番外編:バイパーと夏の涼
2026.07.27 バイパーほったの ヘビの毒にやられまして 拡大 |
今日もガソリンを鯨飲し、CO2をバラまいて走るwebCG編集部員の「ダッジ・バイパー」。この超大排気量・傍若無人マシーンの、唯一(?)の弱点といえば不調のエアコンだ。迫る炎夏に立ち向かうべく、怠惰なオーナーが放置していた冷房の復活に挑む。
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今やすっかり健康体?
どうもこんにちは。東京の片隅で、バイパーなんて傾(かぶ)いたクルマに乗っているwebCG堀田です。前回の更新から半年も経ているのだから、知らない方もおられましょう。そうした方はお見知りおきを。そしてご存じの方は、どうせ「もう手放したんじゃない?」とか思ってんでしょうから言っておきます。まだ持ってるよ。なんならここに、自動車税の納税証明書を貼ったっていい。てか貼ります(本稿写真参照)。
さて、前回の更新から半年ですから(本日2回目)、その間にいろんなことがありましたとも。助手席のウィンドウモールがもげたり、ハザードランプのリレーがぶっ飛んだり、ついに運転席のシートが裂けたりしましたが、私は元気です。あとはやっぱり、なんといっても車検。わが家に来て恐らく5度目の車検だが、前回に続き、今年も税金・手数料込み20万円ちょっとで済んだ。上述のリレートラブルがなければ、コミコミ20万円を切っていたぐらいだ。いやはや。2022年にもろもろ全部直して以来(参照)、すっかり親孝行なヘビになりましたよ。旺盛すぎる食欲以外はね。
正直、10年前にバイパーを買ったころには、こんな未来が待ち受けていようとは思いもしなかった。当時は(というか今もか?)アメ車=壊れるというのが摂理のごとく吹聴されていたし、記者自身も相応なトラブルを覚悟していたし、実際、いろいろトラブったし。しかし、メカ系をひととおり直してみればこの通り。石川にも福島にも新潟にも、どこにだって普通に行けちゃうのだ。いやはやホント、何事も自分でやらねば分からないもんですな。
とにもかくにも、前回に続き存外にコストが浮いた今年の車検。そのぶんの金を回して……というわけではないのだが、今春、記者はひとつ挑戦したことがあった。エアコンの復活である。
始動、バイパー冷え冷え化計画
そもそも記者のバイパーは、久しくエアコンから冷媒が抜けていた。長年にわたるガス漏れとの苦闘の末、シール剤を内部にブチ撒いて寛解に至ったのが2019年。それでも1~2年ごとにガスを充填する必要があったのだが、1回イエローハットに行ったっきりで、「なんかもういいや」となってしまったのだ。どうせ自分しか乗んないし、前の「Mini」だってエアコン壊れてたしね。そんなわけで、ここ3、4年は冷媒が抜けるに任せ、地獄の炎夏も気合と根性で乗り切っていた。
だったらなんで今さら復活を? と問われれば、冷媒が空の状態で放置していると、いずれ本当にエアコンが壊れてしまうと思ったから。そしてもうひとつは、なんかちょっと、今までと違うことがしてみたいと思い立ったからだ。
思い立ったが吉日。記者はさっそく、インターネットを駆使して冷媒ガスにエアコン添加剤、追加のシール剤、真空引き用のバキュームポンプを物色。その品々を千葉県に住まう朋友宅に送りつけた。なぜわが家ではないのか? それは、場所と人手で朋友に頼る気満々でいたからだ。何事も他力本願寺。これぞ都合よく生きる秘訣ですよ。そうして2026年春の某日、もろもろの品がそろったことを確認した記者は、バイパーで東京湾を渡ったのである。
ちなみに、この朋友のS氏というは、記者がMiniに乗っていたころからの知己の者で、男2人で浜名湖Mini Dayやネグローニのアウトレットセールに行くような付き合いである。記者はすでにMiniを降り、バイパーなんてけったいなクルマに乗り換えてしまったが、氏はいまだにかの英国の名車を愛で(しかも2台、ニューMINIを含むと3台!)、健やかな奥さまをめとり、ご賢息とともにガレージでホンダの「モンキー」や「ホーネット」を組み立てて人生を謳歌している。いやはや人間、どこで差がつくか分かりませんな(泣)。
持つべきものは頼れる友よ
話が脱線してしまった。バイパーのエアコンに軌道を戻そう。
