スズキ・ジムニーXC(後編)

2024.11.28 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 「スズキ・ジムニー」はなぜこれほどモテるのか? そして、同モデルの独り勝ちとなっている“小型の本格クロカン”市場はどうなっていくのか? 車両開発のプロである多田哲哉さんが語る。
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古くさいのが魅力的

現在は高原の山暮らしで“軽トラ”の4WDを日常のアシに使う多田さんも「機会があれば、ぜひ欲しい」と明言するジムニー/ジムニーシエラ(以下、ジムニー)。しかし、「いつまでたっても平均1年以上待ちなんですね……」と多田さんは指摘する。

湖西工場におけるジムニーの生産能力も、今は現行型発売当初の約2倍にまで引き上げられて、インドでの生産も始まったが、納期に少しでも余裕が出ると、すぐにオーダーも増えるらしく、納期はなかなか短縮しない。

「フレーム付きで前後リジッドサスペンション。古くさいというほかないですが、それがいいんだと思います」

「こんなこと言っては元も子もないですが、今のクルマはしつけが良すぎて、どれに乗ってもあまり変わらないのも正直なところ。でも、『ランクル』もそうですが、こういうのに乗ると『これっていつの時代のクルマ?』と逆に新鮮です」

ジムニーと同じく独立ラダーフレーム+前後リジッドのランクル=「ランドクルーザー“70”」は1980年代から連綿とつくり続けられているにすぎない(?)が、現行ジムニーは2018年にほぼ全身が新開発された最新ハードウエアなのだ。例えば、パートタイム4WDの切り替えも、先代でせっかく電動式に刷新したのに、現行型ではわざわざマニュアル式に戻された。これもユーザーの声に応えた結果だ。

「その気持ちはよくわかります。そういうマニアックなユーザーがジムニーの歴史をつくってきたのでしょう」

 
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