【F1 2023】第21戦サンパウロGP続報:フェルスタッペン貫禄の勝利、アロンソは0.053秒差で久々の表彰台

2023.11.06 自動車ニュース bg
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F1第21戦サンパウロGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真中央)、2位に入ったマクラーレンのランド・ノリス(同左)、3位でフィニッシュしたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ(同右)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
F1第21戦サンパウロGPを制したレッドブルのマックス・フェルスタッペン(写真中央)、2位に入ったマクラーレンのランド・ノリス(同左)、3位でフィニッシュしたアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ(同右)。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

2023年11月5日(現地時間)、ブラジルはサンパウロにあるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェで行われたF1世界選手権第21戦サンパウロGP。マックス・フェルスタッペンが年間最多勝記録に加え勝率も過去最高とし、フェルナンド・アロンソとセルジオ・ペレスの表彰台をかけた争いがレースを大いに盛り上げた。

今季6回目にして最後のスプリントで優勝したフェルスタッペン(写真中央)、2位はマクラーレンのランド・ノリス(同左)、3位はレッドブルのセルジオ・ペレス(同右)。スプリント・シュートアウト(SS)で2番手だったフェルスタッペンは、スタートでSS1位のノリスをかわしトップに立ち、今季スプリント4勝目をマークした。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
今季6回目にして最後のスプリントで優勝したフェルスタッペン(写真中央)、2位はマクラーレンのランド・ノリス(同左)、3位はレッドブルのセルジオ・ペレス(同右)。スプリント・シュートアウト(SS)で2番手だったフェルスタッペンは、スタートでSS1位のノリスをかわしトップに立ち、今季スプリント4勝目をマークした。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
スプリントに次ぎレースでも危なげない走りで優勝したフェルスタッペン(写真)。金曜日の雨がらみの予選では真っ先にコースインしトップタイムをマークしてポールポジション獲得。今季11回目は自身年間最多となる。レースでは、赤旗中断からの再開直後にノリスに迫られるも、すぐさまペースを上げて突き放し、貫禄の今季17勝目を記録した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
スプリントに次ぎレースでも危なげない走りで優勝したフェルスタッペン(写真)。金曜日の雨がらみの予選では真っ先にコースインしトップタイムをマークしてポールポジション獲得。今季11回目は自身年間最多となる。レースでは、赤旗中断からの再開直後にノリスに迫られるも、すぐさまペースを上げて突き放し、貫禄の今季17勝目を記録した。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
マクラーレンのノリス(写真上)は、フェルスタッペン(同下)に次ぐ2位フィニッシュ。予選では7位、ジョージ・ラッセルのグリッド降格ペナルティーもあって6位に繰り上がるも上位は逃した。それでもレースではスタートで2位に躍進し、無敵のフェルスタッペンを倒すことはできなかったものの、3位以降をはるか後ろに従えて今季7回目のポディウムを決めた。スプリントでも2位に入ったノリスは「パーフェクトな週末まで、あとちょっとだったね」と笑顔で語っていた。チームメイトのオスカー・ピアストリは10番グリッドからマシントラブルもあり後退し14位。スプリントでも振るわず10位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
 
マクラーレンのノリス(写真上)は、フェルスタッペン(同下)に次ぐ2位フィニッシュ。予選では7位、ジョージ・ラッセルのグリッド降格ペナルティーもあって6位に繰り上がるも上位は逃した。それでもレースではスタートで2位に躍進し、無敵のフェルスタッペンを倒すことはできなかったものの、3位以降をはるか後ろに従えて今季7回目のポディウムを決めた。スプリントでも2位に入ったノリスは「パーフェクトな週末まで、あとちょっとだったね」と笑顔で語っていた。チームメイトのオスカー・ピアストリは10番グリッドからマシントラブルもあり後退し14位。スプリントでも振るわず10位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
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今年最後のスプリントウイーク、荒天の金曜予選でフェルスタッペン最速

ブラジルでのサンパウロGPは、今シーズン最後のスプリントウイーク。レースの3分の1の距離で争うスプリントには賛否両論あるものの、「スプリントをやることでレースを予想しやすくなる」というカルロス・サインツJr.の指摘は実に的を射たものといっていい。週末のメインがレースであることに変わりはないが、その展開が前日のスプリントで読めてしまう嫌いは否めないからだ。

