マクラーレン750S(後編)

2024.04.04 谷口信輝の新車試乗 谷口 信輝 レーシングドライバー谷口信輝が、マクラーレンの最新スーパースポーツ「750S」に試乗。これまで多くのマクラーレンを経験してきた走りのプロが、その特徴についてリポートする。
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使えるスーパーカー

クルマのレスポンスが圧倒的に鋭く、公道ではまるで使い切れないほどパフォーマンスが優れていて刺激感も強いのに、荒々しさや恐怖感はまるでないとマクラーレン750Sを評価した谷口信輝。いったい、前作「720S」とどこがどう違っているのか。さらに詳しく語ってもらうことにしよう。
「いろいろなモードを試してみましたが、結果的にはコンフォート+コンフォート(マクラーレンはハンドリングとパワートレインのモードを個別に設定できる)が乗り心地も快適で、ピーキーさというかシャープさをほどよく抑えてくれるので、ちょうどいいと感じました。逆に言うと、それ以外のモードは、とてもじゃないけれど普通の道では要らないという感じ。これだと本当に使いやすくて、普段の足にも使えちゃいそうですね」

日ごろ、スーパーカーの使い勝手は悪いと主張することの多い谷口が、マクラーレンのことを「普段の足にも使える」と評したのは異例のことといっていい。
「最低地上高というか、フロントのチンスポイラーもまあまあ高いので、機械式駐車場を別にすれば、わりとどこにでも行けるんじゃないですか。というか、あんまり気を遣わなくて済みそうですよね。それと、これまでのスーパーカーって、走り始めちゃえばいいんだけれど、発進するときに軽いもたつきがあったりとか、逆に過敏だったりと、ナーバスなところがあったじゃないですか。それが、750Sにはまるでありません。スムーズに走りだせるし、その後もドライバーの感覚に合わない加速とかをしない。つまり、行きすぎることもなければ足りないということもなくて、欲しいぶんの加速はすぐに手に入る。しかも、ギアはスコスコって気持ちよく変わってくれる。だから、なんかレーシーなのに、普通に使えるんですよね。本当に、素晴らしいクルマですね」

 
マクラーレン750S(後編)の画像
 
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