クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

第676回:一生に一度は見てみたいクラシックカーイベント5選

2022.02.14 エディターから一言 山崎 元裕
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!
最近ではニューモデルのデビューの舞台となることも多い、一生に一度は見てみたい世界のクラシックカーイベントを5つピックアップする。写真は2018年に日産&ダットサンがメインテーマのひとつとされた「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」の様子。
最近ではニューモデルのデビューの舞台となることも多い、一生に一度は見てみたい世界のクラシックカーイベントを5つピックアップする。写真は2018年に日産&ダットサンがメインテーマのひとつとされた「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」の様子。拡大

いまだ終息の気配をみせないコロナ渦において、自分の趣味のために観光旅行をすることなどは誠に不謹慎と言われそうだが、こういうときこそ自由に旅行ができるようになった際に、どこを訪ねてみたいのかをじっくりと妄想……いや、考えることができる。そこで今回は、いつか一度は行ってみたいカーマニア必見の「世界のクラシックカーイベント」を5つ紹介する。

1950年に第1回が開催された「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」。世界で最も格調高く権威あるコンクールデレガンスといわれている。
1950年に第1回が開催された「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」。世界で最も格調高く権威あるコンクールデレガンスといわれている。拡大
クラブハウス横の練習用グリーンに、毎年話題のニューモデルやコンセプトカーが展示される。写真は2021年の「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」に展示された「マセラティMC20」。
クラブハウス横の練習用グリーンに、毎年話題のニューモデルやコンセプトカーが展示される。写真は2021年の「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」に展示された「マセラティMC20」。拡大
「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」の会場は、ゴルフのUSオープンの開催でも有名なペブルビーチゴルフリンクス。イベントのハイライトは、最終日となる日曜日に行われる表彰セレモニーだ。
「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」の会場は、ゴルフのUSオープンの開催でも有名なペブルビーチゴルフリンクス。イベントのハイライトは、最終日となる日曜日に行われる表彰セレモニーだ。拡大

伝統と格式の「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」

「ペブルビーチ・コンクールデレガンス」は、1950年の第1回開催から、2022年で70回以上の開催を続けてきた伝統のコンクールイベント。会場となるのはアメリカのカリフォルニア州ペブルビーチにある、ゴルフのUSオープンでも有名なペブルビーチゴルフリンクスだ。

カリフォルニアのモントレー周辺では、毎年8月半ばの約1週間にわたって各種のクラシックカーイベントが多数開催されることから、いつしかそのイベントがある週は「モントレーカーウイーク」と呼ばれるようになった。そのモントレーカーウイークの最後を飾るのがペブルビーチ・コンクールデレガンスである。

イベントは実際にコンクールデレガンスにエントリーしたモデルが公道を走行するツアーデレガンスと、日曜日にペブルビーチゴルフリンクスの18番ホールをステージとし、クラス別に姿をそろえるコンクールデレガンスに大別されており、その年ごとにフィーチャーされるブランドやモデルがあるのも大きな特徴だ。

全世界から貴重な車両がこのステージに運び込まれ、それを目当てに毎年欠かさずこのイベントだけは観覧するというファンもいるほど。世界で最も格調高く権威あるコンクールデレガンスといわれており、訪れる価値は大いにあるだろう。

新車発表の場としても注目の「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」

「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」はモントレーに隣接するカーメルにあるゴルフリゾート、クエイルロッジで開催される格調高きクラシックカーイベントである。しかし、このイベントを訪ねるのはかなりハードルが高い。

なにしろ入場チケットは、毎回即日完売という人気ぶり。あとはキャンセル待ちをするしかないのだが、なにしろチケットの総数自体が数千枚しかないうえに、そのプライスは600ドル以上もする。チケットがこれだけ希少で高価なのは、できるだけゆったりとした雰囲気の会場で、クエイルロッジ自慢のランチとクラシックカーの世界を楽しんでほしいという主催者の意向が反映されているからだ。

最近ではこのイベントを、ニューモデルの発表の場とするスーパーカーやプレミアムカーメーカーも増え始めた。記憶に新しいところでは、2021年はランボルギーニが台数112台の限定モデル「カウンタックLPI800-4」をここで世界初披露した。そのアンベールの瞬間を見たければ、チケットの壁だけはどうしてもクリアしなければならない。

チケットのなかにはヘリコプターでの遊覧飛行付き4名分で1万5000ドルというものもあるから、それを狙うのも作戦としては悪くはない。ちなみにここで発表されたニューモデルは、その後週末に行われるペブルビーチ・コンクールデレガンスへと運ばれ、あらためて展示されるのが定番のパターンになりつつある。

