ホンダが陸・海・空に加えて宇宙のモビリティーを出展【ジャパンモビリティショー2025】

2025.10.29 自動車ニュース 今尾 直樹
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!
BEV「ホンダ0シリーズ」の第3弾として「ジャパンモビリティショー2025」の会場で世界初公開された「ホンダ0アルファ」。
BEV「ホンダ0シリーズ」の第3弾として「ジャパンモビリティショー2025」の会場で世界初公開された「ホンダ0アルファ」。拡大

本田技研工業は2025年10月29日、「ジャパンモビリティショー2025」(会期:11月9日まで)の会場でプレスカンファレンスを開催。同社取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏が登壇し、BEVのコンセプトカーや市販予定車など、出展車両を発表した。

「ジャパンモビリティショー2025」のホンダブースで出展車両を紹介した本田技研工業の取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏。
「ジャパンモビリティショー2025」のホンダブースで出展車両を紹介した本田技研工業の取締役 代表執行役社長 三部敏宏氏。拡大
2025年6月に北海道大樹町で離着陸実験を行った「ホンダ・サステナブルロケット」。ホンダブースには実際の実験機が展示されている。
2025年6月に北海道大樹町で離着陸実験を行った「ホンダ・サステナブルロケット」。ホンダブースには実際の実験機が展示されている。拡大
北米で展開されるアキュラブランドの次世代BEV「アキュラRSX プロトタイプ」。次世代EVプラットフォームと独自のビークルOS「ASIMO OS」を採用している。
北米で展開されるアキュラブランドの次世代BEV「アキュラRSX プロトタイプ」。次世代EVプラットフォームと独自のビークルOS「ASIMO OS」を採用している。拡大
新型電気自動車「スーパーONE プロトタイプ」。市販モデルは2026年に発売を予定している。
新型電気自動車「スーパーONE プロトタイプ」。市販モデルは2026年に発売を予定している。拡大
軽規格のBEV「N-ONE e:」にオーバーフェンダーを貼り付けた「スーパーONE プロトタイプ」の姿は、ブルドッグと呼ばれたかつての「シティ ターボII」を想起させる。
軽規格のBEV「N-ONE e:」にオーバーフェンダーを貼り付けた「スーパーONE プロトタイプ」の姿は、ブルドッグと呼ばれたかつての「シティ ターボII」を想起させる。拡大
24年ぶりの復活となった新型「ホンダ・プレリュード」。発売から1カ月の受注台数は、月販目標である300台の約8倍となる2400台に達したと発表されている。
24年ぶりの復活となった新型「ホンダ・プレリュード」。発売から1カ月の受注台数は、月販目標である300台の約8倍となる2400台に達したと発表されている。拡大
ベトナムの報道関係者が熱い視線をおくっていたEVバイクのプロトタイプ「EV OUTLIER CONCEPT(アウトライアー コンセプト)」と「EV Urban Concept(アーバン コンセプト)」。
ベトナムの報道関係者が熱い視線をおくっていたEVバイクのプロトタイプ「EV OUTLIER CONCEPT(アウトライアー コンセプト)」と「EV Urban Concept(アーバン コンセプト)」。拡大
新開発のBEV専用アーキテクチャーをベースに開発された「ホンダ0シリーズ」のフラッグシップモデル「ホンダ0サルーン プロトタイプ」。
新開発のBEV専用アーキテクチャーをベースに開発された「ホンダ0シリーズ」のフラッグシップモデル「ホンダ0サルーン プロトタイプ」。拡大

「The Power of Dreams(ザ・パワー・オブ・ドリームス)」を掲げるホンダブースは、陸・海・空・宇宙にわたる同社のモビリティーを展示。船外機や「ホンダジェット・エリートII」の実物大モックアップには驚かなかったけれど、北海道での実験に成功した再使用可能ロケットの展示には、ホンダの次なる夢のスケールの大きさを感じ、筆者はちょっと感動した。

着座型電動ハンズフリーパーソナルモビリティー「UNI-ONE(ユニワン)」に乗って現れた三部社長は、スピーチで「ロケット開発を今後も続ける」と明言。ぜひ、イーロン・マスクの「スペースX」より優れたロケットをつくってほしい。宇宙船にHマークが付いているなんてステキだ。

四輪車部門での目玉は「ホンダ0シリーズ」3兄弟である。すでに発表済みの「0サルーン プロトタイプ」と「0 SUV」に次ぐ第3弾として、「0 α(アルファ)」が世界初公開された。かつての「HR-V」をちょっと思わせる都市型SUVの提案で、量産モデルは2027年から日本やインドをはじめ、グローバルでの販売を予定している。

0アルファが0シリーズのゲートウェイモデルに位置づけられる。ということは0 SUVの簡素版であることが想像される。ホンダブースにはインドからのジャーナリストとおぼしきひとたちが目立っていたのは、この0アルファが目的だったのかもしれない。

「これら0シリーズの、3つのラインナップを日本市場で2027年度中にお届けする」という三部社長のスピーチにも、ちょっと驚いた。コンセプトカーそっくりそのまま……ではないにせよ、これらに近いデザインのBEVが街を走りはじめたら、日本の景色は間違いなく変わることだろう。

世界初公開はもう1台ある。「Super-ONE Prototype(スーパーONE プロトタイプ)」がそれだ。軽規格のBEV「N-ONE e:」にオーバーフェンダーを貼り付けた姿はブルドッグと呼ばれた「シティ ターボII」を思わせて、ほほ笑ましい。パワーユニットの性能を最大限に引き出すとともに、仮想有段シフト制御とアクティブサウンドコントロールシステムを連動させる専用開発の「BOOSTモード」が目玉で、なんと2026年から日本を皮切りにアジア各国、英国など小型BEVニーズの高い地域で発売するという。日本では軽の枠を超えるところが悩ましいかもしれないけれど、それはそれで興味深い。

BEV関連ではもう1台、北米向けの「アキュラRSX プロトタイプ」も展示されている。これも反響次第では国内で販売する可能性もあるという。

ホンダブースにはベトナムの報道関係者もツアーでいらっしゃっていた。彼らはEVバイクのプロトタイプ「EV OUTLIER CONCEPT(アウトライアー コンセプト)」と「EV Urban Concept(アーバン コンセプト)」に熱い視線をおくっていた。

冷静になってみると、三部社長のもと、ホンダのEVシフトは揺るぎないように感じた。EVもいい。宇宙もいい。でも、ホンダにはやっぱり内燃機関の夢も追ってほしい。というのは年寄りの夢、過去の夢……わかっちゃいるけど、つい書いてしまいました。

(文=今尾直樹)

関連キーワード:
プレリュード, ホンダ, ジャパンモビリティショー2025, 電気自動車, 自動車ニュース