BluE Nexusとデンソー、アイシンが新型「トヨタ・クラウン」に搭載される新しいハイブリッドシステムを発表
2022.07.22 自動車ニュース![]() |
BluE Nexus(ブルーイーネクサス)とデンソー、アイシンの3社は2022年7月22日、「トヨタ・クラウン クロスオーバーRS」に搭載される新しいハイブリッドシステム「1モーターハイブリッドトランスミッション」の概要を発表した。
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スポーティーな走りと効率の高さを追求
3社が共同開発した1モーターハイブリッドトランスミッションは、新設計のクラッチ式6段AT「Direct Shift-6AT」と駆動用モーター、インバーターを一体化した製品で、高い加速性能と燃費効率が特徴とされている。製品そのもののサプライヤーはBluE Nexusで、モーターとトランスミッションの開発をアイシンが、インバーターの開発をデンソーが担当。アッシー製造に関してはBluE Nexusがアイシンに委託するかたちで行われる。
構造としてはモーターとトランスミッションの間、エンジンとモーターの間にそれぞれクラッチを備える方式で、前者は発進時の駆動力伝達、後者はEV走行時におけるエンジンの切り離しを行う。新開発の発進クラッチは耐熱性の高さが特徴で、高度な作動制御によって高い発進応答性を実現。Direct Shift-6ATをベースに設計された駆動モーターを組み合わせることで、ダイレクトかつトルクフルな走りを追求している。また発進用とエンジン切り離し用のクラッチを協調制御することにより、走行のあらゆるシーンでスムーズかつ静粛にエンジンの始動や停止ができるという。
同時に、既存のトルコン式ATと置き換えて搭載できるよう、コンパクト化も徹底。駆動用モーターを大径偏平タイプとし、2つのクラッチをローターの内側に配置することで、製品の全長拡大を抑制している。またモーター自体も、コイル冷却や磁石配置の最適化により大幅に小型化。コイルの形状と組み込み方法を従来のセグメントコイルからカセットコイル成形に変更して溶接箇所を削減し(480→96)、コイル拡張組み付けなどの新しい生産技術を導入するなどして、ステーターの軸長短縮を実現した。
このほかにも、インバーターは片面冷却パワーモジュールの採用によってユニットを薄型化するとともに、トランスミッションの直上に設置。搭載性の向上と、中間部品の削減による低コスト化を図っている。
このハイブリッドシステムは、クラウン クロスオーバーRSでは高出力の2.4リッター直4ターボエンジンと組み合わせられ、リアに搭載されるeAxleとともにプレミアム車両にふさわしい走行性能を実現しているという。
なお、後輪を駆動するeAxleは電気自動車「bZ4X」の4WD車に搭載されるものと基本的に共通。ただし搭載されるバッテリーの違いから出力は異なっており、またクルマの特性に合わせてリダクションギアのギア比も変更しているという。
各ユニットの諸元は以下のとおり。
【フロント:1モーターハイブリッドトランスミッション】
全長×全幅×全高:531×411×571mm
ダンパ:乾式高減衰タイプ
発進機構:湿式クラッチ
モーター最大出力:61kW(83PS)
インバーター:片面冷却パワーモジュール
減速部:6段変速
【リア:eAxle】
全長×全幅×全高:444×427×303mm
モーター最大出力:59kW(80PS)
インバーター:両面冷却パワーモジュール
減速部:固定ギア比
(webCG)
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