このモータースポーツ・ギャザリングも、さまざまなクラス分けがあるが、そのなかにはスーパーカークラスなど、現代のモデルがテーマとなるクラスがあるのも特徴。じっくりと展示車両を鑑賞していると、時間があっという間にたってしまい、毎回それに驚かされるのも定番のパターンになりつつある。

かつて、ハリウッドスターのクリント・イーストウッドが市長を務めたことでも知られるカーメルで行われる「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」。「モントレーカーウイーク」のなかでは比較的新しいイベントで、2003年に開催がスタートした。
かつて、ハリウッドスターのクリント・イーストウッドが市長を務めたことでも知られるカーメルで行われる「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」。「モントレーカーウイーク」のなかでは比較的新しいイベントで、2003年に開催がスタートした。拡大
ランボルギーニは2021年の「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」で、台数112台の限定モデル「カウンタックLPI800-4」をお披露目した。
ランボルギーニは2021年の「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」で、台数112台の限定モデル「カウンタックLPI800-4」をお披露目した。拡大
2019年、ロータスはハイパーカー「エヴァイヤ」の北米初披露の場として「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」を選んだ。
2019年、ロータスはハイパーカー「エヴァイヤ」の北米初披露の場として「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」を選んだ。拡大
格調高いゴルフリゾート、クエイルロッジで開催される「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」。写真はベントレーの創立100周年を祝った2019年の会場風景。
格調高いゴルフリゾート、クエイルロッジで開催される「ザ・クエイル・ア・モータースポーツ・ギャザリング」。写真はベントレーの創立100周年を祝った2019年の会場風景。拡大
名物コーナーのコークスクリューでおなじみのラグナセカレースウェイが舞台となる「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」。車両やブランドのアニバーサリーイヤーを祝うだけでなく、ガチのクラシックカーレースも開催され、人気を博している。
名物コーナーのコークスクリューでおなじみのラグナセカレースウェイが舞台となる「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」。車両やブランドのアニバーサリーイヤーを祝うだけでなく、ガチのクラシックカーレースも開催され、人気を博している。拡大
2018年にフィーチャーされた日産&ダットサンをモチーフとした開催告知のポスター。同年のイベントが8月の第4週木曜日から日曜日までの4日間にわたり開催されたことが示されている。
2018年にフィーチャーされた日産&ダットサンをモチーフとした開催告知のポスター。同年のイベントが8月の第4週木曜日から日曜日までの4日間にわたり開催されたことが示されている。拡大
高低差の大きなテクニカルコースとして知られるラグナセカレースウェイの全景。起伏に富んだ地形を利用して設計されている。
高低差の大きなテクニカルコースとして知られるラグナセカレースウェイの全景。起伏に富んだ地形を利用して設計されている。拡大

往年のマシンがガチで競い合う「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」

モントレーの中心部から約30分。名物コーナーのコークスクリューでおなじみのラグナセカレースウェイが舞台となるクラシックカーレースが、この「ラグナセカ・モータースポーツ・リユニオン」だ。プログラムはモントレーカーウイークの木曜日に始まり、日曜日の夕方まで連日続くから、モータースポーツ好きのマニアには見逃せないイベントだろう。

年式や排気量、あるいはフィーチャーされるメイクスなどによって15ほどにクラス分けされたこのイベントは、走行会ではなく、あくまでも勝負をかけたレース。過去には「フェラーリ250GTO」クラスなどという驚異のレースもあった。

特にここアメリカでは、IMSAやCan-AM、そしてストックカーレースなどの人気が高く、かつてさまざまな栄光を獲得したマシンが現在でも全開で走る姿を見るのは懐かしく、そしてもちろん楽しい。

ちなみに「ブガッティ・ヴェイロン」が、世界で初めてその走行シーンを披露したのは、このイベントの前身である、ロレックス・クラシックカーレース。BMWが創立100周年を記念して、2002年に「2002オマージュ」をワールドプレミアしたのもまた、このイベントであった。

ルマン24時間の伝統と歴史を現代に復活させるというテーマで2年に一度開催される「ルマン・クラシック」。ルマン24時間レースに出走した車両や同型の車両が参加の対象となる。
ルマン24時間の伝統と歴史を現代に復活させるというテーマで2年に一度開催される「ルマン・クラシック」。ルマン24時間レースに出走した車両や同型の車両が参加の対象となる。拡大
ルマン・クラシックは、時代ごとに7つのクラスに分けてレースが開催されている。写真はサルトサーキットのダンロップシケインを走行する「ジャガーDタイプ」。
ルマン・クラシックは、時代ごとに7つのクラスに分けてレースが開催されている。写真はサルトサーキットのダンロップシケインを走行する「ジャガーDタイプ」。拡大
ルマン24時間レースと同様に、ルマン・クラシックレースも24時間後のフィニッシュを目指す。
ルマン24時間レースと同様に、ルマン・クラシックレースも24時間後のフィニッシュを目指す。拡大

