイリーコラム今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「トヨタ・カローラ クロス」だが、まずはタイで発売され、その後に国内導入されたのはご承知の通り。世界にはまだまだ日本未導入の有望株がたくさんあるはずだ。モータージャーナリストが厳選した6モデルを紹介する。
人気必至の日本ブランド車
【トヨタ・アイゴ クロス】
意外と同業者の評価が高かったのが、トヨタが欧州で発表したAセグメントのコンパクトカー「Aygo X(アイゴ クロス)」だ。先代モデルはフロントグリルに大きく「X」をあしらった大胆なデザインだったが、2021年11月に発表された新世代モデルではあっと驚くクロスオーバー仕立てとなった。プラットフォームは「ヤリス」と同じTNGAの「GA-B」で、1リッター3気筒エンジンを搭載する全長3.7mのボディーにキャンバストップを採用。かわいらしいルックスは日本でも受けるのではないだろうか。
【インフィニティQX50】
日産の日本未導入モデルで、ぜひとも日本に持ち込んでほしいのがインフィニティの「QX50」だ。プレミアムな雰囲気をまとったミッドサイズSUVということで、「エクストレイル」の上位モデルにふさわしい。そして、なによりも注目してほしいのが搭載する「VCターボ」エンジンだ。これは世界初となる量産型の可変圧縮比エンジンであり、ガソリンターボのパワーとディーゼルのような力強いトルク、優れた燃費性能を高い次元でバランスさせている。日産の高い技術力の象徴にもなることだろう。
【マツダCX-50】
マツダが先だって発表したばかりの北米向けSUV「CX-50」は、アメリカ市場向けということもあって、ワイドなボディーでアウトドアテイストが強められたモデルだ。プラットフォームなどの中身は、FFレイアウトの「CX-5」と共用という。日本で使うには少し大きいかもしれないが、タフで力強いCX-50を受け入れる層は、日本にも一定数いるはず。マツダの間口を広げるためにも、日本導入を期待したい。
ラングラーが売れるんだから!?
【ポールスター2】
欧米の電気自動車(EV)の先兵といえばテスラが有名だ。しかし、個人的にはボルボによるプレミアムEVブランドのポールスターも、かなりいい線をいっているのではないかと思う。まず、近年のボルボの製品は、どれも非常に評価が高い。積み重ねてきた歴史などから考えて、クルマという乗り物をつくる力は、テスラなどよりもボルボのほうが圧倒的に上だ。小規模メーカーのボルボは小回りが利くし、親会社はEVに熱心な中国の企業でもある。現在販売している「ポールスター2」もいいし、アメリカで生産される次世代モデル「ポールスター3」も要注目。日本に導入されれば、テスラといい勝負になるのではないだろうか。
【シトロエンAMI】
シトロエンが欧州で販売するマイクロEVが「AMI(アミ)」だ。全長はわずか2.41m、幅は1.39mの2人乗り。低速走行しかできない代わりに低価格であり、しかも飛びきりユニークなデザインを特徴とする。日本で言えば軽自動車よりも小さいトヨタの「C+pod(シーポッド)」と同様の存在だ。もしも、日本で軽自動車以下の新規格が普及したとすれば、シトロエンのAMIも日本で売れる可能性が生まれる。観光に使おうというのであれば、生真面目なトヨタ車よりも、AMIに乗りたがる人の方が多いのではないだろうか。AMIが走れば街も華やぐことだろう。ぜひとも日本導入を実現してほしい。
【フォード・ブロンコ】
最後の1台は、フォードのSUV「ブロンコ」。2020年にアメリカにて24年ぶりの復活を遂げた、コテコテのオフローダーだ。搭載されるエンジンは2.3リッター直4と、2.7リッターのV6。全幅が1928mmもあるのが難だが、そのぶん、迫力は満点。3ドアで約4.4m、5ドアでも約4.8mと、全長がそれほど大きくないのはいいところだ。「日本市場でアメリカのオフローダー?」と思う人もいるかもしれないが、日本では「ジープ・ラングラー」が売れまくっている。ラングラーのライバルとして、もしもブロンコがあれば、きっといい勝負になったはずだ。
(文=鈴木ケンイチ/写真=トヨタ自動車、日産自動車、マツダ、ポールスター、ステランティス、フォード/編集=藤沢 勝)

鈴木 ケンイチ
1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。
-
トヨタ車はすべて“この顔”に!? 新定番「ハンマーヘッドデザイン」を考える 2025.10.20 “ハンマーヘッド”と呼ばれる特徴的なフロントデザインのトヨタ車が増えている。どうしてこのカタチが選ばれたのか? いずれはトヨタの全車種がこの顔になってしまうのか? 衝撃を受けた識者が、新たな定番デザインについて語る!