おまけに、今年初めてスプリントを採用したアメリカGPでは、チケット販売も従来と変わらなかったというから、興行面で効果があったかどうかもあやしい。2021年のイギリスGPから試験的に始まったスプリントについては、今年から「金曜日にプラクティスと予選」「土曜日はスプリント・シュートアウトとスプリント」「日曜日にレース」と、スプリントを独立させるかたちに変更されたが、まだまだ改善の余地が残されており、いわゆるリバースグリッドの採用やスケジュールの調整などの改善案が検討されそうである。

今季6回目の“金曜日の予選”は、トップ10グリッドを決めるQ3になると黒い雨雲がサーキットに近づき各陣営を慌てさせた。雨が降り出す前のセッション冒頭、いの一番で駆け抜けたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが最速タイムを記録すると、天候悪化を理由に4分以上を残しセッションは終了。フェルスタッペンは今季11回目、通算31回目のポールポジションを獲得した。

2位につけたフェラーリのシャルル・ルクレールの背後には、シーズン後半に調子を落としていたアストンマーティンの2台。荒れた展開に強いランス・ストロール3位、フェルナンド・アロンソは4位だった。

メルセデスのルイス・ハミルトン5位、そのチームメイトであるジョージ・ラッセルは6番手タイムだったもののピット出口で他車をブロックしたことで2グリッド降格ペナルティーを受け8番グリッド。マクラーレンのランド・ノリスが繰り上がって6位、フェラーリのカルロス・サインツJr.は7位からレースに臨むこととなった。不振が続くレッドブルのセルジオ・ペレスが9位、マクラーレンのオスカー・ピアストリは10位だった。

レース終盤を沸かせたアストンマーティンのアロンソ(写真前)と、レッドブルのペレス(同後ろ)の3位争いは、アロンソに軍配が上がった。雨がらみの予選Q3で2列目を占拠したアストンマーティン勢。荒れたコンディションで強いランス・ストロールが3位、フェルナンド・アロンソは4位からレースに臨んだ。アロンソは赤旗中断後に3位に上がると、レース後半はペレスの追い上げに防戦を強いられた。残り2周でレッドブルに抜かれたものの、最終周には抜き返して0.053秒という僅差で3位。シーズン後半に調子を落としていたアストンマーティンは、5位に終わったストロールとともに息を吹き返した。アロンソにとっては通算106回目の表彰台となり、これはプロストの記録に並ぶ歴代4位となる。なおスプリントでは、スプリント・シュートアウトでエステバン・オコンと接触したアロンソが15番手と後方からの追い上げで11位完走。アロンソ同様に17番グリッドと後ろからスタートしたストロールが12位でチェッカードフラッグを受けている。(Photo=Aston Martin)
レース終盤を沸かせたアストンマーティンのアロンソ(写真前)と、レッドブルのペレス(同後ろ)の3位争いは、アロンソに軍配が上がった。雨がらみの予選Q3で2列目を占拠したアストンマーティン勢。荒れたコンディションで強いランス・ストロールが3位、フェルナンド・アロンソは4位からレースに臨んだ。アロンソは赤旗中断後に3位に上がると、レース後半はペレスの追い上げに防戦を強いられた。残り2周でレッドブルに抜かれたものの、最終周には抜き返して0.053秒という僅差で3位。シーズン後半に調子を落としていたアストンマーティンは、5位に終わったストロールとともに息を吹き返した。アロンソにとっては通算106回目の表彰台となり、これはプロストの記録に並ぶ歴代4位となる。なおスプリントでは、スプリント・シュートアウトでエステバン・オコンと接触したアロンソが15番手と後方からの追い上げで11位完走。アロンソ同様に17番グリッドと後ろからスタートしたストロールが12位でチェッカードフラッグを受けている。(Photo=Aston Martin)拡大

