【ニュース】未来の「BMW 3シリーズ」はこうなる!
2025年にニュークラスとしてデビューする電動「BMW 3シリーズ」の最新情報 2023.07.11 アウトビルトジャパン 「3シリーズ」が未来へと走りだす。BMWはeモビリティーにおいて新たなクラスを設けて飛躍したいと考えているのだ。新型電気自動車(EV)として2025年に発売されるとみられる、3シリーズに関する第一報。※この記事は「AUTO BILD JAPAN Web」より転載したものです。
キーワードは電動モビリティー
ニュークラス? その言葉に熱狂的なBMWファンはピンとくるだろう。1960年代、BMWは「1500」「1600」「1800」「2000」の各モデルを含む「ニュークラス(ノイエクラッセ)」で新時代を迎えた。BMWが「日雇い労働者とゼネラルマネージャー向けのクルマ」しかつくらなかった時代を経て、ヴィルヘルム・ホフマイスターが設計したリムジンとクーペは中流階級向けのものとなり、BMWを再び収益圏へと導いた。
現在、ミュンヘンのBMWが赤字であることに疑問の余地はないが、新たな時代の幕開けを予感させる話題は尽きない。キーワードは電動モビリティーだ。BMWは「i3」と「i8」で最前線に立ったものの、その後はしばらく足並みを乱したかに見えた。しかし、「iX」「i4」「iX3」「iX1」「i7」を送り出し、2023年の「i5」で力強く追いついてきたのだ。
![]() |
ヒントはエレクトロニクスショーの出展車にあり
しかし、これらは大部分が内燃機関プラットフォームで構築されているのに対し、ニュークラスは“100%電動”となる予定だ。手始めに、ミュンヘンに本社を置くBMWは、3シリーズのセグメントにコンパクトセダンを投入する計画だ。これは新型i3としてラインナップされる可能性が高く、またそれをベースとするスポーティーなSUVも計画している。そしてBMWは、CES(コンシューマーエレクトロニクスショー:毎年1月に米国ラスベガスで開催される電子機器の見本市)にスタディーモデル「i Vision Dee」を出展し、新型EVとしての3シリーズの姿を明らかにした。
人工知能、あるいは色を変える塗装。未来的なガジェットはさておき、コンセプトカーはデザインの方向性を明確に示している。多くのファンにとって特に重要かもしれない点。それは、キドニーグリルがまた大幅にスリムになっているということだ。
スクリーンを完全に排除するなど、ミニマリスト的な意匠が特徴のインテリアは、そのまま量産化されることはないだろう。BMWはより従来型のアプローチをとり、新型i5のようなインテリアデザインを採用すべきなのだ。
![]() |
最高出力は200~500PSか
これまでのBMWモデルが内燃エンジン用プラットフォームの多くのコンポーネントを使用しているのに対し、新型i3は純粋なEプラットフォームがベースとなる。当初はガソリンエンジンやディーゼルエンジンにも対応する予定だったが、BMWはハンガリーのデブレツェンに年間15万台の生産能力を持つ自社工場を建設していて、このニュークラスが電動車に限られることも2022年の末には明らかになっていた。
そして3シリーズのファンは、「E36」「E46」「E90」といった伝説的な先祖から受け継がれたディテールをあちこちに見ることになるだろう。すでに知られているとおり、この電動3シリーズの駆動方式は後輪駆動または全輪駆動で、最高出力は200~500PS。さらに「i3 M」を搭載できるスペースも確保される。
一方でBMWは電費に改善の余地があるとみており、100kmあたり15kWhを下回るとしている。一充電あたりの航続距離は500kmが現実的だという。充電は少なくとも200kWの出力で行われ、後に300kWにも対応可能になるはずだ。
![]() |
価格は約5万5000ユーロ
i Vision Deeで発表されたヘッドアップディスプレイは、実際に新型3シリーズにも採用され、フロントガラスの全幅に広がる高さ約20cmのストリップとして、そのコンテンツ(ナビゲーション、エンターテインメント、テレフォニー)をすべての乗員が享受できるようになる。
ドライバーのために制限速度や衝突警告など運転に関連する情報を表示するヘッドアップディスプレイも用意される。価格も高くなる可能性が高い。現在、3シリーズの価格は4万5000ユーロ(約700万円)からだが、2年後のEバージョンではさらに1万ユーロ(約155万円)を支払うことになるだろう。
これでは高すぎると思う人、あるいはまだ電動モビリティーを欲していないすべての人に朗報だ。BMWは内燃機関について明確なコミットメントを示しており、従来型の駆動システムを備えた3シリーズも並行して提供し続けるというのだ。
(Text=Michael Gebhardt/Photos=BMW、AUTO BILD)

AUTO BILD 編集部
世界最大級のクルマ情報サイトAUTO BILDの日本版。いち早い新車情報。高品質なオリジナル動画ビデオ満載。チューニングカー、ネオクラシックなど世界のクルマ情報は「アウトビルトジャパン」でゲット!