-
スバルのBEV戦略を大解剖! 4台の次世代モデルの全容と日本導入予定を解説する 2025.10.17 改良型「ソルテラ」に新型車「トレイルシーカー」と、ジャパンモビリティショーに2台の電気自動車(BEV)を出展すると発表したスバル。しかし、彼らの次世代BEVはこれだけではない。4台を数える将来のラインナップと、日本導入予定モデルの概要を解説する。
-
ミシュランもオールシーズンタイヤに本腰 全天候型タイヤは次代のスタンダードになるか? 2025.10.16 季節や天候を問わず、多くの道を走れるオールシーズンタイヤ。かつての「雪道も走れる」から、いまや快適性や低燃費性能がセリングポイントになるほどに進化を遂げている。注目のニューフェイスとオールシーズンタイヤの最新トレンドをリポートする。
-
マイルドハイブリッドとストロングハイブリッドはどこが違うのか? 2025.10.15 ハイブリッド車の多様化が進んでいる。システムは大きく「ストロングハイブリッド」と「マイルドハイブリッド」に分けられるわけだが、具体的にどんな違いがあり、機能的にはどんな差があるのだろうか。線引きできるポイントを考える。
-
ただいま鋭意開発中!? 次期「ダイハツ・コペン」を予想する 2025.10.13 ダイハツが軽スポーツカー「コペン」の生産終了を宣言。しかしその一方で、新たなコペンの開発にも取り組んでいるという。実現した際には、どんなクルマになるだろうか? 同モデルに詳しい工藤貴宏は、こう考える。
-
NEW
SUVやミニバンに備わるリアワイパーがセダンに少ないのはなぜ?
2025.10.21あの多田哲哉のクルマQ&ASUVやミニバンではリアウィンドウにワイパーが装着されているのが一般的なのに、セダンでの装着例は非常に少ない。その理由は? トヨタでさまざまな車両を開発してきた多田哲哉さんに聞いた。 -
NEW
2025-2026 Winter webCGタイヤセレクション
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>2025-2026 Winterシーズンに注目のタイヤをwebCGが独自にリポート。一年を通して履き替えいらずのオールシーズンタイヤか、それともスノー/アイス性能に磨きをかけ、より進化したスタッドレスタイヤか。最新ラインナップを詳しく紹介する。 -
NEW
進化したオールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2」の走りを体感
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>欧州・北米に続き、ネクセンの最新オールシーズンタイヤ「N-BLUE 4Season 2(エヌブルー4シーズン2)」が日本にも上陸。進化したその性能は、いかなるものなのか。「ルノー・カングー」に装着したオーナーのロングドライブに同行し、リアルな評価を聞いた。 -
NEW
ウインターライフが変わる・広がる ダンロップ「シンクロウェザー」の真価
2025.10.202025-2026 Winter webCGタイヤセレクション<AD>あらゆる路面にシンクロし、四季を通して高い性能を発揮する、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。そのウインター性能はどれほどのものか? 横浜、河口湖、八ヶ岳の3拠点生活を送る自動車ヘビーユーザーが、冬の八ヶ岳でその真価に触れた。 -
第321回:私の名前を覚えていますか
2025.10.20カーマニア人間国宝への道清水草一の話題の連載。24年ぶりに復活したホンダの新型「プレリュード」がリバイバルヒットを飛ばすなか、その陰でひっそりと消えていく2ドアクーペがある。今回はスペシャリティークーペについて、カーマニア的に考察した。 -
トヨタ車はすべて“この顔”に!? 新定番「ハンマーヘッドデザイン」を考える
2025.10.20デイリーコラム“ハンマーヘッド”と呼ばれる特徴的なフロントデザインのトヨタ車が増えている。どうしてこのカタチが選ばれたのか? いずれはトヨタの全車種がこの顔になってしまうのか? 衝撃を受けた識者が、新たな定番デザインについて語る!