三菱アウトランダー(後編)

2022.05.08 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「三菱アウトランダー」に試乗。前編ではそのシャシーの仕上がりを「感動しました!!」とまで絶賛した山野。後編ではパワートレインとハンドリングについて詳しく解説してもらおう。

加減速が直線的

前編では2.4リッターガソリンエンジンと2つのモーターを組み合わせたパワートレインについて「レースカーのような、エンジニアの明確な思想を感じる」と語った山野哲也。もっと掘り下げて聞いてみよう。

webCG:明確な思想を感じるとは、目的意識がはっきりしているということでしょうか。

山野:加減速の仕方が直線的なんです。2.4リッター直4そのものも気持ちいいエンジンなのですが、むしろ存在を感じさせない。新型アウトランダーの動力系を特徴づけるのは、「モーターがメイン」と思わせるところです。

webCG:EV感が強い、ということですね。

山野:電気モーターで走りだし、加速していくと、後からそっとエンジンが追いついてくる。そんなイメージです。普通に運転しているかぎり、エンジンのフェードイン、フェードアウトは気づかないほどです。モーターと内燃機関の関係が、これまでのハイブリッド車とは逆なんです。

webCG:当初のハイブリッド車は内燃機関がメインで、「エンジンが苦手なところを電気モーターがカバーする」という考え方でした。アウトランダーでは、主客が逆転したのですね。加減速が直線的というのは、ガソリンエンジンのように、パワーが二次曲線的に盛り上がるといったことがない?

 
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