アストンマーティンが最高出力680PSの「ヴァンテージS」をグッドウッドで初披露
2025.07.09 自動車ニュース![]() |
英アストンマーティンは2025年7月9日、FRスポーツカー「ヴァンテージ」の高性能進化版「ヴァンテージS」を発表した。2025年の第4四半期にデリバリーを開始する予定。
今回発表されたアストンマーティン・ヴァンテージSは、フロントミドに搭載する4リッターV8ツインターボの出力を668PSから680PSに引き上げ、「S」の称号にふさわしい改良をシャシーや内外装に施したと紹介されるモデルだ。
ヴァンテージSでは「ビルシュタインDTXアダプティブダンパー」のチューニングとソフトウエアのキャリブレーションによってステアリングレスポンスとドライブフィールを向上させる一方で、リアスプリングエイドの剛性を下げて圧縮と反発のバランスをとり、低速走行時の乗り心地を改善。また、トランスミッションマウントの剛性を10%引き下げてボディーとシャシーに対するパワートレインの動きをコントロールできるようにし、車両の動きを路面に調和させてさらなる洗練をもたらすという。
リアサブフレームはラバーブッシュを介さず直接ボディーにマウントすることで、ダイレクト感とステアリングフィールが向上。ハードウエアおよびソフトウエアに対するこれらの変更から得られる相乗効果を最大化するため、サスペンションのキャンバー、トー、キャスターの各設定も見直された。
エクステリアでは、新しくボンネットの中央に装着されたブレードが、デザイン上のポイントとなる。グロスブラック仕上げまたは2×2ツイルカーボンファイバー仕上げで、より主張の強いデザインとなっているだけでなく、V8エンジンが発する熱の放出にも役立っている。
フロントフェンダーの「S」のバッジは、一つひとつが手づくりされた真ちゅう鍛造品。赤のエナメルガラスを充塡(じゅうてん)した「S」ロゴのフレームは、顧客が選択したウイングバッジの色に合わせ、ブライトクローム加工またはダーククローム加工が施される。
リアデッキリッドスポイラーの採用もヴァンテージSの特徴で、その役割は視覚要素にとどまらず、最高速度域でリアのダウンフォースを44kg増加させるという。また、新しく追加されたフロントのエアダムとベンチュリベーンを含むアンダーボディーの改良によって67kgのダウンフォース増加も実現。トップスピードレンジにおける全体のダウンフォース増加は111kgと発表されている。
赤の差し色の入ったサテンブラック仕上げの「21インチYスポークホイール」が選択できるものヴァンキッシュSの特徴だ。
インテリアでは、「S」のロゴ刺しゅうやウイングの刺しゅうが採用されたシートが目を引く。ドライブモードを選択するためのローレット加工が施された金属製ロータリースイッチはレッドまたはシルバーの陽極酸化仕上げを選べ、このスイッチの色はシートベルト、コントラストウェルト、コントラストステッチ、ヘッドレストの刺しゅうともコーディネートが可能だ。
セミアニリンレザーのみ、またはセミアニリンレザーとアルカンターラの組み合わせで展開される「Inspire Sport」インテリアも選択できる。
同モデルは、2025年7月10日~13日に開催される英国の自動車イベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で初披露される。
(webCG)