施工当日、アクアライン渋滞で盛大に遅刻をかました記者を、S氏は助っ人の友人と共に待ってくれていた。で、記者がカップヌードルで一服するのを待って(ガレージでカップヌードルって最高! 時間が若かりしころに巻き戻ったようだ)、さっそく作業に取りかかった。
バイパーのエンジンルームを開け、まずはバルブのOリングを交換。次いでアストロプロダクツのマニホールドゲージをつなぎ、エアコン内の様子をチェックする。意外なことに冷媒はまだ残っていたようで、「これ、真空引きしたらもったいないから、今回はガスを補充するだけにしますか」とあいなった。哀れ新品のバキュームポンプは、一回も活躍せずにお蔵入りとなったわけだ。
「これ、高かったのに……」という記者の悲哀をよそに、作業はサクサク進む。マニホールドゲージを介してエアコン添加剤をブシュー、次いでシール剤をブシュー、そしていよいよ、冷媒ガス「HFC-134a」の出番だ。調べたところ、Gen2バイパーのガスの量は24~28オンス(約680~794g)とのことだったので、今回は200gのガス缶5本セットをお取り寄せ(4本セットなんて中途半端なものは売ってなかったんだよ)。ひとまず3本充填し、その後はゲージの数字やエアコンの温度とご相談……と思っていたのだが、既述のとおりバイパーにはそこそこガスが残っていたので、3本目の途中で早くも入りが悪くなった。シャカシャカ振っても、缶を水に浸しても、もう入らない。エアコンから噴き出す風の温度は10.4℃。ゲージが示すガス圧も正常な域内となっていたので、今回はここまで。残った2本とバキュームポンプは、持って帰っても漬物石だしS氏に寄贈することにした。
その後、“バルブの虫”ことバルブコアが緩んでいて、せっかくの冷媒が「ジュブジュブ……」と漏れ出したり、S氏所有の虫まわし(バルブコアを締めるトルクドライバー)がバルブコアに届かなくて右往左往したり、近所の工具屋さんに代わりの虫まわしを買いに行ったりしたのだが、騒動はその程度。バイパーの冷媒ガス充填は、つつがなく完了したのだった。
ちなみに、上述の作業において記者が何をしていたかといえば、後ろで踊って2人を応援していただけ。いやはや、持つべきものは頼りになる友ですなぁ(笑)。
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せっかくヘンなクルマを持っているのだから
こうしてすっかり快適仕様となったわがバイパーだが、これによって記者のカーライフは、予想外なまでに劇的に変化した。なにせこの出不精が、超久々にバイパーのオーナーミーティングに参加してしまったのだ。それも時期は5月末、行き先は近畿の水がめ・琵琶湖である。エアコンが機能不全だったころなら、ちょっと遠慮していたかもしれない遠征で、そんなツアーに足どりも軽く参加した己のマインドに、我ながらちょっと驚いた。たかがエアコン、されどエアコン。移動が快適ってだけで、人生こんなに変わるのか。
ただ一方で、DIYと聞いて読者諸氏が想起するような節約には大失敗だった。なにせ、今回の施工に要した費用は3万2980円。これは上述の機器や消耗品の購入費用のみで、実際には千葉への渡航費にガソリン代なんかもかかっているのだ。近所のイエローハットで済ませたほうがはるかに安上がりだったことは間違いない。カー用品店、恐るべし。
しかし、そんなことはどーでもいいのである。自分で調べて必要な品をそろえ、朋友の宅へ行き、皆でわちゃわちゃエアコンを直す。最高ではないか。
さて次はどうしよう。手始めにオイル交換でもするか。スピーカーの換装や助手席ドアトリムの補修、ホイールの剥離塗装……は、さすがにお店に任せよう(笑)。S氏は「ベルハンマーを手に入れた!」と喜んでいたので、添加剤にチャレンジするのもいいかもしれない。素人があまりいじったら不具合を起こすかもだが、まぁなにかあっても俺のクルマだ。問題ないっしょ(笑)。せっかくこんなけったいなクルマを持っているのだから、今後はもっと、いろんなことを楽しみたい。
(文も写真も編集もぜんぶwebCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>)

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
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