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第2回:ワインを求めてワイン色の「カングー」で旅に出た

2024.04.25 ルノー・カングー日常劇場 藤沢 勝
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webCGにとっての日常

立体駐車場の扉が開き、姿を現したのはあずき色の「ルノー・カングー」だった。新型にこんなボディーカラーあったっけ? と調べたところ、どうやら2024年2月22日に発売された限定車「ヴァリエテ」のようだ。

ボディーカラーはあずき色ではなく「ルージュカルマンM」。ワインの産地として世界的に有名なボルドーのぶどう畑をイメージしたという赤だ。ぶどう畑というよりもボルドーのワインの色ではないかとは思うが、いずれにしても深みのある美しい赤である。

それならワインの産地に行ってみようという極めて安直な行動が、今回の「カングー日常劇場」である。「勤務中にワインを買いに行くのがお前らにとっての日常なのか?」というご意見があるとは思うが、「バカンスの国」からやってきた自動車でもあることですし、ひとつ大目に見てやっていただきたい(私を)。

私が目指したのは長野県塩尻市にある桔梗ヶ原ワインバレーと呼ばれる一帯である。もともとぶどうの産地であった長野県がワイン産業をさらに推進すべく「信州ワインバレー構想」を打ち上げたのが2013年。桔梗ヶ原ワインバレーとともに「日本アルプスワインバレー」「千曲川ワインバレー」「天竜川ワインバレー」を特区として指名した。2013年時点では県内に25場だったワイナリーは、現時点で71場にまで増えているという。

長野県塩尻市にある林農園のワイン直売所で。今回は筆者の単独行のため、本文の時系列と写真がまったくかみ合わないのが申し訳ない。
長野県塩尻市にある林農園のワイン直売所で。今回は筆者の単独行のため、本文の時系列と写真がまったくかみ合わないのが申し訳ない。拡大
直売所の店内。訪問したのが平日で、しかも朝9時の開店と同時に入店したため、ほかのお客は誰もいなかった。ワインだけでなくぶどうジュースなども売っている。
直売所の店内。訪問したのが平日で、しかも朝9時の開店と同時に入店したため、ほかのお客は誰もいなかった。ワインだけでなくぶどうジュースなども売っている。拡大
お店の方のおススメのひとつだった「塩尻ブラッククイーン」。酸味がとても強く、ちょっと癖になる味わいだった(もちろん帰ってから飲みました)。
お店の方のおススメのひとつだった「塩尻ブラッククイーン」。酸味がとても強く、ちょっと癖になる味わいだった(もちろん帰ってから飲みました)。拡大
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これが本当にカングーか?

本当は東京にある編集部からはワインの生産量1位の山梨県(長野県は2位らしい)のほうが近い。長野県まで足を延ばしたのは、長くドライブしたかったのと、私が長野県出身のため、テロワールが一緒のほうがマリアージュがよかろうという判断ゆえである。

そういうわけでカングー ヴァリエテの針路を西へ。パワーユニットは1.3リッターの4気筒ガソリンターボエンジンで、ヴァリエテにはディーゼルの選択肢はない。別の機会に乗ったSOHC 8バルブの1.5リッターディーゼルにも取り立てて不満はなかったが、やはりこの1.3リッターは最新世代だけあって本当によく走る。停止状態からのダッシュ力は(本当に)目の覚めるような鋭さで、乗るクルマを間違えたのではないかと、クルマを止めて「ケーエーエヌジーオーオー、よしカングーだ!」と思わずバッジを確認してしまったほどだ(ウソ)。

東京から中央道を長野方面に向かうと、道のりは基本的にずっと上りである。勾配がきついところで追い越しをかけるなどすると小排気量ゆえの線の細さを感じることがあるが、そういうときはダッシュボードの「DRIVE MODE」スイッチを1度だけ押し込めばいい。モードが「Perfo」に切り替わって回転数が上がり、走りにゆとりが生まれる。

