クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

詳細は2025年後半に明らかに 日産が国内向けに導入する新型の大型ミニバンの正体とは!?

2025.04.02 デイリーコラム 世良 耕太
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

詳細は2025年後半に明らかに

日産自動車は2025年3月25日、日産テクニカルセンター(神奈川県厚木市)に内外のメディアやジャーナリストを集め、「ターンアラウンドの取り組みに関する説明会」を行った。「強固で持続可能な地盤を築き、収益性を向上する」ための策を説明したわけだが、要するに、「不振に陥った事業を立て直すためにタマを仕込んでいる。だから日産は大丈夫」とアピールするのが狙いである。

説明会では2025年度以降に投入する主要モデルが地域別に発表された。日本向けには2025年度に3代目となる新型「リーフ」を投入。これ以外にも「多様な新型車とマイナーチェンジ車」を投入する。さらに、2026年度には第3世代の「e-POWER」を搭載した「新型大型ミニバン」を投入するという発表があった。

表現をぼやかしているが、他に該当するモデルは見当たらず、新型大型ミニバンは次期「エルグランド」を指すとみて間違いない。「詳細は今年後半に発表する予定」としているが、可能な範囲で新型エルグランドの中身を想像してみよう。

3代目にあたる現行エルグランドは2010年にデビューした。車台はルノーと共用するエンジン横置きベースのDプラットフォームで、同じプラットフォームを採用する車種に日産の「ムラーノ」(Z51、Z52:2014年~)と「ティアナ」(J32、L33:~2020年)、「ルノー・ラグナ」(3代目:~2015年)などがある。こう言ってはなんだが、だいぶ古めかしい。ボディーサイズは全長×全幅が4975mm×1850mmで、トヨタの「アルファード/ヴェルファイア」とオーバーラップする。3列シートを備えた7人/8人乗りの、国産では立派な体格を持つミニバンだ。

日産が2025年度の国内投入を発表した新型「日産リーフ」。クロスオーバースタイルに生まれ変わる。
日産が2025年度の国内投入を発表した新型「日産リーフ」。クロスオーバースタイルに生まれ変わる。拡大
欧州向けにはコンパクトカー「マイクラ」の新型も投入。ルノーとの協業で生産される電気自動車だ。
欧州向けにはコンパクトカー「マイクラ」の新型も投入。ルノーとの協業で生産される電気自動車だ。拡大
日産 エルグランド の中古車webCG中古車検索

第3世代のe-POWERを搭載

現行エルグランドのエンジンはVQ35DE型の3.5リッターV型6気筒自然吸気と、QR25DE型の2.5リッター直列4気筒自然吸気の2種類。いずれもトランスミッションはCVTとの組み合わせ。電動デバイスとの組み合わせはなく、エンジン単独で走る。カタログ燃費を確認して驚いたが、WLTCモード燃費は3.5リッター版が8.7km/リッター(2WD)、2.5リッター版は10.0km/リッター(2WD)である。15年前の燃費レベルを知る思いだ。

新型エルグランド(と決めつけて話を続けるが)には、第3世代のe-POWERが搭載される。ことパワートレインに関しては、一足飛びどころか三段跳びの大躍進だ。エンジンはe-POWER専用に開発した1.5リッター3気筒自然吸気を搭載(気筒数と吸気方式は想像。以下、想像を交えながら記述)。組み合わせる電動トランスアクスルは、モーター、ジェネレーター、インバーター、モーターと組み合わせる減速機、ジェネレーターと組み合わせる増速機を一体化した5 in 1の次世代ユニットとなる。

エンジンと電動ユニットを次世代品とすることで、効率は大幅に向上。日産の説明によれば、(苦手とされてきた)高速燃費は第2世代e-POWER比で最大15%向上させるべく開発を進めているという。第2世代の高速燃費が16.0km/リッターだとしたら、第3世代は18.4km/リッターに向上するイメージだ。第3世代e-POWERは静粛性も高まっているというから、動力・燃費性能に加え快適性に関しても、最大のライバルと目されるアルファード/ヴェルファイアと同じ土俵で勝負できるようになるだろう。

現行型「エルグランド」は2010年に発売。毎年のように細かな改良を加えられているが、いろいろと古くさくなってきたのは間違いない。
現行型「エルグランド」は2010年に発売。毎年のように細かな改良を加えられているが、いろいろと古くさくなってきたのは間違いない。拡大

デザインもグッとモダンに進化

現行エルグランドの4WDは、プロペラシャフトと電子制御カップリングユニットで構成するコンベンショナルな機械式である。新型は「セレナ」に適用されているのと同じ「e-4ORCE」になるはずだ。すなわち、前輪と後輪の機械的な結合はなし。リアに高出力のモーター(セレナの場合は60kW)を搭載し、フロントのモーターと連動させて4WDを成立させる。

e-4ORCEの特徴は、前後2基のモーターと左右のブレーキを統合制御することで4輪の駆動力を最適化できること。旋回時のロールや加速・減速時のピッチを抑えることが可能で、頭や体の揺れが抑えられ、ドライバーだけでなくすべての乗員が恩恵にあずかれる(快適だし、酔いにくくもなる)。旧態依然とした現行エルグランドに比べれば、やはり三段跳びの進歩である。

エクステリアのデザインは説明会で公開された新型リーフがヒントになる。角を丸めた四角を反復させたライティンググラフィックを持つフロントマスクやリアのデザインは、2021年12月に発表された「チルアウト・コンセプト」が元になっているのは明らか。となると、次期エルグランドのデザインを示唆するのは、2023年の「ジャパンモビリティショー」で公開された「ハイパーツアラー」という推察が成り立つ。

新型エルグランドは、シャープなキャラクターラインとエッジの効いた面で構成され、新型リーフと同イメージのライティンググラフィックを組み合わせてくるはず。パワートレインと同様、三段跳びでモダンになる予感がする。室内の機能や装備にもサプライズがあるだろうか。詳細の発表を楽しみに待ちたい。

(文=世良耕太<Kota Sera>/写真=日産自動車/編集=藤沢 勝)

電動4輪制御機構の「e-4ORCE」は「セレナ」(写真)や「エクストレイル」にも搭載されている。
電動4輪制御機構の「e-4ORCE」は「セレナ」(写真)や「エクストレイル」にも搭載されている。拡大
2023年の「ジャパンモビリティショー」で日産が公開したコンセプトカー「ハイパーツアラー」。全固体電池搭載の電気気自動車という設定だった。
2023年の「ジャパンモビリティショー」で日産が公開したコンセプトカー「ハイパーツアラー」。全固体電池搭載の電気気自動車という設定だった。拡大
デイリーコラムの新着記事
デイリーコラムの記事をもっとみる
関連キーワード
関連サービス(価格.com)
新着記事
新着記事をもっとみる
車買取・中古車査定 - 価格.com

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。