スプリントでフェルスタッペン4勝目、ノリスは2位

土曜日のスプリント・シュートアウトで最速タイムを記録したのは、マクラーレンのノリス。0.061秒差でフェルスタッペンが2位、ペレス3位、ラッセル4位、ハミルトン5位、予選では不発だったアルファタウリの角田裕毅が6位につけ、ルクレール7位、アルファタウリのダニエル・リカルド8位、サインツJr.9位、ピアストリ10位の順で100kmの短期決戦を迎えた。

24周で争われたスプリント、スタート直後のターン1にトップで飛び込んだのはフェルスタッペン。大勢がソフトタイヤを履いた今回、フェルスタッペンもタイヤをマネジメントしながら、それでも後続に対してしっかりとギャップを築き、今季スプリント4勝目を飾り8点を追加した。

ノリスは2位フィニッシュ。スピードに伸びがなくオープニングラップでメルセデスのラッセルにも抜かれ3位に落ちるも、5周目にポジションを回復しチェッカードフラッグ。レースに向けて自信をつける力走を披露した。

ペレスは、スタート直後の5位から3位に戻りフィニッシュ。ラッセルは2位に上がるも、ソフトタイヤの性能劣化に苦しみ結局4位のままだった。フェラーリのルクレールが5位、そしてアルファタウリの角田が6位入賞を果たし、前戦メキシコシティGPでランキング8位に浮上したチームに3点を献上する活躍をみせた。

ハミルトンは、ラッセル同様に終盤にきてペースを落とし7位。サインツJr.は9位リカルドからの追い上げに屈することなく8位でスプリントを終え1点を加算した。

ホームレースだった前戦メキシコシティGPで自滅しクラッシュ、0周リタイアを喫していたレッドブルのペレス(写真)。悪夢のような週末から1週間後のブラジルでは、予選でこそ9位に沈むも、レースではアロンソと3位表彰台を争うなど健闘が光り、ファイナルラップでポディウムは逃したが4位入賞を果たした。ドライバーズランキング3位のルイス・ハミルトンが不調で8位に終わったこと、またスプリントでも自身が3位でゴールし6点のポイントを稼いだこともあり、ランキング2位のペレスのリードは20点から32点に拡大。レッドブル初のチャンピオンシップ1-2フィニッシュが現実味を帯びてきた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
ホームレースだった前戦メキシコシティGPで自滅しクラッシュ、0周リタイアを喫していたレッドブルのペレス(写真)。悪夢のような週末から1週間後のブラジルでは、予選でこそ9位に沈むも、レースではアロンソと3位表彰台を争うなど健闘が光り、ファイナルラップでポディウムは逃したが4位入賞を果たした。ドライバーズランキング3位のルイス・ハミルトンが不調で8位に終わったこと、またスプリントでも自身が3位でゴールし6点のポイントを稼いだこともあり、ランキング2位のペレスのリードは20点から32点に拡大。レッドブル初のチャンピオンシップ1-2フィニッシュが現実味を帯びてきた。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大
メルセデスのハミルトン(写真)は、予選5位から8位にポジションダウンしゴール。前戦メキシコシティGPでは力走を披露し2位だった7冠王者は、1週間後のブラジルで絶不調に見舞われた。「W14」は、タイヤはオーバーヒートし、ストレートでは遅く、コーナーでグリップしないという最悪の状況に陥り、トト・ウォルフ代表がドライバーに謝罪するほどの出来の悪さ。スプリントでも2台ともタイヤの性能劣化に苦しみ、ジョージ・ラッセル4位、ハミルトンは7位に終わっていた。サンパウロGP前、メルセデスは元テクニカルディレクターのマイク・エリオットの離脱を発表。グラウンド・エフェクト規定となった2022年に投入した、“ゼロポッド”と呼ばれる極小サイドポッドを採用したマシンの失敗が影響しているとみられている。ハイブリッド時代を席巻してきたシルバーアローに、往時の輝きが戻るのはいつのことになるのか。(Photo=Mercedes)
メルセデスのハミルトン(写真)は、予選5位から8位にポジションダウンしゴール。前戦メキシコシティGPでは力走を披露し2位だった7冠王者は、1週間後のブラジルで絶不調に見舞われた。「W14」は、タイヤはオーバーヒートし、ストレートでは遅く、コーナーでグリップしないという最悪の状況に陥り、トト・ウォルフ代表がドライバーに謝罪するほどの出来の悪さ。スプリントでも2台ともタイヤの性能劣化に苦しみ、ジョージ・ラッセル4位、ハミルトンは7位に終わっていた。サンパウロGP前、メルセデスは元テクニカルディレクターのマイク・エリオットの離脱を発表。グラウンド・エフェクト規定となった2022年に投入した、“ゼロポッド”と呼ばれる極小サイドポッドを採用したマシンの失敗が影響しているとみられている。ハイブリッド時代を席巻してきたシルバーアローに、往時の輝きが戻るのはいつのことになるのか。(Photo=Mercedes)拡大

