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第1回:「ルノー・メガーヌR.S.ウルティム」で遺失物回収の旅へ 標高1600mの高みを目指す

2024.11.08 ルノー・メガーヌR.S.日常劇場 藤沢 勝
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心の忘れ物

以前にワイン色の「カングー ヴァリエテ」で長野県塩尻市までワインを買いに行ったことをリポートしたが、下調べを怠ったために近所の景勝地である高ボッチ高原に行きそびれてしまった(参照)。今回はそのリベンジである。

カングーでの旅もよかったが、今回は同じルノーでも「メガーヌR.S.ウルティム」をチョイスした。熱心な読者の皆さんにとっては耳にタコの話だと思うが、ルノー・スポールが手がけた最後のモデルであり、世界で1976台のみの限定車である。幸いなことにわが国にはまだ若干の在庫があるようだ。

この日のスケジュールは真っ白、メガーヌR.S.ウルティムはすてきなオレンジ色。ただし天気予報によると長野県中央部の空はドブネズミ色、どころか昼前には雨になるらしい。そういうわけで心の忘れ物を回収するため、高ボッチ高原に向けて出発したのは早朝2時すぎのことだった。

中央道を西へ向かう。オレンジのメガーヌR.S.ウルティムは闇を切り裂いて走る。それにしてもこの1.8リッター4気筒ターボはパワフルで、ずっと上り基調の道のりでも余裕をもった走りが可能である。1.8リッターで最高出力300PS、最大トルク420N・mは相当頑張っているはずだが、低回転域でも苦しさを感じさせず、踏めば即応するところが頼もしい。足まわりはいくらかソリッドで、ジョイントなどを勢いよく越えると多少弾むような挙動を見せる。ただし収束は速く、いつまでも揺すられるようなことはない。エンジンもシャシーもさすがルノー・スポールというべき元気いっぱいの仕上がりといえるだろう。

「ルノー・メガーヌR.S.ウルティム」で旅に出た。「カングー ヴァリエテ」で行けなかった高ボッチ高原を目指す。
「ルノー・メガーヌR.S.ウルティム」で旅に出た。「カングー ヴァリエテ」で行けなかった高ボッチ高原を目指す。拡大
シフトセレクターの前方にシリアルナンバー入りのプレートが付いている。この車両は「0007/1976」だ。
シフトセレクターの前方にシリアルナンバー入りのプレートが付いている。この車両は「0007/1976」だ。拡大
9スピーカー+サブウーファーのBOSEのサウンドシステムも付いている。音の広がりはなかなかよい。
9スピーカー+サブウーファーのBOSEのサウンドシステムも付いている。音の広がりはなかなかよい。拡大
RECAROのシートはサイズがたっぷりとしたバケット形状。リクライニングが可能だ。
RECAROのシートはサイズがたっぷりとしたバケット形状。リクライニングが可能だ。拡大
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ワインディングロードではあるけれど……

高ボッチ高原に向かうにはいくつかのルートがあるが、今回は岡谷ICを降りた先から高ボッチスカイラインに乗り入れた。地図をご覧いただけば分かるとおり、見事なまでのワインディングロードである。ここで自慢の4輪操舵システム「4コントロール」を心ゆくまで試してみようという腹づもりである。

高ボッチスカイラインは確かにワインディングロードではあるのだが、思っていたのとはちょっと違った。どちらかといえば舗装してある林道というべき道で、何しろ狭い。それにどこまで行っても木々がうっそうと茂っており、スカイラインとは? という気持ちになる。分け入つても分け入つても青い山だ。対向車とのすれ違いや野生動物の飛び出しなどの不安と格闘しつつ、とにかく上を目指す。日の出が近い。

道幅は狭いところでは3.1mしかないらしい。ところどころに落石などもあるのでスピードは出せないが、ここをメガーヌR.S.ウルティムで上るのはなかなか楽しい作業である。先に書いたとおりエンジンのレスポンスがよく、4コントロールのおかげで操舵は軽快だ。近年になって復権している4輪操舵だが、全長4.4m級のFF車への搭載はほとんど例がない。極めてぜいたくな装備である。

高ボッチスカイラインはこんな感じ。車外に出ての撮影も考えたが、クマが怖いので自重した。
高ボッチスカイラインはこんな感じ。車外に出ての撮影も考えたが、クマが怖いので自重した。拡大
これは帰り道に出会ったサル(群れだった)。上りはシカの群れと何度も遭遇した。
これは帰り道に出会ったサル(群れだった)。上りはシカの群れと何度も遭遇した。拡大
山頂近くの高ボッチ牧場にいた牛。毛ヅヤのよさが印象的だった。
山頂近くの高ボッチ牧場にいた牛。毛ヅヤのよさが印象的だった。拡大

周囲360度の景色

草競馬場や牧場の脇を抜けて高ボッチ高原の展望台に着いたのは6時ちょうどのこと。多少の雲はあるものの、見事な朝日がメガーヌR.S.ウルティムと私を迎えてくれた。眼下には雲海が広がっている。まさに心が洗われる思いであり、これぞ悠久の眺めといえるだろう。

高ボッチスカイラインはこの先も続いており、キャンプ場のある第2駐車場から歩いて10分で標高1665mの高ボッチ山の頂上まで行ける。ここからは周囲360度の景色が楽しめる。霧で真っ白ではあったものの、心の忘れ物はここできっちりと回収した。さらに進めば標高1929mの鉢伏山に挑むための山荘があるが、メガーヌR.S.ウルティムの245/35R19のタイヤでは不安な路面だったのでここで引き返した。ちなみにこのあたりまで来ると眺めは立派なスカイラインである。

飼い葉に集まる牧場の牛を見学していたら雨が降ってきたので、山を下りることにした。対向車などに細心の注意が必要なのは上りと変わらないが、ドライブの楽しさも変わらない。燃料計にも細心の注意を払いつつ、遺失物回収の旅は幕を閉じたのだった。

(文と写真と編集=藤沢 勝/車両協力=ルノー・ジャポン)

高ボッチ高原の展望台には6時ちょうどに到着。早起きしたかいがあったと思わせる美しい日の出だ。
高ボッチ高原の展望台には6時ちょうどに到着。早起きしたかいがあったと思わせる美しい日の出だ。拡大
頂上から下を見ても美しい。ふもとに諏訪湖があるため、雲海が出現しやすいらしい。
頂上から下を見ても美しい。ふもとに諏訪湖があるため、雲海が出現しやすいらしい。拡大
高ボッチ山の山頂で。風化の具合と傾き、霧の感じが相まっておどろおどろしい感じになってしまった。
高ボッチ山の山頂で。風化の具合と傾き、霧の感じが相まっておどろおどろしい感じになってしまった。拡大
鉢伏山に向かう途中で。ようやく景色が開け、スカイラインと呼ぶにふさわしい感じになった。
鉢伏山に向かう途中で。ようやく景色が開け、スカイラインと呼ぶにふさわしい感じになった。拡大
藤沢 勝

藤沢 勝

webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。

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