スバル・クロストレック プレミアムS:HEV EX(後編)

2025.06.12 あの多田哲哉の自動車放談 多田 哲哉 ハイブリッドが得意なトヨタの出身である多田さん。スバル初のストロングハイブリッド搭載車である「クロストレック プレミアムS:HEV」に試乗して、どんなところが気になった?
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ボクサーエンジンの宿命

トヨタの技術を活用したスバル初のストロングハイブリッド「S:HEV」を搭載したクロストレック。そのエンジンルームを見ながら、「エンジンが縦置きだからか、意外とすんなりおさまっていますね」と多田さん。

「パワートレインとしての感触は、エンジンのフィーリングはまさにスバルの“ボクサー4”ですし、ハイブリッドの出力の出し方なども問題はありません」

「ハイブリッドの一番イヤな瞬間は、エンジンがかかる時です。メルセデスなどは、そのためにわざわざ始動がスムーズな直列6気筒エンジンを復活させたのではないか……と私は思っているくらいです」

確かに、この連載が始まったばかりのころ、「メルセデスAMG GT53 4MATIC+」の回で、多田さんはそう指摘していた。

「ボクサーエンジンも一般的には振動が少なくて、ハイブリッドに合うんじゃないかというイメージがあるかもしれません。でも、実際にエンジンがかかる瞬間は、ボクサーという名前から想像されるような一定の振動があって、そうした“乗り移り”の部分では、独特の微振動が残っています。そこは正直、あまりいい印象ではありません」

こうして話を聞いている私個人は、多田さんが前編で指摘した回生協調ブレーキも、このパワートレインについても、十二分に洗練された感触と思うのだが、あの初代「プリウス」の開発の苦労や、その後の進化を目のあたりしてきた多田さんだけに、見る目は厳しい。

 
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