ルクレールがトラブルで0周リタイア、後方のクラッシュで赤旗中断

金曜日の予選でつまずき、土曜日のスプリントで活躍したアルファタウリやマクラーレンがどこまで盛り返してくるのか。

日曜日のレースは、フォーメーションラップ中にルクレールのフェラーリが油圧系トラブルでタイヤをロックさせスピンしクラッシュ、リタイア。さらにスタート直後にアレクサンダー・アルボンのウィリアムズ、ケビン・マグヌッセンのハースらが絡むアクシデントにより早々にセーフティーカーが出動すると、2周目に赤旗が出され中断となる波乱の幕開けとなった。

上位の顔ぶれは、1位フェルスタッペン、2位に6番手からジャンプアップしたノリス、3位ハミルトン、4位アロンソ、5位ストロール。ペレスは9位から7位、さらに角田が16番手から10位に躍進していた。

およそ25分の中断を経て、4周目から再びスタンディングスタートが切られ、フェルスタッペンを先頭に、2位ノリス、3位アロンソ、4位ハミルトン、5位ラッセル、6位ペレスといったオーダーに変わる。フェルスタッペンがリードを広げる前にと、ノリスがファステストラップでレッドブルの真後ろにつけるも、チャンピオンはすぐにペースアップしてマクラーレンを突き放した。3冠王者フェルスタッペンには、最後まで隙がなかった。

隙だらけだったのはメルセデス勢だった。スプリント同様にロングランでペースが思わしくなく、4位ハミルトン、5位ラッセルの後ろは数台が数珠つなぎとなった。黒い編隊に切り込んでいったのがペレスで、14周目に5位、18周目には4位へ。ハミルトンが先にタイヤを替えると再びハミルトンがペレスの前に出たものの、23周目にレッドブルがメルセデスをオーバーテイクすると、ペレスはポディウムを目指すのだった。

トップランナーで最初にピットに入ったのが3位アロンソで、26周目にソフトタイヤからミディアムへスイッチ。28周目にはトップのフェルスタッペン、2位ノリスもこの動きにならった。最初のタイヤ交換が一巡すると、1位フェルスタッペン、2位ノリス、3位アロンソ、4位ペレス、5位ストロール。メルセデスは6位ハミルトン、7位ラッセルとタンデム走行を続けたが、最終的にラッセルは冷却系の問題で終盤にリタイア、ハミルトンは8位と、いいところなくレースを終えている。