中央道を塩尻ICで降りると、待ち構えていたのは雪をかぶった北アルプスの峰々だった。4月中旬のこの日は都内をはじめとした各地で桜が満開だったはずだが、いかに南寄りの地域とはいえ、長野県はまだまだ寒い。アルプスと向かい合うようになだらかな傾斜地が広がり、多くの場所にぶどうの木が植えられている。

アルプス展望しののめのみちという道路沿いで。奥には北アルプスが、手前にはぶどう畑が広がっている。
アルプス展望しののめのみちという道路沿いで。奥には北アルプスが、手前にはぶどう畑が広がっている。拡大
この「カングー」は2024年2月22日に150台の台数限定で発売された特別仕様車「ヴァリエテ」。ボディーカラーの「ルージュカルマンM」が抜けるような青空によく映えている。
この「カングー」は2024年2月22日に150台の台数限定で発売された特別仕様車「ヴァリエテ」。ボディーカラーの「ルージュカルマンM」が抜けるような青空によく映えている。拡大
こちらが筆者の戦利品。ワインが3本と、写真左のコーヒーも買った。コーヒー豆を林農園産のブランデーに漬けてから焙煎しているという(アルコール成分はない)。
こちらが筆者の戦利品。ワインが3本と、写真左のコーヒーも買った。コーヒー豆を林農園産のブランデーに漬けてから焙煎しているという(アルコール成分はない)。拡大

先進運転支援装備の世話になる

目的地に設定したのは「五一(ごいち)ワイン」を醸造する林農園。桔梗ヶ原ワインバレーでも老舗中の老舗であり、1919年からワインを手がけている。長野県ではテレビCMを見たことがあるし、何よりも敷地内のワイン直売所が朝9時にオープンするのである。

スムーズに移動しようと朝6時前に出発したため、9時ちょうどに到着。もちろん先客は誰もおらず、店内は貸し切りだ。スタッフが味わいの違いを丁寧に説明してくれたこともあって、ワインを3本も買い込んでしまった。

目の前には(日本)アルプス、広がるぶどう畑。乗っているのがカングー、その車内にはワインボトルとなると、だんだんとフランスにいるような心持ちになってくる。フランスに住んでいてもここまで条件がそろうことはめったにないはずだ。思わず右車線を走りそうになるが、新しいカングーにはレーンセンタリングアシストやエマージェンシーレーンキープアシストが付いているので事なきを得た。

本当は周囲360度の眺望が楽しめるという高ボッチ高原にも行きたかったのだが、4月下旬まで道路が閉鎖されていたために断念。下調べを怠ったために仁和寺にある法師のようになってしまったのは残念だが、代わりに峠を越えて長野県の東側に移動。上信越道~関越道を走って帰った。結果的に500km余りのドライブになったが、体への負担がまるでなかったのはさすがカングーといえるだろう。まあ、遊んでいただけなんですが。

(文と写真と編集=藤沢 勝)

高ボッチ高原に向かうワインディングロードの途中で。少し先に進んだところに「冬季閉鎖中」の看板を発見して引き返した。
高ボッチ高原に向かうワインディングロードの途中で。少し先に進んだところに「冬季閉鎖中」の看板を発見して引き返した。拡大
高ボッチ高原までの道のりをマップで。「カングー」で走ったらさぞ楽しかろうと思ったのだが、今回はかなわず。次回の課題としたい。
高ボッチ高原までの道のりをマップで。「カングー」で走ったらさぞ楽しかろうと思ったのだが、今回はかなわず。次回の課題としたい。拡大
高ボッチ高原行きをあきらめたため、峠を越えて長野県の東側に移動。上信越道~関越道と進んで編集部に帰った。
高ボッチ高原行きをあきらめたため、峠を越えて長野県の東側に移動。上信越道~関越道と進んで編集部に帰った。拡大
藤沢 勝

藤沢 勝

webCG編集部。会社員人生の振り出しはタバコの煙が立ち込める競馬専門紙の編集部。30代半ばにwebCG編集部へ。思い出の競走馬は2000年の皐月賞4着だったジョウテンブレーヴと、2011年、2012年と読売マイラーズカップを連覇したシルポート。

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