「ポルシェ911」の60周年記念限定車「911 S/T」が登場 「GT3」ベースの超軽量モデル

2023.08.03 自動車ニュース webCG 編集部
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ポルシェ911 S/T
ポルシェ911 S/T拡大

ポルシェジャパンは2023年8月2日、「ポルシェ911」の限定モデル「911 S/T」を発表し、同日、予約注文受け付けを開始した。

 
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現行「911」では最軽量となる1380kgに車重を低減

ポルシェ911 S/Tは、911の誕生60周年を記念した特別限定モデルであり、「ドライビングプレジャーを追求したピュアスポーツカー」(報道資料より)と説明されている。販売台数は911のデビューイヤーである1963年にちなんで、グローバルで1963台となっている。

特徴は専用コンポーネントの採用にともなう徹底した軽量化と、それが実現する公道での胸のすく走りにあるとされる。車名の「S/T」とは、1969年にポルシェがリリースした「911S」のレースバージョンに由来するものだ。正式な車名ではないが、このクルマは社内において「911ST」と呼ばれていたという。またこのモデルは、シャシーやボディー、エンジンの改良により動力性能が大幅に強化されていたが、大型のスポイラーなど今日的な空力パーツはまだ装備されていなかった。

911 S/Tは、こうした911STの特徴も受け継いでおり、「911 GT3 RS」のエレメントと「911 GT3ツーリングパッケージ仕様車」のボディーを組み合わせ、さらに新開発の軽量コンポーネントを各所に導入。車両重量は1380kg(DIN規格、すべてのフルードを含む)と、現行世代の911では最軽量のモデルとなっている。

パワーユニット/パワートレインは最高出力525PSの4リッター水平対向6気筒自然吸気エンジンと6段マニュアルトランスミッションの組み合わせで、軽量クラッチとシングルマスフライホイールとの組み合わせで、回転質量を10.5kg低減。6段MTのギア比も、ベースとなる911 GT3よりクロスレシオに変更されている。

一方、シャシーまわりではリアアクスルステアを廃止したほか、ダンパーとコントロールシステムをそれに合わせて調整(911S/Tは、ダブルウイッシュボーン式フロントアクスルとリアアクスルステアリングなしのマルチリンク式リアアクスルを組み合わせる、現行世代の911では唯一のモデルとなる)。タイヤサイズは前:255/35ZR20、後ろ:315/30ZR21で、軽量なセンターロック式マグネシウムホイールにセットされる。

さらに、フロントボンネットやルーフ、フロントフェンダー、インレット付きのドア、ロールケージ、リアアクスルのスタビライザー、シアパネル(リアアクスルの補強エレメント)などを、いずれも炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製とすることで重量を軽減。さらにリチウムイオンバッテリーや「PCCBシステム」(カーボンセラミックブレーキ)、軽量スポーツエキゾーストシステムを標準装備としたり、断熱材を削減したりと、軽量化の施策は徹底しており、上述の軽量パワートレインやマグネシウムホイールの採用とも相まって、実に1380kgという車両重量を実現した。これはMT搭載の911 GT3ツーリングパッケージ仕様車より40kgも軽く、現行世代の911では最軽量となる。動力性能は、0-100km/h加速が3.7秒、最高速が300km/hとアナウンスされている。

さらに外装では、展開式リアスポイラーにガーニーフラップを採用。内装ではクラシックなグリーンのポルシェカラーで仕上げられたインストゥルメントクラスターとスポーツクロノパッケージの時計が特徴となっている。シートはやはり軽量なCFRP製のフルバケットシートが標準となるが、これは無償で「4way調節機能付きスポーツシートプラス」に変更可能だ。

ハンドル位置は左右から選択可能。価格は4118万円となっている。

購入者を対象に専用の腕時計も販売

さらに911S/Tには、特別オプションとして「ヘリテージデザインパッケージ」が用意される。同オプションでは、専用エクステリアカラーの「ショアブルーメタリック」と専用ホイールリムカラーの「セラミカ」が選択可能となり、またドアに「0」から「99」までのスターティングナンバーを施したり、ホイールにデコレーティブホイールセンターキャップを取り付けたりもできる。車両リアの「Porsche」ロゴと「911 S/T」ロゴは、ともにゴールドとなる。

また、車体の各部やリモコンキーに施されるエンブレム「ポルシェクレスト」もクラシックなデザインに変更。インテリアの仕様も大きく変わり、シートセンターがクラシックコニャックにブラックのピンストライプをあしらった布製となるほか、ツートンカラー(ブラック/クラシックコニャック)のセミアニリンレザートリムや、パンチング加工が施された「Race-Tex」のルーフライニングなどが採用される。オプション価格は262万2000円だ。

さらに正規販売店「ポルシェセンター」では、911 S/Tの購入者を対象にポルシェデザインの手になる「クロノグラフ1 - 911 S/T」を特別販売する。軽量化のためにコーティングとブラスト加工を施していないチタンケースが特徴の腕時計で、ムーブメントにはCOSC認定とフライバック機能を備えたポルシェデザインの「WERK 01.240」を採用。911 S/Tのマグネシウムホイールと同じデザインのローターで作動する。価格は205万4800円となっている。

(webCG)

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