ポルシェ・マカンT(4WD/7AT)【海外試乗記】
カーブこそポルシェの命 2022.07.26 アウトビルトジャパン モデルネームにポルシェ伝統の「T」を持つ「マカンT」はダイナミクス性能を強化されたスペシャルモデルだ。ボディータイプこそSUVであるものの、真のパフォーマンスはコーナリング時に味わえる。この俊敏さはポルシェならではといえるだろう。※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
ローダウンでよりダイナミックに
ポルシェのスペシャルモデルへの愛情は今、マカンにまで及んでいる。これまで「718ケイマン」や「911」の後部に付けられていた「T(Touringの意)」が、これからはSUVのリアにも付けられる。ちなみに、その「T」という名が与えられた初のモデルは、1968年の「ポルシェ911T」だった。
ポルシェ・マカンのツーリングモデルは、ダイナミックなシャシーセットアップ、専用装備、そしてスリムなドライブという3つの点で特に際立っている。
マカンTは、わずかなローダウン(スチール製シャシー:マイナス15mm、アダプティブエアサスペンション:マイナス10mm)、より硬めのフロントスタビライザー、ポルシェトラクションマネジメントなどのシステムによる最適なチューニングによって、その3つの要素を実現している。
価格面で優位性がある
マカンTは、しなやかなステアリングであらゆるカーブに進んでいき、大きく覚醒したデュアルクラッチ、十分なグリップ、極めて拘束力の強いトラクションで、ボディーを押し出していく。リアアクスルにグリップ力のある295mm幅のタイヤ(20インチが標準)を履いていても、フルパワーのオーバーステアには力不足だ。とはいえ、マカンTはSUVというジャンルのなかで、抜群に俊敏なモデルの一台である。
ポルシェは、フロントアクスルの重量が60kg近く軽くなっていることを強調している。そして実際、マカンTは決してフロントヘビーではない。しかし、これは同じエンジンを搭載したベーシックモデルにも適用される。アゲートグレーのアドオンパーツや、スポーツテックスストライプのセンターパネルを備えた8ウェイスポーツシートは、今回もマカンTだけの特別仕様となっている。
価格も特別で、ベースモデルより4998ユーロ(約65万円)高い。ただし、より豪華で特別な標準装備には、その倍の約1万ユーロ(約132万円)の価値があるとも考えられる。さらに4046ユーロ(約53万円)を追加すれば、380PSの「マカンS」(V6搭載)を購入することも可能だ。
結論
ポルシェは、新型マカンTに精細なフェイスリフトを施し、シャシーを巧みに磨き上げた。また、価格面での優位性も魅力だ。そして、6気筒エンジン搭載の「マカンS」は、もはやそれほど高価ではない。ただし、オプション装備を加えなければ、の話だが。
AUTO BILDテストスコア:2
(Text=Stefan Novitski/Photos=Porsche AG)
【スペック】
全長×全幅×全高=4726×1927×1606mm/ホイールベース=2807mm/空車重量(DIN)=1865kg/駆動方式=4WD/エンジン=2リッター直4 DOHC 16バルブ ターボ(最高出力:265PS/5000-6500rpm、最大トルク:400N・m/1800-4500rpm)/トランスミッション=7AT/燃費=9.9km/リッター/価格=6万9462ユーロ(約916万円)より

AUTO BILD 編集部
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