-
【ニュース】高性能を誇るBMWのラグジュアリーエステート「M5ツーリング」が復活! その魅力とは? 2024.9.6 高性能サルーン新型「BMW M5」に続き、そのワゴンバージョンたる新型「M5ツーリング」が登場。ユーティリティーからスリルまで幅広いニーズをパーフェクトに満たす“スーパーワゴン”とは、どんなクルマなのか?
-
MINIクーパーSE(FWD)【海外試乗記】 2024.8.21 電気自動車でも内燃機関車でも、常に「クーパー」と呼ばれるようになった新型MINIのハッチバック。価格にデザイン、パワーユニット、装備、そしてドライビングテストリポートと、新しくなったMINIクーパーの全情報をお届けする!
-
スズキ・スイフト(FF/5MT)【海外試乗記】 2024.8.20 世界で900万台以上が販売されてきた大人気モデル「スズキ・スイフト」。7代目となる新型は、海外でどのように評価されているのか? これまでの成功をさらに発展させることを目指し、スズキが投入した小さな巨人に、『AUTO BILD』のスタッフが試乗した。
-
スマート#1ピュア(RWD)/#1ブラバス(4WD)【海外試乗記】 2024.8.20 続々とラインナップを拡大している、スマートブランドのフル電動SUV「スマート#1」とはどんなクルマなのか? その価格とデザインからパワーユニット、イクイップメント、試乗した印象まで、すべての情報をお届けしよう。
-
【ニュース】電動ルノー・トゥインゴの最新情報 2024.8.15 ルノーの電気自動車(BEV)を手がける新会社アンペアが、2025年にコンパクトBEVとして「トゥインゴ」を復活させる。初代トゥインゴを想起させるデザインや価格、そしてパワーユニットまで、現時点でのすべての情報をお届けする。
-
NEW
谷口信輝の新車試乗――BMW X3 M50 xDrive編
2025.9.5webCG Movies世界的な人気車種となっている、BMWのSUV「X3」。その最新型を、レーシングドライバー谷口信輝はどう評価するのか? ワインディングロードを走らせた印象を語ってもらった。 -
NEW
アマゾンが自動車の開発をサポート? 深まるクルマとAIの関係性
2025.9.5デイリーコラムあのアマゾンがAI技術で自動車の開発やサービス提供をサポート? 急速なAIの進化は自動車開発の現場にどのような変化をもたらし、私たちの移動体験をどう変えていくのか? 日本の自動車メーカーの活用例も交えながら、クルマとAIの未来を考察する。 -
NEW
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。 -
第926回:フィアット初の電動三輪多目的車 その客を大切にせよ
2025.9.4マッキナ あらモーダ!ステランティスが新しい電動三輪車「フィアット・トリス」を発表。イタリアでデザインされ、モロッコで生産される新しいモビリティーが狙う、マーケットと顧客とは? イタリア在住の大矢アキオが、地中海の向こう側にある成長市場の重要性を語る。