ポルシェ718ケイマンGTS 4.0(前編)

2022.06.26 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「ポルシェ718ケイマンGTS 4.0」に試乗。そのリアミドには一度はケイマンから失われた自然吸気の水平対向6気筒エンジンが積まれている。いわばポルシェの至宝のようなパワーユニットを、山野はどう評価する?
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自然吸気への回帰

「言葉のいらない気持ちよさ!」

レーシングドライバーの山野哲也が絶賛するのは、ポルシェ718ケイマンGTS 4.0の4リッター水平対向6気筒NA(自然吸気)エンジンだ。4カム、24バルブのヘッドメカニズムを備えるフラット6は、400PS/7000rpmの最高出力と、420N・m/5000-6500rpm(PDK車は430N・m/5500rpm)の最大トルクを発生する。

「8000rpmというレブリミットは最近あまり見ませんね。ピークパワーを7000rpmで得るという高回転型。ポルシェは、NAユニットのよさをあらためて追求してきました」と興奮冷めやらぬ様子である。
 
2016年に登場した「ポルシェ・ボクスター/ケイマン」改め「718ボクスター」と718ケイマンは、名称の変更もさることながら、ミドに搭載されるエンジンが、NAの水平対向6気筒からターボ付きの水平対向4気筒に変更されたことが大きな話題となった。排気量でみると、それまでの2.7リッター(275PS)と3.4リッター(325PS)から、2リッターターボ(300PS)と2.5リッターターボ(350PS)に変わったのである。最上級を示すGTSモデルも、翌年、チューンを上げた2.5リッターターボ(365PS)を積んで登場している。

ところが、熱烈なファンの要望に応えたのか、はたまた当初のロードマップどおりなのか、2019年には4リッターの水平対向6気筒NAユニットを採用した「GT4」(420PS)が新たなトップモデルとしてリリースされた。GTS 4.0は、GT4から1年遅れで加わった、同車よりわずかにデチューンされた4リッターフラット6を用いた718ケイマンである。

今回のテスト車は、GTS 4.0の6段MT車。コンベンショナルな3ペダル式ながら、かつて言われた「ポルシェ車のクラッチミートの難しさ」は、すっかり過去のものになっている。パワフルなMTケイマンに関して、山野哲也は「むしろ優しいクルマ」と表現する。

 
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