栄光の競技車両が走る「ルマン・クラシック」

世界一過酷なレースともいえるルマン24時間。その伝統と歴史を現代に復活させてくれているのが、2年に一度、実際の24時間レースと同じコースを使用して開催される「ルマン・クラシック」だ。

参加車はもちろん実際にルマン24時間レースに参加した経歴があるモデルとその同型車に限られるが、一切の改造は許されないなどエントリーが認められるまでの道のりは非常に険しい。それだけにコースを疾走するモデルや、パドックに並ぶモデルを見るのは大いに価値のあることともいえる。

現在のルマン・クラシックは、時代ごとに7つのクラス(プラトー)に分けて開催されている。例えば最も古いプラトー1は1923年から1939年まで、逆に最も新しいクラスは2016年の開催から、1982年から1993年までのグループCモデルの参戦が可能になった(ただしグループCによるレースは1回のみ)。

そしてほかの6クラスが交代しつつ3回ずつのレースを走り、24時間後のフィニッシュを目指すのだ。当然ルマン・クラシックも夜は眠らない。

英国屈指のイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」

南イングランドのサセックス州チチェスター、ここに1万2000エーカーもの広大な私有地を有するのがリッチモンド伯爵家だ。その敷地には一族が暮らすセンターハウスのほかに、牧場やゴルフコースなどさまざまな施設が点在している。ここにサーキットを作ったのは第9代リッチモンド伯爵。その孫にあたる第11代リッチモンド伯爵は、幼少の頃からカーガイたる祖父の影響を強く受け、現在にまで続く「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のタイトルを掲げたモータースポーツイベントを、1993年に初開催するに至ったという。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードが初開催された年、その観客数は1万人をわずかに超えた程度だったとされているが、人気は年々高まり、また2012年からは木曜日から日曜日までの4日間開催となったことなどもあり、最近ではエントラントや観客を含め20万人以上がこのイベントに足を運ぶようになったという。

ここでのメインイベントは、伯爵家、すなわちセンターハウスの前もコースの一部となるヒルクライムだ。クラシックカーはもちろんのこと、最新のスポーツカー、あるいは開発中のプロトタイプまでもが全開でタイムを競う様子は、それを眺めているだけで近い将来の自動車像が想像できて楽しい。

出走を待つ参加車両用のパドックは、一般にも開放されている。憧れのマシンをじっくりと見てサウンドを聞くことができるのもまた、このイベントの魅力である。

今回は、再び自由に旅行ができるようにとの願いを込めて、自動車好きならぜひ訪れてほしい世界屈指の5つのイベントを紹介してみた。晴れて旅立てる日が来るまで、今はこの時間を利用してひたすら情報収集に励もうではないか。

(文=山崎元裕/写真=Newspress/編集=櫻井健一)

英国サセックス州チチェスターの1万2000エーカーという広大な私有地を舞台に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。リッチモンド伯爵家が主催し、招待されたオーナーや車両のみが走行できるイベントとして始まった。
英国サセックス州チチェスターの1万2000エーカーという広大な私有地を舞台に開催される「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」。リッチモンド伯爵家が主催し、招待されたオーナーや車両のみが走行できるイベントとして始まった。拡大
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のメインイベントは、伯爵家のセンターハウス前を通過するヒルクライム。市販車両はもちろん、レーシングマシンやプロトタイプモデルなど、さまざまな車両がタイムを競う。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のメインイベントは、伯爵家のセンターハウス前を通過するヒルクライム。市販車両はもちろん、レーシングマシンやプロトタイプモデルなど、さまざまな車両がタイムを競う。拡大
元インディカーレースのチャンピオンであり、F1テストドライバーでもあったケニー・ブラックがドライブする「マクラーレン・エルヴァ」。ケニーは現在、マクラーレン・オートモーティブのチーフテストドライバーを務めている。
元インディカーレースのチャンピオンであり、F1テストドライバーでもあったケニー・ブラックがドライブする「マクラーレン・エルヴァ」。ケニーは現在、マクラーレン・オートモーティブのチーフテストドライバーを務めている。拡大
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の会場に設置されるスーパーカーパドックと呼ばれるスペース。ヒルクライムに参加する車両が行き交うほか、ニューモデルの発表や展示なども行われる。
「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」の会場に設置されるスーパーカーパドックと呼ばれるスペース。ヒルクライムに参加する車両が行き交うほか、ニューモデルの発表や展示なども行われる。拡大
エディターから一言の新着記事
エディターから一言の記事をもっとみる
関連キーワード
関連サービス(価格.com)
新着記事
新着記事をもっとみる
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。