フェラーリ296GTB(後編)
2023.01.12 谷口信輝の新車試乗 フェラーリの新型プラグインハイブリッドモデル「296GTB」を、レーシングドライバー谷口信輝が大絶賛。いったい、その走りのどんなところが際立っていたのだろうか?この楽しさはなんだろう?
これまでフェラーリに乗るたびに、「どこか信用できない」「いつ裏切られるかわからない」という印象を口にし続けてきた、われらが谷口信輝。しかし、最新のV6プラグインハイブリッドマシンの296GTBは例外だったらしく、ワインディングロードのコーナーでは「お、まだいける」「あれ、まだ大丈夫」との感触をつかんだという。
そうしたシャシーに関する印象は前編で紹介したので、後編ではまず、パワートレインについて語ってもらうことにしよう。
「今日は、296GTBの前に『ホンダNSXタイプS』にも試乗して、『すっごく速いなあ』『とってもいいスーパースポーツカーだなあ』と感じたけれど、正直、296GTBに乗っちゃうと、NSXの印象がかすんじゃいますね。こっちのほうがワンランクもツーランクも上って感じがします」
296GTBのパワートレインに関して、もう少し具体的に説明してもらった。
「エンジンのパワーはこっちのほうが断然、上ですね。しかも回転フィールがものすごく滑らか。ギアボックスのレスポンスもいいですねえ」
シャシーの感触でも、296GTBがNSXをしのいでいると谷口は言う。
「ぱっと乗り換えた直後は、ダンパーがしっかりと効いた硬めの足まわりだなあと思ったけれど、乗り続けるとそんなことはすぐに忘れちゃって、接地性のよさにほれぼれとしちゃう。なんか、トリコにされちゃった感じ。もう、恋人にしたいくらいほれちゃいました」
ドライビングモード切り替えのマネッティーノは試したのだろうか?
「はい、スポーツとレースを試しました。レースに切り替えると、オートマチックモードにしていたギアボックスが下のほうのギアを積極的に使うようになって、ゴンゴン! とシフトダウンして過激な感じがしたけれど、まあ、このへんは普通ですよね。そもそも、こんなにパフォーマンスが高いと、『こんなポテンシャルは要りません』とか『これは持て余すだけだわ』って言いたくなっちゃうのに、296GTBにはそれがない。もちろん、パフォーマンスはすごいし、公道では持て余しちゃうんですが、それでも『楽しい』という気持ちのほうが勝っちゃう。これまでのフェラーリって、ハンドリングから感じられる微妙な不安感が刺激のもとだったりしたけれど、これは全然別物で、すごさと速さを同時に楽しめちゃう。なんだろうね、これは。不安がつくり出す刺激じゃなくて、すごさとか速さとかで、自分が未知の領域に入っていく楽しさがあるんです」
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