マツダ・ロードスターRS(前編)

2024.03.31 思考するドライバー 山野哲也の“目” 山野 哲也 レーシングドライバー山野哲也が「マツダ・ロードスター」に試乗。4代目ロードスターといえばデビュー9年目にして過去最大規模の改良を受けたばかり。各所で好評の声が上がっているが、果たして山野のジャッジやいかに!?
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素性がいい!

「安定のロードスターですね」と、試乗した「マツダ・ロードスターRS」から降りてきた山野哲也の表情は明るい。レーシングドライバーとして、GLOBAL MX-5 CUP JAPANやスーパー耐久シリーズで、ロードスターのレースカーを駆って大活躍した山野である。もちろん、市販車とそれらを同一視することはできないが、「いいクルマは変わりませんね。なにより素性がいい!」と、ロードスターの、スポーツカーとしての基本コンセプトにあらためて太鼓判を押す。

「設計段階から『軽量コンパクトなオープンスポーツ』を追求していて、狙いどおりに実現している。走りのパフォーマンスにも、それが素直に表れている」と手放しの称賛ぶり。“走り”に厳しい運転職人にとって、動力面で“正しい”クルマに接するのはうれしいことなのだ。

今回取り上げるロードスターは、2024年初頭に発売されたマイナーチェンジ版。当初から高い評価が与えられたデザインの変更は最小限に抑えられ、アダプティブクルーズコントロールやブレーキアシストの進化、スマートフォンを用いたコネクティッドシステムの採用など、先進技術のキャッチアップに焦点が当てられた。一方、機械面でもLSDやステアリングのパワーアシスト、エンジンの燃費性能などがブラッシュアップされている。ロードスターとして4代目にあたる現行ND型のデビューは2015年だから、9年ぶりの大改良となったわけだ。

山野:ちょっと前の話になってしまいますが、ロードスターはフルモデルチェンジでコストダウンしなかった。個人的には、そこがちょっと意外でした。

webCG:先代のNC型が2リッター。現行NDの国内モデルは1.5リッターになりましたが、走りの質は「むしろ向上している」と評する人も多いようです。

山野:NCロードスターのサスペンションは、前がダブルウイッシュボーン、後ろがマルチリンク。実はNDに変わるとき、「もっと簡素化されるかな」と思ったんです。ロードスターの足まわりは、パーツ数が多くて構造も複雑だから。

 
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