メルセデス・ベンツブースの紹介(後編)【パリサロン2012】
2012.10.01 自動車ニュース【パリサロン2012】メルセデス・ベンツブースの紹介(後編) 〜個性的な派生モデル
メルセデス・ベンツは「パリモーターショー2012」において、複数の電気自動車(EV)を出展したほか、次世代モデルに関する映像なども紹介した。
■新型ワゴンはスペシャル感たっぷり
環境対応車以外のコンベンショナルなモデルのなかでのイチ押しは、「メルセデス・ベンツCLSシューティングブレーク」だ。その名のとおり、「CLS」をベースにワゴンボディーに仕立てたもの。2010年の北京モーターショーでお披露目されたコンセプトモデル「コンセプト シューティングブレーク」の市販バージョンである。
スタイリングはほぼコンセプトカーのまま。特徴的なスタイリングは驚くほど忠実に再現されている。実際には細かく調整されているのかもしれないが、パッと見で変更されたことがわかるのはバンパーくらいでしかない。
ワゴン化の際に陥りがちな実用車っぽさはしっかりと封じ込まれていて、クーペとは表現の仕方は異なるが、「CLS」独特の“スペシャルなイメージ”は健在だ。
ボディーサイズは全長4956mm×全幅1881mm×全高1416mm。16mm長い全長以外は4ドアクーペと変わらず。ホイールベースも同一だ。荷室容量は590リッター(5人乗車時)〜1550リッター(最大時)。カッコよさを優先させたデザインだが、クーペ以上の実用性を持つ。またベンチタイプの後席を採用することで、乗車定員はクーペの4人から5人へと変更。このあたりにもクーペとのキャラクターの違いが表れていると言えるだろう。
一方、スーパースポーツモデルの「SLS AMG」に追加された「GT」は、「SLS AMG」のスポーツ性をさらに高めた一台。エンジンは標準モデルと同じ6.2リッターV型8気筒だが、最高出力を435kW(591ps)へとパワーアップ。これにより0-100km/h加速の所要時間を3.7秒へと0.1秒短縮することに成功している。なお、最大トルクは変わっていない。また、新しいAMGライドコントロールパフォーマンスサスペンションの採用などシャシーにも改良が加えられたほか、内外装でも差別化が図られている。クーペとロードスターのどちらでも選択が可能だ。
■フラッグシップとコンパクトの“これから”も展示
実車ではないが、今回はもう一つ注目の展示が行われていた。それは、「エステティックS」と呼ばれる、「Sクラス」のスタイリングを紹介するもので、2013年にデビューする新型「Sクラス」のサイドビューがエンボス加工されたスクリーン上に、その新型を含む歴代「Sクラス」の映像を映し出すという内容だった。
「スマート」ブランドからは、「forstars(フォースターズ)」と呼ばれる電気自動車のコンセプトカーが出展された。2012年のデトロイトモーターショーでお披露目された「forus(フォーアス)」の“ボディー違い”で、「フォーアス」が2人乗りのコンパクトなピックアップだったのに対し、「フォースターズ」は同じ2人乗りながら2BOXスタイルになった。ちなみにスマートでは「SUC=スポーツ・ユーティリティー・クーペ」と呼んでいる。
ボディーサイズは「フォーツー」よりもひと回り大きい全長3550mm×1710mm×1505mm。ホイールベースは2470mm。これは「フォーツー」よりも600mmほど長い。2人の人間を運ぶだけのシティーコミューターである「フォーツー」をベースに、「フォースターズ」は有効なラゲッジスペースを加えることで、新しい可能性を模索しているといったところかもしれない。なお、パワートレインは「フォーツー ブラバス エレクトリックドライブ」をベースに開発されている。
(文と写真=新井一樹)
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