フェラーリ296GTB(前編)
2023.01.05 谷口信輝の新車試乗 ハイブリッドパワートレインを搭載する、フェラーリの新たな基幹モデル「296GTB」。ワインディングロードで試乗したレーシングドライバー谷口信輝は、その走りにどんな印象を抱いたのか?このフェラーリは別物
296GTBはフェラーリにとって、初めて尽くしのモデルである。
フェラーリのロゴを付けた初めてのV6フェラーリ・ロードゴーイングカーであるのはもちろん、120度V6エンジンをロードカーに搭載するのも初めて。プラグインハイブリッドモデルは「ラ・フェラーリ」や「SF90ストラダーレ」で実績があるものの、フェラーリの主力モデルとしてまとまった数のプラグインハイブリッドを世に送り出すのも、296GTBが初めてとなる。
そんな初めて尽くしのハイテクモデルであれば、技術的に未成熟なところが残されていても不思議ではない。けれども、箱根のワインディングロードでの試乗を終えた谷口信輝は、いつになく興奮した口調で296GTBの印象を語り始めたのである。
「これはヤバイ、これはヤバイですよ。いやあ、われながら自分が興奮していることがわかるくらいです」
そういえば、谷口はいつもさっと試乗しただけで取材のベースとなる駐車場に戻ってくることが多いのだが、この日はいつもにも増して長い時間、296GTBのステアリングを握っていた。
「いままでのフェラーリって、ワインディングロードを走っていても、どこか信用しきれないところがあったんですが、これはちょっと別物ですね。なんだか、乗っていてものすごく気持ちいいんです。それに、走れば走るほどに、どんどん攻めたくなっちゃう。これまでのフェラーリみたいに、どこが限界だかよくわからないうえに、ペースを上げていくといきなり裏切られるんじゃないかという不安感がないから、『もうちょっといってみようか』『もうちょっと攻めてみようか』っていう気持ちにさせられるんです」
ほー、それは谷口にしてはたしかに珍しいこと。いったい、これまでのフェラーリと296GTBでは、どんな違いがあるのだろうか?
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