アルファタウリの角田裕毅(写真前)は、スプリントで6位、レースでも9位と連続入賞し、この週末だけで5点を獲得した。金曜日の予選では2台そろってQ1落ちという憂き目にあったアルファタウリ勢だったが、16位の角田はトップタイムからたった0.497秒遅れであり、これは2006年にノックアウト方式の予選となって以来、Q1での最小タイム差だった。翌日に行われたスプリントでは予選での憂さを晴らすかのような好走を見せ、角田は6番グリッドから6位入賞、まずは3点をチームに献上。アルファタウリがスプリントでポイントを獲得したのは今回が初めてである。レースでは赤旗中断前に10位まで躍進、途中ドライビングミスでタイムを失うこともあったがポイント圏内に残り続け、9位でチェッカードフラッグを受けた。第19戦アメリカGPでのマシンアップデート以降、パフォーマンスを上げてきているアルファタウリは、21点でランキング8位をキープ。残り2戦で7点差の7位ウィリアムズを駆逐できるかに注目が集まる。なおダニエル・リカルドは、予選17位、決勝ではスタート直後に前車のクラッシュから飛んできたタイヤでマシンを破損するも赤旗中断中に修理し13位完走。スプリントでは9位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)
アルファタウリの角田裕毅(写真前)は、スプリントで6位、レースでも9位と連続入賞し、この週末だけで5点を獲得した。金曜日の予選では2台そろってQ1落ちという憂き目にあったアルファタウリ勢だったが、16位の角田はトップタイムからたった0.497秒遅れであり、これは2006年にノックアウト方式の予選となって以来、Q1での最小タイム差だった。翌日に行われたスプリントでは予選での憂さを晴らすかのような好走を見せ、角田は6番グリッドから6位入賞、まずは3点をチームに献上。アルファタウリがスプリントでポイントを獲得したのは今回が初めてである。レースでは赤旗中断前に10位まで躍進、途中ドライビングミスでタイムを失うこともあったがポイント圏内に残り続け、9位でチェッカードフラッグを受けた。第19戦アメリカGPでのマシンアップデート以降、パフォーマンスを上げてきているアルファタウリは、21点でランキング8位をキープ。残り2戦で7点差の7位ウィリアムズを駆逐できるかに注目が集まる。なおダニエル・リカルドは、予選17位、決勝ではスタート直後に前車のクラッシュから飛んできたタイヤでマシンを破損するも赤旗中断中に修理し13位完走。スプリントでは9位だった。(Photo=Getty Images / Red Bull Content Pool)拡大

アロンソ対ペレスの熱い3位争い、フェルスタッペン今季17勝目

2度目のピットストップのタイミングを迎え、47周目には4位ペレス、続いて3位アロンソ、さらに間を開けて57周目には1位フェルスタッペン、60周目に2位ノリスがソフトタイヤに履き替えた。

これでトップのフェルスタッペン以下、13秒差で2位ノリス、3位アロンソ、4位ペレス、5位ストロールと、事実上リザルトはこの時点で決したことになるが、ベテラン2人の表彰台をかけた熱戦が繰り広げられ、ファイナルラップまでレースを盛り上げることとなった。

3位表彰台をかけた争いは、ペレスがアロンソとの差を徐々に詰め接近戦へともつれ込む。アロンソのしたたかなディフェンスがさえわたるも、残り2周でペレスがオーバーテイクに成功。観客だけでなくアロンソ本人も「これで表彰台への夢はついえたと思った」という。

しかし2冠王者は、最終周に入ったペレスのブレーキングが遅れたことを見逃さなかった。アロンソは、ストレートの先のターン4でアウトから仕掛け見事3位を奪還。アストンマーティンのエースは、0.053秒という僅差でポディウムを勝ち取ったのだった。

フェルスタッペンは更新中の年間最多勝記録を「17」に伸ばし、通算ではアラン・プロストを抜き歴代単独4位となる52勝をマーク。次戦にもセバスチャン・ベッテルが持つ53勝に手が届くまでになった。また20戦して17勝したことで勝率を85%とし、こちらも過去最高を記録した。

ノリスは今季7回目のポディウムとなる2位。通算13回目の表彰台は、ニック・ハイドフェルドと並び未勝利ドライバーの最多タイ記録となる。また接戦を制し3位となったアロンソは、第14戦オランダGP以来となる久々のトップ3フィニッシュ。アストンマーティンはストロールも5位に入っており、シーズン後半の不調を脱する好成績でブラジルを後にした。

上々の成績で終えたのはアルファタウリも同じだ。角田は終始ポイント圏内で走行を続けた後に9位入賞。スプリントでの3点と合わせてこの週末だけで5点も獲得した。これで前戦メキシコシティGPでコンストラクターズランキング8位に浮上したアルファタウリは21点を集めたことになり、9位アルファ・ロメオには5点差をつけ、7位ウィリアムズには7点差まで詰め寄ることができたのは大きな飛躍だった。

残り2戦となった2023年シーズン、次は新顔のラスベガスGP。決勝は現地時間の11月18日、日本時間では19日日曜日の午後に行われる。

(文=bg)

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