トヨタ、オフロード四駆の「FJクルーザー」発売
2010.11.25 自動車ニューストヨタ、オフロード四駆の「FJクルーザー」発売
トヨタ自動車は2010年11月25日、オフロード4WD車「FJクルーザー」の日本導入を発表した。同年12月4日に発売する。
■アメリカで人気のSUVがついに日本上陸
「FJクルーザー」は、2006年3月にトヨタが北米向けに投入したミッドサイズのSUV。往年の「ランドクルーザーFJ40」をイメージしたレトロなスタイルや手頃な価格が受けて、かの地で人気を博しているが、日本でも関心が高まっていることから、このたび国内導入に踏み切った。
本格派オフローダーをうたうFJクルーザーは、フレーム構造のボディや車軸式のリアサスペンション、パートタイム4WD(アメリカではFRも選べる)など、街乗りSUVとは一線を画するメカニズムを採用。日本向けは、4リッターV6エンジンと5段ATを搭載する。エンジンはレギュラーガソリン仕様で、10・15モード燃費は8.4km/リッター。
価格は、ベースの「FJクルーザー」が314万円、ドアトリムがボディ同色となる「カラーパッケージ」が324万円、リアデフロックが標準装備される「オフロードパッケージ」が332万円である。
■実はメイド・イン・ジャパン
トヨタによる正式導入前から、日本でもその姿をちらほら見かけることがあったFJクルーザー。丸型のヘッドライトやポップなボディカラー、そして、レトロな雰囲気がなんとも魅力的で、日本での販売を心待ちにしていたファンは多いはずだ。
もともと北米向けに企画されたFJクルーザーだが、現地生産車のように見えて、実は日野自動車の羽村工場でつくられる、れっきとした日本車だ。「ランドクルーザープラド」をベースとし、ラダーフレーム構造やサスペンションなどの基本部分を踏襲する。
一見2ドア風のボディは、観音開きのドアを採用。ボディサイズは全長4635mm×全幅1905mm×全高1840mmと「プラド」よりもひとまわり小さく、ホイールベースも2690mmと100mm短い。
「オフロードにおける運動性能を念頭に置き、ショートオーバーハング、ショートホイールベースのディメンションを採用した」(プレスリリース)とされ、オフローダー・ディメンションは、アプローチアングル34度、ディパーチャーアングル27度、ランプブレークオーバーアングル28.5度を誇る。
■4WDはいまや少数派のパートタイム式
サスペンションは、フロントにダブルウィッシュボーン、リアはトレーリングリンク車軸式を採用。さらに、フルタイム4WD全盛のいま、パートタイム4WDを搭載。シフトレバー横には、後輪駆動(H2)、4輪駆動(H4)、ローレンジの4輪駆動(L4)を切り替える「トランスファーレバー」が備わるのも懐かしく、“本格派オフローダー”の性格を前面に押し出す格好である。
高い悪路走破性を実現するために、リアデフロックはオフロードパッケージに標準装備し、他グレードにオプション設定している。また、空転するホイールを制動することでトラクションを確保する「アクティブトラクションコントロール」は全グレードにオプション設定される。
一方、標準モデルとカラーパッケージでは、「X-リアス」が選択可能だ。これは、左右のダンパーをオイルラインで結び、中間部ユニットがロール時のエネルギーを吸収することでロール剛性と快適な乗り心地を両立するもので、ヤマハの技術が用いられている。
■街には似合わない!?
エンジンは、最高出力276ps/5600rpm、最大トルク38.8kgm/4400rpmの4リッターV6DOHC「1GR-FE」が搭載される。組み合わされるトランスミッションは5段AT。10・15モード燃費は8.4km/リッターだが、プラド同様、レギュラーガソリン仕様というのは、オーナーにはうれしい点だ。
インテリアはシンプルなデザインが特徴で、またシフトレバーやスイッチ類を大型化したり、ファブリックシートに防水・はっ水加工を施すなど、機能性にもこだわっている。横開きのバックドアにはガラスハッチが備わり、ドアを開けなくても荷室へのアクセスが可能。バックドアの奥には奥行き925mmの荷室が控えており、ダブルフォールディング式の後席を倒せば1505mmまで拡大することができる。
このように、アウトドア派にはうってつけといえるFJクルーザー。デザインだけなら街も似合うが、できれば街中ではなく、活躍するにふさわしい場所でその実力を発揮してほしいものだ。
(文=生方聡)
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